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田尻 康人 院長の独自取材記事

東京都立広尾病院

(渋谷区/広尾駅)

最終更新日:2020/11/20

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広尾駅から徒歩約7分。たくさんの車や人が行き交う天現寺橋交差点からすぐのところにあるのが「東京都立広尾病院」だ。1895年のコレラ流行に対応するために開設されたという同院は現在、救急医療と災害医療、島しょ医療、心臓病医療、脳血管疾患医療、外国人医療を重点に幅広 い分野で安全で安心、良質な医療を提供することをめざしている。そんな同院の院⻑に2020年4月就任した田尻康人先生は、同院で20年近くに わたり整形外科の医師として末梢神経の専門的な治療に携わるほか、東京都の災害時医療に関するさまざまな活動に尽力する。「当院を魅力があっ て、人を引きつけるマグネットホスピタルにしていきたいですね」と話す田尻院⻑に、同院のことや抱負について話を聞いた。
(取材日2020年6月1日)

安心、安全、良質な医療の提供をめざす

貴院の役割を教えていただけますか?

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当院の一番の特徴は、東京都に2つしかない基幹災害拠点病院として、災害時医療の中心的役割を果たす病院になっていることです。救命救急センターやDMATチームなど災害時に対応するスタッフや設備を整えているほか、災害医療対策施設「レドマス」を備えており、災害拠点病院などへの教育やアドバイスをする役割を担っています。減災対策支援センターを中心に、災害時の体制に関する当院の考え方をお示ししたり、災害時における備えとして、「減災カレンダーHDMG」のような職員教育のための減災教育ツールを作ったり、各医療圏の災害医療コーディネーターと一緒に行う災害訓練のお手伝いをしています。病院は、災害に対応するため計画を作ることになっていますが、教わる機会はほとんどありません。ですから、当院の災害時体制についての考え方を提案しつつ、それぞれの病院に合わせた体制づくりをサポートしています。

どのような医療を特徴としているのでしょうか?

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一つは、救急医療です。当院の東京ER・広尾では、救命救急センターと内科系・外科系・小児系の各ERとで、1次から3次までの救急患者さんを24時間365日体制で受け入れています。ER・救命救急センターと各診療科との垣根が低いのが特徴で、例えば、夜中に運ばれてきた緊急手術や処置が必要な患者さんには、各診療科医師がすぐに対応します。次の特徴として、島しょ医療があります。伊豆諸島からはヘリコプターで、小笠原諸島からは航空機搬送で患者さんを受け入れます。緊急性が高い患者さんは屋上にあるヘリポートで直接受け入れます。さらに、昨年から外国人医療がセンター的医療に加わりました。当院の周辺には大使館などが多く、もともと外国人の患者さんが比較的多かったこともあり、外国人向け医療コーディネーター1名と英語4名中国語3名の医療通訳がそろっています。

力を入れていることは何ですか?

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一つは、循環器医療です。不整脈のアブレーション治療に力を入れているほか、心不全では先進の補助循環用ポンプカテーテルを導入しているので、重症の患者さんでも治療ができます。また、急性心筋梗塞などについても、循環器科と心臓血管外科が連携し緊急のカテーテル検査や手術を行うことができます。また、急性期の脳梗塞に対する血栓回収療法や大動脈瘤に対するステント術など、治療が難しい疾患にも対応できる体制を整えています。私が専門とする整形外科では、手外科専門の医師が4人在籍し、上肢外科、特に末梢神経損傷の治療を行っております。オートバイ事故などで頚部から手につながる神経が引き抜けるような腕神経叢引き抜き損傷に対して、他の神経をつなぎ変えて機能を戻す神経移行術など、他の施設では行っていないような高度な機能再建手術も行えます。

病院の運営や診療の際に心がけていることを教えてください。

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まだ、院⻑になったばかりですが、私が思っているのは、職員がぜひこの病院で働きたいと思ってもらえる病院にしたいということです。これは前院⻑が掲げられた、「マグネットホスピタル」にするという目標を引き継いだものです。マグネットとは、引きつける、ということで、患者さんにとってはここにかかりたい、開業の先生にとってはここに紹介したい、職員にとってはここで働きたいと思ってもらえるような、すべての人にとって魅力のある病院ということです。都立病院では、毎年職員満足度調査を行っていて、当院は今まで評価が今ひとつのところがありましたが、ようやく改善が見られてきました。これからも引き続き取り組んでいきたいと考えています。私自身が診療の際に心がけていることは、自分の親族を診るのと同じような気持ちで診ることです。これが基本だと思いますし、大切にしなければならないことだと思っています。

今後の抱負とメッセージをお願いします。

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完成が11年後と先のことになりますが、病院建て替えの計画が進んでいます。また、都立病院の独立行政法人化の話も出ているなど、これから病院が大きく変わっていくタイミングです。しかし、新しい病院が計画されていても、その完成まで座して待っているのではなく、建物は現状のままでも中身は今の時代に合った機能に変えて行く努力が必要であると考えています。当院はERや救命救急センターなどを通じて24時間365日救急患者さんに対応することや、災害訓練や公開講座などの啓発活動を行うことで、近隣にお住まいの方々や都⺠の皆さま、そして周辺の医療機関からの期待にも応えられるよう務めてまいります。最後の砦としてお困りの時にはぜひ当院を頼りにしていただきたいと思います。

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