精密な治療に有用なマイクロスコープ
細かい所も目視で確認可能
綾瀬駅前りょうデンタルクリニック
(葛飾区/綾瀬駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
虫歯や歯周病治療、義歯治療など幅広い歯科医療に対応している「綾瀬駅前りょうデンタルクリニック」。熱い情熱を持って歯科技術の研鑽を積んだ秋元亮介院長は、さまざまな口腔トラブルに対応しながら、精度と手際を重視した治療を実践している。そんな秋元院長の診断や治療の精度の向上に役立っているのがマイクロスコープだ。マイクロスコープとは手術用顕微鏡のことで、肉眼では見ることのできない細かい部分を拡大して確認できるという。秋元院長は、「治療における一つの武器。治療を行う中で、症例や患者さんの要望に即して使用しています」と話す。このマイクロスコープを使った治療がどのように行われるのか、秋元院長に解説してもらった。
(取材日2019年3月1日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qマイクロスコープとはどういうものですか?
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A
マイクロスコープは、肉眼で見えないものがはっきりと見えるようになる光学顕微鏡です。例えば1万円札の緻密な模様は、マイクロスコープを使えばすべてクリアに見えるのです。これまで歯科治療では、検査結果と病態が一致しない場合、「たぶん○○だろう」というような診断をしていたことが多くありました。しかし、マイクロスコープで確認すれば、この「たぶん」がなくなり、理詰めによる診断が可能になります。つまり、診断力や治療の精度を高めるための一つの武器なのです。ただこの武器をどれほど使いこなせるかは、歯科医師の力量によるところが大きいですね。
- Qマイクロスコープを使用した治療のメリットは何ですか?
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A
治療の精度を上げられることだと考えています。マイクロスコープを活用する治療の一つに根管治療がありますが、歯の根っこの部分は解剖学的にとても複雑な形をしています。神経が通っている根管が、肉眼では3本に見えていたものがマイクロスコープで確認したら実は4本だったなど、「見える」ことでより精密な治療が可能となります。繊細な素材であるコンポジットレジンの充填においても、より高い適合性と美しさを兼ね備えた治療ができるようになると考えています。また、歯の質が悪くなっている場合は、肉眼では見えないほんの小さなひびも発見でき、速やかに対処できるなど、歯科治療のさまざまな場面でメリットがあります。
- Q治療の費用や、かかる時間について教えてください。
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A
当院では、マイクロスコープを保険診療の一環として必要に応じて使用しており、費用も保険診療内で対応しています。マイクロスコープを使う際には、事前に患者さんにそのメリットを詳しく説明しています。また、治療時間は、マイクロスコープのセッティングやピント合わせなどに少し時間を要すため、通常の治療時間よりも少し長くなります。治療も緻密な作業になりますので、症状に応じて実際の時間は異なってきます。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1エックス線検査や歯周病検査で口腔内をチェック
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初診ではまずエックス線撮影、口腔内写真撮影、歯周病検査を行い口腔内の状態を詳細に確認。秋元院長は特に歯周病検査を重要視しており、歯茎の状態や出血の有無、歯周ポケットの深さ、歯のぐらつき具合などを細かく調べ、歯周病の進行度を調べる。同院に通う患者には、歯周病予防の意識がまだ低い人も多いため、念入りに検査をするという。
- 2検査結果に即して治療の方針、治療計画を立てる
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歯周病検査や口腔内検査の結果や問題点などについてわかりやすく説明して、治療の方向性について患者とよく話し合う。トラブルが少なければ初診時に治療計画を立てることも可能。しかし問題点が多いと、再度、口腔内の精密検査を行う場合もある。秋元院長は、治療計画をどの段階で説明するのが良いか、患者の理解度も鑑みながらタイミングを選んで話をしている。
- 3マイクロスコープについて事前に説明
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治療を始める前には3DCTを撮影し、3次元で歯や骨、神経などの位置を確認。また患者にマイクロスコープについて理解してもらうため、コンサルテーションを丁寧に行う。マイクロスコープがいきなり顔の前に現れると、その形から威圧感を感じる患者も多いそうで、患者に安心して治療を受けてもらえるよう、丁寧な説明は欠かせない。
- 4マイクロスコープを用いた治療がスタート
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3DCTで撮影した画像をもとに、従来の拡大鏡よりも細かいところまで見ることができるマイクロスコープを使って治療。緻密な作業が続くため、患者と歯科医師が互いにストレスを感じることのないポジションを重視。そのポジションをキープしながら治療を行う。
- 5処置後、補綴を行って終了
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マイクロスコープを使う治療の代表例である根管治療の場合は、マイクロスコープで根管内の虫歯に感染した箇所や汚れを確認しつつ、処置を施した後、根管内に充填材を詰め、その後上部に補綴を行う。場合によっては補綴の前に仮歯を作り、歯周病治療を施すこともある。すべての治療が終了した後は、定期的にメンテナンスに通い、口腔内の状態をチェックする。