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横山 宏太 院長の独自取材記事

広尾デンタルクリニック

(渋谷区/広尾駅)

最終更新日:2021/12/22

横山宏太院長 広尾デンタルクリニック main

広尾の街に根づいて28年の「広尾デンタルクリニック」。早期に導入したマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を用いた治療、定期検診の啓発、質にこだわった自由診療など、開院当初から取り入れてきたスタイルは、歯科技術や機器とともに進化し、同院には質の高い治療を求める患者が訪れている。常に歯科医療の未来を見つめ、自身のスキル向上にも熱心な横山宏太院長。物腰もやわらかく、インタビューに答える言葉の一つ一つに説得力がある。仕事に対する姿勢、一人の患者に長く寄り添う診療、患者とのコミュニケーションの重要性など、含蓄に富む話を聞いた。

(取材日2018年10月17日)

28年間にわたり追求してきた質重視の診療

開院から28年を迎えられるとのことですが、これまでを振り返っていかがですか。

横山宏太院長 広尾デンタルクリニック1

1991年に開院し、あっという間の28年でした。日本の歯科医療の現状では、たくさんの歯科医院があり、患者さん主体で歯科医院を選びますから、われわれは選ばれる側なんですね。ですから、ここを選んで来てくださった患者さんには、最大限の力で最善の治療を行うことを目標にしてきました。当院には長く通っていらっしゃる患者さんがとても多く、歯1本だけを治すのではなく、お口の中全体を良い状態で維持できるように定期検診を受診していただいています。月に受診される患者さんの3分の2が定期検診にみえる方です。今では定期検診の重要性が一般的にも浸透しておりますが、それを開院当初から取り組んできたクリニックです。僕は大学を卒業後、銀座の歯科医院で7年間勤務しました。そこは自由診療のみのクリニックで、アメリカの大学の准教授まで務められた先生に師事しました。現在、当院でも多くの方が自由診療で治療されています。

自由診療を行うことについてはどのようにお考えですか?

自由診療を提供する上では、少しでも高額にならないよう考えます。しかし、マイクロスコープ、拡大鏡下での精度の高い治療には治療時間もかかり、またセラミックやジルコニアなどの金属アレルギーを起こさない材料を使用するとどうしても健康保険の枠を超えた治療内容になってしまいます。例えば、治療に1年かかったとしても、それが20年安心した状態が期待できるのであれば、20年の中の1年ですから、それを患者さんがどう考えるかですよね。治療費に関しても同じで、患者さんの価値観によって選択は異なってくると思います。ただ、結果として治療したのにまた治療し直さなくてはいけない状態、もっと言えば、歯が失われてしまうようなことがない治療を行うことは大切だと思います。

こちらでは若手の先生方の育成にも力を入れているそうですね。

横山宏太院長 広尾デンタルクリニック2

僕自身、先ほどお話しした恩師のところで長年修行し、開業医の先生方を指導するコースのお手伝いなどもしてきました。われわれの世界は、自分一人で学問書を読んで、何かを見て得られるというものではないんですよね。当院では、まずマネキンの模型の歯を削ったり、根の治療の練習をし、担当する患者さんの診療計画などについても診療後にディスカッションしています。そういったことをさせてもらえる場所で、指導し育ててもらわないとできるようにならないんです。それを自分がしてきてもらいましたから、自分も同じように若い歯科医師を育てて、日本の歯科のレベルを上げるということが大事ではないかと思っています。開業当時から若い先生と一緒に仕事をしていますが、ここを出て独立した先生は、おかげさまでみんな順調のようです。

常に新しい歯科医療を見据え、先端技術や機器を導入

こちらでは、早くからマイクロスコープを導入されているそうですね。

横山宏太院長 広尾デンタルクリニック3

マイクロスコープは、20年以上前から導入しています。アメリカでの勉強会で、カリフォルニアに開業している先生の顕微鏡治療に関する講演を聴いたときは、本当に驚きましたね。マイクロスコープを使って治療している姿を見て、「こんな世界があるのか」と感動しました。一般的な治療とはあまりにもレベルが違いましたから「よし、自分も日本でやろう」と思ったものの、当時の日本は大学病院でも設備があるかないかの時代でしたね。それが今では、治療の中でスタンダードな機材という感覚です。当院では、歯科衛生士も拡大鏡を用いて患者さんのお口のメンテナンスを行っていますし、裸眼で治療する時代ではないと思いますね。僕は10倍の拡大鏡とマイクロスコープを使い分け、常に拡大鏡下で治療しています。やはり見えるものの精度や治療のクオリティーがまったく違うと感じますね。

最近、新たに導入された機器はありますか?

若手の先生用に、もう一台マイクロスコープを導入しました。後は、3Dスキャナーをつい1週間ほど前に導入したばかりです。歯科の治療では、歯の型を採ったりすることがありますよね。従来は、シリコンの材料を口の中に入れて型を採っていましたが、今は3Dスキャナーで口の中の状態を読み込んで、そのデータを技工所に送ってセラミックの歯などを作る時代なんですね。機能も上がってきて、先日ワイヤレスの3Dスキャナーが発売されたこともあり導入しました。単純に目新しいものを導入するということではなく、精度の高い治療をするためには、そういったものが必要になります。従来の印象材による型採りより患者さんの負担も極めて少なく、嘔吐反射が強く型採りが苦手な患者さんにも適しているでしょう。

質の高い治療を行うための設備なんですね。

横山宏太院長 広尾デンタルクリニック4

歯科用CTはインプラント治療を行う上で不可欠でCTデータをもとにインプラントのシミュレーションソフトにて埋入位置を決め、そのデータでサージカルガイドを作製します。手術の際はそのガイドを使用してシミュレーションと同じ位置に埋入することができ血管や神経を傷つけることなく安全に十分配慮して行えます。またマイクロスコープも見落としがちな細い副根管を見つけることができ、治療後の予後が違ってきます。

患者利益を考えた治療と末永いメンテナンスを担って

先生が歯科医師を志したきっかけを教えてください。

横山宏太院長 広尾デンタルクリニック5

3歳上の兄が医学の道に進み、現在は脳神経外科の医師として活躍しています。兄が医学部に進学したことに触発されたことに加えて、僕は小さな頃からとても手先が器用だったので、その資質を生かそうと歯学部へ進みました。やはり技工はとても得意でしたね。勤務医時代はセラミッククラウンも自分で焼いて作っていました。高校まではそんなに勉強は好きじゃなかったけど(笑)。歯学部に入って本当に毎日が楽しかったですね。一生懸命勉強しました。歯科の世界は、常に技術や材料が進化するので、自分の技術は常に上げていかないといけません。そのため、今でも海外、国内問わず勉強会や講習を受けるようにしてます。

先生が診療で大事にされていることは何でしょう?

僕がいつも患者さんに言うのは、治療の最終的な決定権は患者さんにあって、われわれが決めることではないんですよということです。そのためには、患者さんが決定でき得る情報をわれわれが正確にわかりやすく説明してあげないといけないですよね。どんな治療にも利点と欠点があるので、患者さんが理解できる説明、適切な診断というのは大事だと思います。僕がすべての治療をするのではなく、例えば、僕よりもスペシャリストだと思える先生に紹介することもあります。歯科医師が、自分の得意とする治療を勧めるのではなく、患者さんの利益やより良い結果のためにどうするのかを考えた治療を行うようにしています。

最後に今後の展望を聞かせてください。

横山宏太院長 広尾デンタルクリニック6

当院に通い始めた頃は小学生の低学年だった子や、お母さんの治療中におなかの上にいた赤ちゃんがもう20歳を過ぎたり、結婚もしたり、あるいは自分の子どもを連れて来たりすると、自分も年を取ったなと思うのですが(笑)、常にそこまで長く来てくださるというのは本当にうれしいですね。これから先、どれくらいの患者さんを診られるかわかりませんが、これまで自分が診て治療をして携わった患者さんに関しては、末長くメンテナンスをして、責任を持って口の中の状態を維持していく役割を担いたいと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント/30万円~、ジルコニアクラウン/10万円~、セラミッククラウン/13万円~、セラミックインレー/8万円~、歯ぎしりに対するマウスピース/2万円~、オフィスホワイトニング/1回 2万円~、ホームホワイトニング/5万円~

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