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今井 加納子 院長の独自取材記事

紫苑 婦人科クリニック

(所沢市/新所沢駅)

最終更新日:2019/08/28

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西武新宿線・新所沢駅より徒歩8分、住宅街の中にある「紫苑(しおん) 婦人科クリニック」。待合室には今井加納子(いまい・かのこ)院長が自宅で飼っている猫の写真や、患者が持参した自慢のペットの写真を貼るブースがあり、親しみやすく患者との距離が近い、温かみのあるクリニックということが実感できた。今井院長は防衛医科大学校を卒業した後、同大学校医学研究科に進み、札幌医科大学へ国内留学して学位を取得した経歴を持つ、努力家のドクターだ。その間に2人の子を産み育てるというパワフルな面があるが、物腰はとてもやわらかい。対話からしか何も生まれないという信念で日々患者の相談を受ける、そんな院長にたっぷりと話を聞いた。
(取材日2017年7月3日)

話を聞くことは学びの一環。どんなことでも相談を

開院理由とこの地を選ばれたわけを教えてください。

大学病院の医局でとてもお世話になった教授の退官が決まり、それまで好きなことをさせていただいていましたが、もうできなくなるという時に将来を考えました。それからは非常勤での勤務に切り替え、他病院でもアルバイトのような形で勤務する中で開院を決意し、昨年無事に開院することができました。その間、自由になった時間で子どもたちといろいろなところへ旅行することができたのはうれしかったですね。ここは私の地元ですので、良質な医療を提供することで還元したいと思い、この地を選びました。おかげさまでたくさんの方に継続して通っていただけ、感謝しています。

診療において心がけていることはありますか?

初診では診療時間を長く取り、何で来たのかではなく、一番つらいこと、困っていることは何ですか? とお聞きするようにしています。すると比較的話しやすい感じがしますね。診療においては話をすることがとても大事だと思っているんです。しんどいこと、つらいことは話をしなければわかりませんから。新米医師の頃から、話をすることは患者さんに教わっていると思って診療をしてきました。どのようなしんどさがあり、どの治療をしたら改善されたのか、それは一つの症例であり、学びです。ですので、診療の枠を超えた相談に乗ることも多いんですよ。子どもの進学、婚活、うつ病で苦しんでいるなど、どんな相談にも乗っています。

これまでで、印象に残っている相談事はありますか?

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例えば更年期障害で通っていた人が思うように症状が改善しないな、と感じていたら、実はお子さんが統合失調症だと打ち明けてくださったことがあります。お子さんにきつく当たってはいけないと思いつつ、我慢できないことがある、と。本人もつらいですが、そのような場合、ご家族のつらさも大変なものです。元気そうな方が参っているときには何かしらの原因があります。婦人科の枠を超えていてもできることはしますし、福祉関係の仕事にも携わっているため、道筋をつけることもできますので、ご相談ください。

大学病院での不妊治療経験を生かしたカウンセリング

どんな主訴で来られる方が多いですか?

更年期障害や不妊治療などですね。あとは、他の人に話せないような悩みを相談するために来てくださる方もたくさんいらっしゃるので、病気や症状に限らず、どんな困り事でも受け入れています。大学病院では不妊治療を専門的に行っていましたが、日本臨床細胞学会細胞診専門医でもあり、その検査の仕事もするために幅広く診療を行っています。啓発もかねて、来院された方には、子宮がん検診を受けているか、確認するようにしています。所沢市は子宮がん検診が無料ではないために、受けていない方も多く見られます。子宮がんは早めに見つけないと手術が難しくなってしまうこともあるので、ぜひ一度受けてみてほしいですね。当院で検査した場合、私が納得いくまで検査、診断、問題があった場合の精密検査、ゼロ期の日帰り手術までいたしますのでご安心ください。

不妊カウンセリングを行っているとのことですが、どんな内容でしょうか。

メインにしているのは患者さんへの情報発信です。体外受精や人工授精についてはネットで調べれば情報が出てきますが、極端な話も多く感じます。不妊治療について不安なこと、聞きたいこともたくさんあるでしょうから、ご夫婦そろって説明する場所があったほうがいいと思い、不妊カウンセリングを始めました。実は私自身、自分が不妊だと気づいてから、子どもが欲しかったので体外受精を経験したんです。その時の経験を踏まえ、患者さん一人ひとりに合わせた治療スケジュールを組んでいます。不妊とは、子どもが「できない」のではなく、「できづらい」のです。それを打破するために、どんな検査があり、どのような治療から始め、といった、お互いのできる治療法をわかりやすい言葉で説明することを大事にしています。体外受精や人工授精について、具体的に細かく説明するとイメージがしやすいようで、ご主人が積極的に治療に取り組む様子も多く見られます。

カウンセリング後、そのまま不妊治療も受けられるとのことですが、どこまでの治療が受けられますか?

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当院では不妊原因の精密検査に重点を置き、不要な不妊治療は行わず、オーダーメイドの治療を心がけています。人工授精は行えますが、体外受精は行っていません。体外受精は病院によりいろんなやり方がありますので、メリット・デメリットまで説明し、希望者には私が信頼を寄せているドクターを紹介するか、また患者さんが希望する病院があれば、私のほうでその病院について調査をした上で、患者さんに選択していただいています。私自身、大学病院にいたときには体外受精までの治療を行っており、大学の講堂で5、6組のご夫婦を対象に月1回のカウンセリングもしていましたので、不妊治療の経験としては10年以上あります。一組ずつのカウンセリングのほうが圧倒的に話がしやすく、詳しい説明もできます。とにかくどんなことでも相談に乗りますので、気軽にお越しください。

身体への負担を最小限にするホルモン治療

更年期障害ではどんな診療を行っていますか?

更年期障害の場合は「あなたにとって一番良い方法を一緒に探しましょう」といつも言っています。更年期障害の治療には答えがありません。本人が満足できるゴールへ向けて薬を少しずつ減らしていくことで、身体への負担を少なく症状改善することができます。治療はホルモン補充法、漢方薬の処方、プラセンタ注入の3軸からなり、それを組み合わせるなど、患者さんの希望やタイプに合わせて行っています。検査や診療をした上で、即効力が必要そうか、ホルモン剤に抵抗があるか、などの見立てに沿って診断し、「この治療法が向いてそうですよ」などとお勧めしていきます。もちろん、無理強いは一切いたしませんし、患者さんが求めていることをじっくり聞きながら、ゆっくりと治療するように心がけています。

先生はなぜ医師をめざし、そして産婦人科を専門に選ばれたのでしょう?

私が中学生くらいの頃、遺伝子原理の研究で日本人がノーベル賞を受賞したんです。そのときに「遺伝子って何?」と思ったことがきっかけかもしれません。同じ頃に飼っていた三毛猫が子猫を生んだんですが、三毛、トラ、キジトラ、シャムと、皆まったく違う模様。これは遺伝子で説明がつくのかな、と思い、そこから勉強を始めました。医学生になり、さまざまな科で学び、外科などは残念ながら亡くなる人が多くつらかったのですが、その中で産婦人科だけは命の誕生がありました。このバランスが心のバランスを保ってくれるところもあり、病気を治すのが医師の仕事かもしれませんが、私は「生まれる」ことにも携わりたいと思った。生と死をフィフティ・フィフティで扱いたかったんです。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

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悩んでることやつらいことがあったら、一人で抱え込まず相談しに来てください。「話し相手が欲しくなったら遊びに来てください」とよく口にするのですが、「本当ですか?」と聞かれます。本当にそれでいいんですよ。地元出身の医者として、この地に根をはって今後もやっていくために、今よりもっと気軽に来院しやすい工夫をしていこうと思います。検査のことなどは患者さんが見てわかるような説明文を掲示して、まだ来ていない患者さんにはちゃんと私の気持ちや情報が届くようにしていきたいですね。診療はもちろん、はり施術やダイエットカウンセリングなど、皆さんのニーズに合わせていろいろなイベントを行っていくので、患者さんたちにとって、お友達の輪が広がる場にもなれたらうれしいです。

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