岸辺こころのクリニック

石川 慎一院長

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JR京都線岸辺駅。北大阪健康医療都市計画が進むこのエリアは、駅北側に移転してきた国立循環器病研究センターや市立吹田市民病院が立ち並ぶ。JR岸辺駅より阪急正雀駅方面に向かって歩くこと約5分。昔ながらの家々が連なる一角に「岸辺こころのクリニック」がある。院長を務める石川慎一先生は京都大学医学部付属病院や兵庫県災害医療センター、滋賀県立精神医療センター、西神戸医療センターなどで勤務医として経験を積んだ後、2016年当院を開業した。「大切なのは孤立せず、他者とつながること」と語る石川先生に心の在り方や精神医療の展望について話を聞いた。
(取材日2019年1月23日)

「人の心」への探求心が精神科への道を歩ませる

―先生は工業大学を卒業後、一般企業での就労経験がおありなんですね。

はい。通信会社で勤務していました。10代の頃は人間への興味からロボットを作ってみたいと思い、大学では機械工学を専攻していました。勉強を進める中で「人の心」について考えるようになり、関心がハードウェアからソフトウェアへ変わったんです。大学院では組織の中におけるコミュニケーションについて研究し、その経験を生かせる仕事をしたいと思いました。就職した会社の研究所では音声認識の開発などに携わりました。実際に仕事をしているといろいろと厳しい現実があり、考えた末に辞職しました。周りからは心配されたり叱られたり。私自身ゼロから人生を考え直す機会となり、本当に自分のしたいことが何なのか自問しました。以前からあった人の心に対する興味が深くなり、そこに関わる一番の近道は精神科医になることではないかと思い至りました。医学部に入ってからは、それこそ後がないので必死で勉強しましたよ。

―さまざまな基幹病院、公的医療機関での勤務経験をお持ちですね。

関西の基幹病院だけでなく、九州の離島でも診療を行いました。さまざまな病院、地域に患者さんがおられ、一人ひとりが皆違います。おかれている社会背景もさまざまで、それぞれにフィットした診療が必要であるということを身をもって体感してきました。一日でも早く患者さんをしっかり診られるようになりたかったので、いろんな症例を診ることができて良かったと思います。私は医師としてのスタートが他人より10年遅いです。年齢の割にキャリアの短い私は、勤務医のままではやりたい仕事をすることができずに定年を迎えてしまうのではないかというい思いも湧いてきました。それを意識した時に開業を考えるようになったんです。

―岸辺に開業されたのはなぜですか? どのような患者さんが来られますか?

岸辺は祖父母が住んでいた場所で、私は隣の市で生まれ会社員だった父について長く関西を離れていました。しかし研修医のときから、再び吹田市で暮らす機会がありました。この地域は私にとってスタートの場所だったんです。開業を考え始めた頃、国立循環器病研究センターや市立吹田市民病院の移転をはじめとする医療関連の機能集積が進む北大阪健康医療都市整備事業を知り、自分もそうした動きの潮流に乗って一緒に活動してみたいと思いました。クリニックには子どもさんからご年配の方まで幅広い世代の方がいらっしゃいます。学生さんや働き始めたばかりの若い方は人間関係、働き盛りの世代の方は職場でのストレスや子どもさんについて、ご年配の方は気持ちが落ち込んでしまってうまく生活ができない、といった内容で相談に来られます。皆さんこのクリニックを大事にしてくださるので、こちらもより丁寧に接したいという気持ちになりますね。



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