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山下 美代子 院長の独自取材記事

やましたこどもクリニック

(三重郡朝日町/伊勢朝日駅)

最終更新日:2021/10/12

山下美代子院長 やましたこどもクリニック main

静かな住宅地の中にあり、大小の丸型をくり抜いたユニークな白い外壁が目印の「やましたこどもクリニック」。近鉄名古屋線・伊勢朝日駅から徒歩約3分の場所にある。院長の山下美代子先生は、長年大阪で診療にあたってきた経験豊富な小児科専門の医師。小児科全般の診療はもちろん、低身長や夜尿症の相談・診療、心臓のエコー検査を含めた循環器の診療も提供している。同院は感染症の拡大防止のために隔離室を設けており、さらには乳児を逆隔離できるよう授乳室も設置。小さな患者とその家族が安心して診療できるような仕組みを整えている。「病気を治すことはもちろん、お子さんの成長を見守ることも、小児科の医師としての喜び」と笑顔で語る山下院長に、同院の特徴などを詳しく聞いた。

(取材日2019年11月5日)

安全・安心の小児診療を提供するため感染症対策を徹底

開院の経緯と、先生が小児科を専門に選んだ理由をご紹介ください。

山下美代子院長 やましたこどもクリニック1

もともとこの場所には、私の祖父、そして私の父が診療を提供していた「山下医院」がありました。私は大学時代から大阪に住み、小児科の勤務医として長く診療してきましたが、父から「帰ってこないか」と口説かれ、地元であるこの町に戻ることを決心。内科をメインにしていた山下医院を継承し、建物を一新して、2016年に小児科クリニックとして新たにオープンしました。私が小児科を専門に選んだのは、子どもの全身を診ることができる科であることと、元気になって成長していく子どもの姿を見守ることができることに、医師としての魅力を感じたからです。また、大学時代の実習でいろんな科を回ったときに、小児科の先生がとても勉強熱心で、そういう先生方の中で研鑽を積みたいと思ったことも、小児科を選んだ理由です。小児科の医師になって、後悔したことは一度もありません。

新しくクリニックをつくるにあたって、こだわった点などはありますか。

当クリニックをつくるときに、私が最もこだわったのは、感染症に対応できる院内設計でした。一般の患者さんが感染症の患者さんと接触して感染が拡大しないように、入り口を2つ設け、隔離室を用意して対応しています。発熱があったり、感染症の疑いがある患者さんは、通常の入り口とは異なる別の入り口から入っていただき、すぐ傍にある隔離室で待っていただいて、そこで診察するようにしています。さらには授乳室を設け、3ヵ月までの乳児の患者さんは、ここで順番を待っていただくようにしています。いわゆる逆隔離です。乳児は免疫力がありませんので、病気を拾わないように心がけることは、ご家族の安心にもつながると思います。こうした感染症対策を整えたクリニックづくりは、私の譲れないこだわりでした。

開業して3年。患者層に変化はありますか。

山下美代子院長 やましたこどもクリニック2

開院した当初は、「試しに行ってみよう」という患者さんが多かったと感じていますが、そこから当クリニックをかかりつけにしてくださる患者さんが増えてきました。この辺りは子どもの出生率が日本の中でも高い地域ですので、初めてのお子さんだけでなく、2人目、3人目のお子さんを出産されて、受診に連れて来られる親御さんも多くなってきました。周辺のエリアからも通院される患者さんが増えていますので、3年かけて当クリニックの認知度が上がってきたのかなと、うれしく感じています。

小児科全般の診療から、低身長、夜尿症の相談・診療も

診療の内容をご紹介ください。

山下美代子院長 やましたこどもクリニック3

小児科全般の診療を提供していますが、中でもアレルギー疾患、低身長や夜尿症の相談と診療にも注力して取り組んでいます。地域性なのか、スギ花粉症の症状を強く出している患者さんは多いですね。夜尿症については、当クリニックではまず生活改善から指導し、規則正しい生活や水分の取り方のアドバイスを行っていきます。それだけで改善が見込める場合もありますが、変化がない場合はお薬へ移行するなど、あとはアラームを使用して対応するケースもありますね。これは、下着が濡れるとアラームが鳴り、おねしょに気づかせてくれるというものです。経過を観察しながら、それぞれに合った診療計画を提案しています。また低身長については、3歳児検診や幼稚園の健診などで、「一度病院へ」とアドバイスされて来院するケースが多いです。成長ホルモンがうまく分泌されているかを検査し、分泌が足りていないときはすぐに治療を行っています。

こだわって導入した医療機器があるそうですね。

子どもの弱視・斜視・乱視などのスクリーニング検査が行える機器を導入しました。乳児や幼児に目の検査を行うのは難しいのですが、この機器を使うことで、短時間で異常を発見することができます。これは眼科の先生にお任せしてもいいのではと思いましたが、通い慣れている小児科で気軽に目の検査ができたら、気づきにくい隠れた病気が見つかりやすくなると思い、導入しました。異常に気づき早期に治療を行えば、将来の大きな目の病気を予防することにつながります。6ヵ月以降のお子さんで検査を希望される方や、乳幼児検診を受けに来られる方全員に、この目の検査を提供しています。これまで斜視が見つかったケースもありましたし、取り入れて良かったと思っています。また、私は小児の循環器の診療も行ってきましたので、当クリニックでも心臓の超音波検査ができるように、設備を整えています。

診療時に心がけていることはありますか。

山下美代子院長 やましたこどもクリニック4

患者さんはお子さんですので、あいさつなどの基本的な礼儀を大切にしながら診療を行っています。電子カルテばかりを見て、患者さんの顔を見ないことがないように、きちんと患者さんの顔を見て「おはよう」「こんにちは」といったあいさつをして、お話しするように心がけています。最初はこちらからあいさつをしても何も言えなかったお子さんが、次第にあいさつができるようになっていく様子を見ると、うれしくなります。また、当クリニックでは患者誤認防止のため、診療室で診察券を出してもらって確認するようにしていますが、この時お子さんには診察券を両手で渡してもらうようにしています。そうした礼儀を身につけていくお子さんの成長を見守ることも、私の喜びです。

明るく優しいスタッフとともに、安心・安全な診療を

院内処方を行っていますが、その理由を教えてください。

山下美代子院長 やましたこどもクリニック5

当クリニックの周囲には調剤薬局がなく、また新しく薬局が入る場所もありませんでしたので、院内処方を行っています。小さいお子さんを連れて薬局へ出向くことなく、ここで薬をもらえて、会計も一緒で済むのは助かると、患者さんに喜んでいただくことは多いです。また私としても、院内処方では私が使いたい薬を用意することができますので、そういう点でも満足しています。勤務医時代は病院に薬剤部があり、なかなか自由に薬を使えませんでしたが、今はそうした縛りがありません。成長ホルモンの薬なども、信頼する複数の種類を用意することができています。

スタッフさんとは良いチームワークができているようですね。

良いスタッフに恵まれたと思っています。開業時からのスタッフがほとんどで、看護師・受付事務スタッフはみんな仲良く、和気あいあいとした雰囲気があります。それが患者さんにも自然と伝わっているのではないでしょうか。笑顔があり、明るく優しい方ばかりです。診察のときは、私から患者さんに説明をしていますが、患者さんが不安そうなときは、看護師さんが待合室で説明のフォローをしてくれます。患者さんにしてみたら、医師の私から説明されることと同じ内容でも、看護師さんにもう一度説明してもらうことで、より理解が深まると思います。スタッフは皆さん、よく気がつき、自主的に動いてくれますので、本当に助けられています。

今後の目標をお聞かせください。

山下美代子院長 やましたこどもクリニック6

ここはお子さんが増えている地域ですので、皆さんの力になれるよう、医療を通して役立っていきたいと思っています。開業して3年が経過し、今では小児科の病気以外でも、「ころんだ」「ケガをした」と当クリニックを頼って来院してくださる方が増えてきました。患者さんに頼られるということは、小児科の医師としてはとても光栄なことです。お子さんとご家族に安心で安全な医療が提供できるよう、感染対策にもスタッフ一同で取り組んでいます。小児科の疾患はもちろん、低身長や夜尿症などで心配があれば、ぜひ気軽に相談にいらしていただきたいと思います。

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