白石菊恵院長の独自取材記事

デンタルオフィス薬院

(福岡市中央区／薬院駅)

最終更新日：2021/10/12

西鉄天神大牟田線、地下鉄七隈線の薬院駅から徒歩3分という好立地、「デンタルオフィス薬院」は2016年に開業した。一見シャープな印象の院長・白石菊恵先生は、語り始めるや、その印象はものの見事にくつがえされる。「自分自身が患者として、事務的な対応をされた経験があり、その時の残念な気持ちを知っています。だからこそ、ここでは患者さんにそんな思いをしてほしくないんです」と話し、コミュニケーションを重視したぬくもりある歯科医療の提供をめざす。ベビーカーごと入室できるゆったりとした診察室。薬院大通りの喧騒を感じさせない、静かで落ち着いた医療空間。女性患者が8割を占めるという、クリニックの魅力や特徴をつかむため、白石院長に患者や診療に対する想いを聞いた。

（取材日2021年1月13日）

虫歯から矯正、審美歯科まで、幅広い分野に対応可能
気遣いと優しさで、患者がリラックスできる医療空間に
患者の人生をハッピーにする歯科医療をめざして

虫歯から矯正、審美歯科まで、幅広い分野に対応可能

こちらの患者層から教えていただけますか？

ここは、天神からも徒歩圏内ですし、博多エリアからもアクセスが良く、薬院や平尾を中心にオフィスや住宅街、学生さん、20代から70代まで幅広い患者さんに利用いただいています。県外からも来られていて、遠くは沖縄から通院してくださっている方もいるんですよ。現在、女性患者さんが8割ほど。痛い・詰め物が外れたといったことで治療を求めて来られる患者さんだけでなく、男女問わずお口周りをきれいに保ちたい定期クリーニング目的の方や、審美的なケアや治療をお求めの方が増えています。また、永久歯に生え変わる時期に差しかかったお子さんがいる患者さんから小児の矯正について相談を受けることも多いですね。

自費診療の割合が多いということでしょうか。

マウスピース型装置を使った矯正やインプラント治療の対応も確かに多いのですが、保険・自費の割合は半々ほどです。予防を啓発し、無駄な治療は行いたくないと考えています。少々の虫歯なら削りませんし、神経もなるべく取らないようにして、経過観察と予防というのが治療方針の基本です。ただ、皆さんきれいにしたいというご希望もあるので、保険治療であっても、できるかぎり審美性に配慮することは常に心がけています。口腔外科的治療が必要な場合、大学病院などを紹介しますが、患者さんのお口のお悩みすべてに対応できる歯科医師であることが私の理想。基本的には虫歯や歯周病治療から矯正歯科、小児歯科、審美歯科、予防歯科まで、当院ですべて対応できるようにしています。

かなり余裕のある診察スペースですね。

スロープを設けているので、ベビーカーごと診察室に入室できます。子育て真っ最中の方は忙しく、赤ちゃんのお世話も心配になるもの。個室なので赤ちゃんがぐずっても気遣い不要ですし、赤ちゃんの様子を見ながら受診いただけます。エックス線写真の撮影後は、ここで画像を患者さんと一緒に見ながら、お口の中の状態や治療方針の説明し、納得していただいた上で診察台に座っていただきます。お母さんが診察中、このパソコンでお絵描きするお子さんもいますよ。

気遣いと優しさで、患者がリラックスできる医療空間に

治療をする上で心がけていることは何ですか？

歯が痛いだけでもつらいのに、治療でさらに痛い思いをするのかと想像するだけで足が遠のくのが歯科医院です。なので、痛みに配慮した治療をまず心がけています。また、私自身が医療機関を受診した時、待ち時間が長かったり、説明が少なく話も十分に聞いてもらえなかったりして、嫌な思いをしたことがあるため、当院では患者さんの話をよく聞き、わかりやすく丁寧に説明することを大切にしています。それもあって話はけっこう長いほうかもしれませんね（笑）。あと、せっかく勇気を振り絞って行動された患者さんのことを考えると、怖い顔をして「こうなったのは自業自得ですよ」といった説明などできません。私が皆さんに届けたいのは人に優しい医療。そのほうが自分自身も居心地がいいのです。患者さんと歯科医師がなんでも話し合える関係性、それが大事です。

患者さんとの対話やコミュニケーションを重視した診療スタイルなのですね。

そうですね。皆さんお忙しい方ばかりですので、頻回な通院にならないように、一回あたりの診察に時間をとっていただくようにして、必ず自分で患者さんと直接話をします。歯科衛生士を通して状態を知ることはできるのですが、カルテの字面だけではつかめないものもあります。実際、直接お話をすることで「実はここも気になっているんです」と、カルテには書かれていない問題点を引き出すきっかけになったこともあります。先日も生まれて初めて歯科医院に来ましたという患者さんがおみえになりました。その方は痛みはないものの、お口の中を見て気になる部分があったということでした。そうしたわずかな感覚も見逃さないため、患者さんと直接お話しすることはとても重要なことだと思います。

ところで、こちらのクリニックは病院独特の薬剤のにおいがほとんどしませんね。

私たち医療従事者は、病院独特の消毒薬のにおいには慣れていますが、それが苦手な方は少なくないですし、そのにおいのせいでで緊張される方もいらっしゃいます。ですから、当院ではにおいの強い消毒薬は使用していません。もちろん、治療に関わるものはすべてディスポーザブル製品を利用し、また消毒滅菌についてもさまざまな対策をしています。雰囲気づくりにもこだわって、BGMも流しています。ちょっとしたプライベート空間のように感じていただき、ゆっくりしていただきたいんです。たまに、男性で初めて来院される方が「ここ、歯科医院ですよね？」と念押しされながら、受付されることもありますね（笑）。

患者の人生をハッピーにする歯科医療をめざして

完全予約制も通院しやすさの魅力なのでしょうか。

もちろん急患対応もしますし、土曜は予約が殺到して難しいことが多いのですが、当院は「お待たせしない」ことをモットーにしています。予約したのに30分も待たされた、なんて経験ありませんか？　それを避けたいんです。10時30分の予約なら10時30分から診察する、それが完全予約制の意味なので、予約時間に治療がスタートできるよう体制を整えています。そして、ほかの患者さんと院内で居合わせることがないというのも、当院の特徴の一つです。スタッフがうまく予約調整してくれるので助かっています。いわゆる密にもなりませんから、感染対策の一環とも言えますね。

自費治療の場合、費用の相談もできますか？

まずは患者さんのご希望をお聞きし、予算的に難しい場合は、時期を分けて治療する方法をご提案しています。ただ、暫定的な治療をして、再治療になるようなことは私の信条に反します。一度治療した部分は、ずっと長く使っていただきたいですし、患者さんにも、ここで診てもらって良かったと思っていただきたいです。めざすのは、押しつけの治療ではなく、患者さんがしてほしい治療。もちろん、プロとしての提案を行い、費用のことも含めて総合的にベストに導くのが私たちの仕事です。歯の治療をして健康になり、きれいになることで、その患者さんの人生がハッピーになればいいなと思いながら日々診療にあたっています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

歯科医療の進化は速いですから、新しいものを取り入れ、患者さんに心身・コストともに負荷の少ない治療を追及しています。難しいものは難しいとお伝えはしますが、他院で希望がかなわないと診断されたのなら、一人で悩まず気軽に相談してほしいです。インプラントは無理と診断された方も、セカンドオピニオンがきっかけで希望にお応えできたケースがあります。歯が悪くて食事が楽しめない、口元が気になって笑顔に自身が持てない、と悩んでおられる方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。自信は人生の質を向上させると思います。どうか、お口の中のことを些細なことかもしれない、無理かもしれないと諦めず、気軽に相談してください。当院はリラックスしていただける歯科医院ですので、気構えることなく、ゆったりした気分でお越しください。