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和泉 明宏 院長の独自取材記事

いずみ診療所

(松山市/久米駅)

最終更新日:2021/10/12

和泉明宏院長 いずみ診療所 main

松山市今在家に2016年5月に開院、高い天井に清潔感あふれる空間が広がる「いずみ診療所」。院内では患者や友人から開院祝いに贈られた絵画や、福が来るようにと和泉明宏院長自身が購入したフクロウの絵画が目を引く。和泉院長の和やかで明るい雰囲気が、院全体の心地良さにつながっているようだ。同院は「健康づくり」というコンセプトのため、コミュニティホールを併設している。「患者さんが元気になって、ありがとうと言ってくれることが大きなやりがい」と笑顔を見せる和泉院長に、長年の医師生活で感じてきたことや患者への思い、めざす医療についてじっくり話を聞いた。

(取材日2019年6月12日)

患者のすべてを診る診療で幅広い疾患に対応

どのような医師をめざしてこられたのでしょうか。

和泉明宏院長 いずみ診療所1

父の勧めで医師を志したのですが、高校時代はどのような医師になるべきか、自分が担うべき医療はどのようなものかと思い悩みました。そのとき、自分がより必要とされる場所で仕事がしたいと考え、へき地医療に携わりたいと志すようになったのです。そして、へき地に行くことを想定したとき、「外科的な治療ができれば自分一人で診療を完結し、責任をもってその地域の人たちの健康を守れるだろう」と、外科の道へ進みました。内科的な治療も含めて1人の患者さんをきちんと診られる医師が私のめざす像なので、外科を専門分野として学びながら、内科の分野も自分で勉強し、知識と経験を積んで総合診療を行う医師として患者さんと向き合ってきました。この医師になった当初からの、「患者さんのすべてを診る」という姿勢は今でも変わりません。

こちらに開院されるまでの経緯を教えてください。

私は三瓶町(現在の西予市)出身で、松山東高校に進学し、愛媛大学医学部を卒業しました。その後、愛媛医療生活協同組合に入職し、新居浜協立病院で1年間内科の研修をした後、2年間北海道で外科の研修を行い、新居浜に戻りました。愛媛生協病院では外科医師として胃がんや大腸がんなどの診断、手術から術後の抗がん剤治療まで携わりながら、高血圧や糖尿病など内科疾患の診療も手がけていました。その後、城北診療所所長として主に高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病をはじめ多岐にわたる診療に従事しました。そして自宅からも近いこの地域での開院を考えていたときにこの場所に出会ったんです。

奥さまも協力してクリニックづくりに取り組まれていますね。

和泉明宏院長 いずみ診療所2

妻の父の仕事の関係で知り合いが多く、地域の皆さんには本当に良くしていただいています。愛媛生協病院時代からお付き合いのある患者さんもいらっしゃいますし、こちらに開院して良かったと思いますね。診療所の隣には地域の皆さんの健康づくりのお役に立てればと考えて、皆さんが集えるコミュニティホールを併設し、妻が中心となって活動しています。ここは当院のコンセプト「地域丸ごと健康づくり」を具現化するために、体を動かすだけでなく、お互いに得意なことを教えたり、教わったり、その両方を楽しめる場を提供したいと考えて併設しました。皆さんに和気あいあいと心身の健康づくりに励んでいただきたいですね。

一人ひとりの患者に寄り添った診療を実践

どのような患者さんが来院されますか。

和泉明宏院長 いずみ診療所3

この辺りに長く暮らしている方が多く、年齢層は比較的高めですね。生活習慣病のほか認知症、健診、内視鏡検査、また排尿障害などご高齢者の健康障害の診断・治療などを通じて皆さまの健康をサポートしていきたいと考えています。生活習慣病については40代以降の方は特に意識していただきたいですね。今の疾患は動脈硬化が多いと思います。高血圧、糖尿病やコレステロールなど動脈硬化を進行させる病気ですから、動脈硬化を進行させない生活を意識することが重要です。またご高齢の方は免疫力、体力を維持していくために若い頃とは少し生活の質を変える必要があります。当院ではそうした患者さんの年齢や健康状態に合わせた適切なアドバイスを心がけています。

先生は訪問診療にも力を入れていらっしゃいます。

通院ができなくなり、ご自宅で人生の残りの時間を過ごされようと思われている患者さんとのつながりは、私が訪問診療をしなければ途絶えてしまいます。ですから通院が難しくなられた患者さんの所へはお伺いできるようにしているんです。訪問診療はご高齢の方が中心ですが、末期がんの患者さんや難病を抱える方もいらっしゃいます。完治が難しい病気だというケースもありますが、ご家族とともに穏やかな気持ちで過ごしていただけるよう、定期的に訪問して体調を確認するとともに必要なアドバイスを行っています。

コンセプトである「地域丸ごと健康づくり」について教えてください。

和泉明宏院長 いずみ診療所4

健康は自分自身で守るもので、医師はそのお手伝いしかできません。しかし自分の健康のために頑張るということは現実的にはなかなか難しいですよね。もともとこの診療所と一緒にコミュニティホールを作った目的は、地域の皆さんに向けて健康に関する講演会などを行い健康意識を高めていただくということだったんです。現在も皆さんの健康づくりにお役立ていただいていますが、今後はそういった講演会なども取り組んでいければと考えています。協力を申し出てくださる歯科の先生などもいらっしゃるので、多方面の専門家の力を借りながら近い将来実現させたいと思っています。身近な健康に役立つお話を気軽に聞いていただけるような場所になればうれしいですね。

「健康は自分自身でつくるもの」という意識を

診療において心がけていることをお聞かせください。

和泉明宏院長 いずみ診療所5

やはり、健康を保つにはご自身の努力が不可欠です。しかし継続していくには自分に合ったことをするということが大切です。当院ではお一人お一人の生活リズムやご要望に合った診療、指導を意識しています。また健診の重要性を認識していただくため、機会があるごとに患者さんにお勧めするようにしています。現在、松山市としても健診に力を入れていて、内容も非常に充実してきています。受診は無料のものも多いですし、特に普段なかなか診てもらっていない部分については、年1回は必ず受けていただきたいですね。当院でも行っていますが、内視鏡による胃がん検診は検査しながら異常が見つかった際にはすぐに組織検査ができる場合もあるので、一昔前と比べると患者さんの負担もかなり軽減されていると思います。どのような病気でも早期発見、早期治療に勝るものはありませんから、定期的なチェックは大切ですね。

改めて、先生がめざす診療はどのようなものでしょう。

「患者さんに満足して帰っていただける診療」、何よりもそれをめざしています。この診療所に来て良かった、この医師に相談して良かったと思っていただける診療をしたいと常々考えています。また、先ほどお話ししたように「患者さんのすべてを最後まで責任をもって診させていただきたい」という思いもずっと持ち続けています。医師は専門職として、健康維持についてや病気への対処法・予防法、あるいはお薬についてなど、さまざまなアドバイスをすることによって皆さまのより良い生活をサポートすることも重要な仕事だと考えています。ご自身やご家族の心身の健康のために、医師をうまく利用していただきたいですね。そのためには患者さんと医師、そして診療所の間に信頼関係を構築することが必要ですから、今後も精進していきます。

最後に読者へメッセージをお願いします。

和泉明宏院長 いずみ診療所6

多くの患者さんが「医師に言いたいことがあっても言えない」という経験があるようです。医師側に、要望を伝えにくい・相談しにくいといった雰囲気があるせいかもしれませんから、こちらも意識を変える必要があると思っています。また、かかりつけの先生を持ち、その先生に何でも相談できるようになっていただきたいですね。自分の体についてよくわかってもらえていることは安心だと思います。当院は健康づくりのパートナーとして、なるべく患者さんのすべてを把握し、適切なアドバイスをさせていただきたいと考えていますので、ご要望や不安に感じることがあれば遠慮なくお話しいただきたいですね。

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