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栗屋 敬之 院長の独自取材記事

サウスウッドこどもクリニック

(横浜市都筑区/センター南駅)

最終更新日:2023/02/22

栗屋敬之院長 サウスウッドこどもクリニック main

「センター南駅」から徒歩3分。「サウスウッドこどもクリニック」は、駅前すぐの開放感と親しみあふれるショッピングモール内に位置している。2016年の7月から子どものための診療を始めた栗屋敬之院長は、「一人ひとりの子どもは、体調を崩してクリニックに来るような時があっても、あくまでも『その後の人生のために育っている最中』である」という認識を大事にしている。その認識を持つことにより、いざ、病気で困っているという時期だけではなく、幅広く長期的な視点で健康の相談に応じられるという。大事な時期に関わることで、少しでも人生を前向きに生きていくような子どもたちの成長を促す、という点に栗屋院長は小児科の医師としてのやりがいを感じているようだ。真面目で穏やかな診療方針を聞いた。

(取材日2017年5月30日)

親しみやすい雰囲気を大切に、子どもの成長を育む場に

この地で開院された理由は何でしたか?

栗屋敬之院長 サウスウッドこどもクリニック1

子どもが育つ環境や時間を大事にする人たちを支えられるような場で開院したいと思って地域を探していて、それで最終的に行き着いたのがこの「センター南駅」でした。新興の開発地でもあり、新しく転居して来られるご家族も含めてさまざまな患者さんを迎えることになりましたが、お子さんと一緒に育んでいく大事な時間の一部になれるような医院でありたいと考えています。それもあって、院内の内装は樹木をイメージしていたり、受付には親しみが持てるキャラクターのジオラマを折り紙で作って展示したり、置く絵本にも工夫したりと無味乾燥な場にはならないよう工夫していますね。昔ながらの商店街のような、顔の見える関係を保てる場でありたいと思っています。

診療をする際、どのようなことを心がけていますか?

幅広くお子さんのトラブルに対応できる場でありたい、と考えています。病気の時に頼りになるだけでなく、熱が出た時にご自宅で気をつけることや、薬の飲ませ方などで困っておられるかもしれないお母さんたちのために、持ち帰り自由で後からご自宅で確認できるプリントも、院内には多数用意してあります。育児を経験しているスタッフも多いので、育児中の皆さんに対する想像力のあるクリニックともいえると思います。

院長には、時間をかけて、お話を丁寧に聞くという姿勢がありますね。

栗屋敬之院長 サウスウッドこどもクリニック2

今後、患者さんがあまりにも増えすぎたら、今ほどお時間を取ることができるかどうかというのは心配事のうちの1つですが、可能な限り、お子さんの状況をじっくり伺い、こちらからただ薬を出すだけでなく、誠心誠意お役に立てることを伝えたい、と考えています。それも、総合病院など大きな医療機関では実現しづらいことだと思いますからね。

病気で苦しむ子どもたちの気持ちをよく知る医師として

医師になったきっかけは何でしたか?

栗屋敬之院長 サウスウッドこどもクリニック3

小学校1年生の頃、当時住んでいた福岡で、電柱に上って遊んでいたら感電して落下してしまったんです。すぐに病院に運ばれました。地域一帯は停電になり、母親などは「どうしたのかしら?」と思ったらしいですが、原因は私だったわけです。危ない状況ではありましたが、一命はとりとめました。その後、東京に転居した後にも、かなり長く治療を続ける必要があったんです。足に左右差が出てしまい、骨延長術を受けていましたので、そのために、ずいぶん長く入院せざるを得ませんでした。小さな子どもにとってはかなりきつい経験でもあったんです。「嫌だなぁ」とも思ったし、病床で無力感を覚えながら、お医者さん、看護師さんが来てくれないかと待っていた時間もよく覚えています。そういう子どもの気持ちがよくわかったので、最終的には医学部に進学し、小児科という診療科目を選ぶことになったわけです。

大学卒業後、長らく勤務医として経験を重ねてこられたのですね。

両親の出身地であることを機に選んだ宮崎県の国立大学医学部を卒業した後には、母校の医局に残る、という選択肢もありました。ただ、出身大学に附属する病院の小児科での診療ではがん治療などが主流でした。もちろんそれも非常に重要な医療の一端ではあります。ただ、幅広い小児診療を行うことを志していた私は、いわば一般的な子どもの患者さんに近い場を求めて、東京の順天堂大学の医局に入局し、研修をさせてもらう道を選びました。その後、関連病院も含めて勤務医としての経験を積ませてもらったんです。東京都豊島区、北区、板橋区、練馬区の都民のために幅広い医療を提供する基幹病院である東京都立豊島病院では、特に15年から20年ほどと長く在籍することになりました。小児科の医師として、親子と病気を巡る多くのことを考えさせられましたね。同時に、地域のクリニックと連携する中で、開業医の役割への理解も深めてもらいました。

そのような経験から、小児科の医師が果たす役割をどのようなものだと考えるようになりましたか?

栗屋敬之院長 サウスウッドこどもクリニック4

子どもの病気は、絶え間なく続く子育ての中で起こる1つの過程なので、教育や成長のためにもなる診療を提供するべきだ、ということですね。例えば、病気になる前の段階でも親御さんには子どもの健康を守るためにやれることがあるから、積極的に伝えるべきと捉えるようになりました。さらに、病気そのものの治療と同時に、病気にならないよう、子どもの周囲の環境を良くするための助言も、親御さんに許容してもらえる範囲できちんとすべきだ、とも思うようになりました。インターネットが普及し、マスメディアからの情報もあふれていて、何でも知ることができる時代のようでもありながら、実は偏った知見に振り回されている場合も多いんです。インフルエンザへの対処にしても、それぞれの子どもや症状によって異なる対応が必要なんですよね。そういった、具体的なアドバイスを行う場所としての小児科医療の重要性を痛感するようになりました。

音楽は、病気の際には大事な連れ合いのようでもある

これまでで印象的だった患者さんとのやりとりをお聞かせいただけますか?

栗屋敬之院長 サウスウッドこどもクリニック5

結果的には大きな病院を紹介することになった、大学受験を控えていたある患者さんですね。その方は、現役の時は症状が重くなって勉強ができなかったんです。しかし、その病気をきっかけに医療に興味を持ち、その後、薬学部に進学されていました。私もそうでしたが、そのように治療を通して健康や医療を考え直し、未来に医療者になってくれるなんていう患者さんはほかにも何人かおられたな、と思い出します。

お忙しいと思いますが、診療の合間に息抜きでされていることは何ですか?

自然と触れ合うのが好きなので、自転車で公園に出かけてみたり、大山、雲取山、八ヶ岳などへ登山に出かけたりすることですね。小さい頃にケガをしたこともあり、部活動では思うように激しいスポーツができなかったものですから、自分のペースでゆっくり体を動かして目的を達成できるので、登山は気持ちが良いなと感じて楽しんでいます。また、音楽を聴いたり演奏したりすることも大事な時間になっています。病気で体が思うように動かせない時など、音楽だけが慰めであり、気晴らしだったという期間も過ごしてきていますからね。音楽フェスなどにも参加して楽しく聴き続けています。良い音で聴くことにも興味があり、それが人にも良い影響を与えると思っているので、院内のオーディオ機器も品質の良いものをご用意しております。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

栗屋敬之院長 サウスウッドこどもクリニック6

お子さんを抱えたお母さんたちにお伝えしたいことになりますが、本当に大変な中で、時間をぎりぎり捻出されて子育てをされている方も多い時代に向き合い、健康や生活にまつわる相談をできる「町のかかりつけ医」でありたい、と私は考えています。当院では病気を治すだけではなく、時にはご家庭の状況をお聞きした上で、医療者から見ての生活面のアドバイスをすることもあります。例えば、習い事が多くて少し息が詰まるようなスケジュールに置かれている今の環境が、お子さんに影響しているのではないか、といったように。しつけるわけではないですが、そのぐらいに真面目に向き合うほうが、お子さんの広い意味での健康維持に役立つと思っているんです。悪気があって叱るつもりなどはありませんので、ぜひ生活の相談にもつながるような医療的な相談所として、当院を活用していただけたらありがたく思います。

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