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重冨 直恵 院長、重冨 俊雄 先生の独自取材記事

歯科 口腔外科 LIFE

(名古屋市名東区/藤が丘駅)

最終更新日:2021/10/12

重冨直恵院長、重冨俊雄先生 歯科 口腔外科 LIFE main

地下鉄東山線の終点、藤が丘駅。東部丘陵の閑静な住宅街が広がる町の玄関口は、とても活気がある。そこから徒歩3分ほど、見事な桜並木が連なる通りにあるメディカルステーション藤が丘の2階にある「歯科 口腔外科 LIFE」は、長年にわたり大学の口腔外科で教えてきた重冨俊雄先生と、その妻である院長の重冨直恵先生が、新たな活動の場として今年4月に開設したばかりのクリニックだ。俊雄先生の教え子でもある若き歯科口腔外科医たちとのグループ診療で、一般歯科から、全身管理が必要な有病者の治療まで、幅広く受け持つことが可能になっている。「患者さんのQOLを何よりも大切にしたい」という重冨夫妻に、新しいクリニックに込めた思いを聞いた。

(取材日2017年6月10日)

複数の医師が切磋琢磨し、質の高い歯科診療を提供

たくさんの医師がいらっしゃいますが、どのような診療体制なのですか?

重冨直恵院長、重冨俊雄先生 歯科 口腔外科 LIFE1

【俊雄先生】院長のほかに、私と、若い先生が4人在籍しています。若い先生方は、私が勤務していた大学病院や総合病院で一緒に仕事をしてきた信頼のおける仲間達です。若い先生たちが、大学以外でも技術を磨き、活躍する場を地域につくろうと、このクリニックを開設しました。火曜日担当の内田先生はインプラントのエキスパート、水曜日担当の前田先生は博学でどんな質問にも優しく応えるタイプ、金曜午前担当の菱田先生は患者さんの悩みにじっと耳を傾けてくれることから、同年代の女性に人気、土曜午前と月曜日担当の須藤先生は何事にも一生懸命取り組む医師、とそれぞれ個性が豊かです。

毎日違う医師が診療することにはメリットとデメリットがあると思うのですが。

【俊雄先生】確かに「一人の先生が診ていないと治療方針などが決まらないのでは」と言われることもあります。でも、逆に複数の医師が診るということは、常にいろいろな医師の目に触れるので、一定以上の技術でやっていかないといけない。「質の担保」というのはグループ診療の最大のメリットです。ただ、基本的には患者さんは決まった曜日に来られることが多いので、担当医が変わることはそれほど多くはありません。もし別の医師が診る場合にも患者さんの情報をしっかりと申し送り共有することで、だれが診てもLIFEとして質の高い診療が提供できる体制にしています。

直恵先生はどういうお立場なのですか?

【直恵院長】私は現場を長く離れていたものですから、いまはクリニックの運営に関することを一手に引き受け、あとは先生たちのアシスタント的な立場を担っています。担当の先生は毎日替わりますが私が常時いることで、LIFEらしさ、質の維持、安心感みたいなものを醸し出せたらと思っています。

俊雄先生と直恵先生は大学の同級生だったのですね。

重冨直恵院長、重冨俊雄先生 歯科 口腔外科 LIFE2

【直恵院長】はい、大学時代に知り合いました。卒業後、夫は故郷である名古屋に戻って名古屋大学大学院に入学、私も自分の故郷である青森県八戸市の歯科に勤めたのですが、卒業後1年ほどで結婚し、私が名古屋にやってきました。本当はこちらでも歯科医師として働き続けるつもりでしたが、すぐに子どもができ、次々と3人を出産。育児に追われ、復帰のチャンスを逃がしていました。ようやく3人目の子どもまで手が離れて一息ついたところで、このクリニックを作る話が出て、一緒にやることにしたのです。

「口腔外科」とは本来、患者さんに寄り添うところ

「口腔外科」とあえて院名に掲げた理由と、医院の特色を教えてください。

重冨直恵院長、重冨俊雄先生 歯科 口腔外科 LIFE3

【直恵院長】「歯科口腔外科」という看板に、患者さんはわからないかもしれないと心配はしたのですが、やはり当院の強みなので入れました。小児歯科以外の診療に関して、口腔外科は対応できる幅がとても広いですよ。
【俊雄先生】特色としては、全員が麻酔研修を行っており、全身管理ができることです。心臓の病気やがんなど別の病気があり、注意が必要な有病者の対応が可能です。例えばがんで放射線治療を受けている方では、歯科治療が原因で骨髄炎になることもあるので、踏むべき手順があります。何をすると危険であるとか、今の状態がどうなのか、という判断を的確に下すことができる点が強みです。なので、近隣の病院からの紹介患者さんも積極的に受けていきたいと思っています。

俊雄先生は病院でのご経験が長いですが、開業医として大事にされていることは何ですか?

【俊雄先生】「話を聴く」ということを大切にしていきたいですね。病院でも歯科医院でも、よく「ここでは手に負えません」と言われるケースがあります。そんなとき「ここでこれ以上の治療は無理でも、何かアイデアがあるのではないか」と感じることが多いのです。「あの病院へ行けば何か見つかる可能性がある」「こちらの方法を試してみてもいいんじゃないか」といった代替案とアドバイスがないと、患者さんは困ってしまいます。例えば、当院金曜午前担当の菱田先生は、患者さんの話を聴くのがうまい。特に50歳前後の女性患者さんが抱えるいろいろな悩みを聞き出して、一緒になって方策を考えます。患者さんがジーンと涙を流されることも多いので、彼女は「泣きのヒシダ」と呼ばれているのですが、口腔外科とは本来、そうやって痛みの背景に寄り添っていくところなんですね。

ただ歯の治療をするだけでなく、患者さんのさまざまな問題に対処していくということでしょうか。

重冨直恵院長、重冨俊雄先生 歯科 口腔外科 LIFE4

【俊雄先生】そうです。よく若い先生たちに言うのですが、大学や病院の口腔外科には入院患者さんがいます。歯科の専門分野のなかでは、補綴などに進む人のほうが多いのですが、口腔外科の面白いところはここ。普通、患者さんは基本的に数日~数ヵ月ごとにしか来院しませんが、口腔外科では毎日一生懸命、病棟に診に行って話を聴けば、1~2週間で患者さんとの信頼関係を築くことができる。その信頼がとても大事なのです。

QOLを第一に考えた治療を

クリニックと病院との違いを感じることはありますか?

重冨直恵院長、重冨俊雄先生 歯科 口腔外科 LIFE5

【俊雄先生】あまりないですね。僕は、基本的にはがんも虫歯も同じだと思っています。昔は、がん治療といえば延命第一で、生かすためにあらゆる手段を講じる、という考え方でしたが、今はQOL(生活の質)が重視されます。がん治療に死力を尽くしても、亡くなるときは亡くなる。治療のために苦しむことが必ずしも良いとは限りません。患者さんが今を楽しく生きていくにはどうしたらいいか、患者さんと一緒に考えることが大切です。それは虫歯でも同じ。虫歯が痛くて何もする気がしない、という患者さんの生活の質を改善するために、痛みを取り、治療するわけです。食べる・話すなど生きるために大事なことをつかさどる口腔は、QOLを保つ上で非常に重要な器官。その意味では病院もクリニックも同じなのです。

直恵先生が毎日現場にいらして、力を入れていることは何ですか?

【直恵先生】やはり患者さんとお話することですね。呼ばれて診察室に入り、「歯が痛い」と説明しようとしたら、みるみる口を開けられて治療が進み、あっという間に終わり、「今度いつ来ますか?」といった経験はありませんか?「私は今日、どんな治療を受けたんだろう」と。私自身は子どもを3人育てずっと主婦をしてきまして、こんな経験がたくさんありました。だから治療前に、私が待合室かカウンセリングルームでじっくりお話をするようにしています。クリニックの雰囲気はなるべく患者さんがゆったりできるようにと配慮しましたので、皆さん、結構話してくださいますね。特に、月曜日と金曜日は医師・スタッフが女性ばかりなので、近隣の女性患者さんたちに癒やしを感じていただけているようです。

今後どんなクリニックにしていきたいですか?

重冨直恵院長、重冨俊雄先生 歯科 口腔外科 LIFE6

【俊雄先生】私はこの近くの出身で、やはり地域の役に立ちたいという思いがあります。もう数年もすれば、病院は若い先生方にお任せして、知っている人たちがいる町に根を下ろし、地域の人たちのために診療を続けていきたいと思っています。
【直恵先生】ここは桜並木が素晴らしいんです。来年の春にはこの待合室で患者さんがお花見をしながら、リラックスできるような空間にしていけたらいいなと思っています。長い主婦経験を生かして、患者さんの悩みや困っていることを話していただきやすい環境をつくっていきたいですね。

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