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初村 英逸 院長の独自取材記事

品川メンタルクリニック 梅田院

(大阪市北区/福島駅)

最終更新日:2023/04/19

初村英逸院長 品川メンタルクリニック 梅田院 main

梅田の地下道直結の地下1階にある「新宿ストレスクリニック 梅田院」には、あらゆる悩みやストレスを抱えた患者が世代を問わず受診。自身も過去にうつを経験した初村英逸院長は、一人ひとりが心と体の健康を取り戻せるよう、信頼関係を重視し親身にケアにあたる。決して治療を無理強いせず「つらいときは話しに来るだけでも大丈夫です」と話す初村院長。優しく、わかりやすく、やわらかい言葉を選んで取材に応える様子からも、患者に寄り添う姿勢や人となりが伝わってくる。うつ病の治療を山登りに例えながら、手順を踏んで山頂をめざす大切さを熱心に説明。そして登頂時の患者の様子を満面の笑みで語る院長の、精神科医師としての心持をたっぷりと聞いた。

(取材日2022年9月9日)

健康と生活を取り戻すためのヒントを得に来てほしい

クリニックの特徴や患者さんについて教えてください。

初村英逸院長 品川メンタルクリニック 梅田院1

当院は、主にうつ病の方やストレスを抱えている方を専門に診療する心療内科・精神科クリニックです。2013年に品川に本院が誕生し、その後2014年に、名古屋院と同時に当院が開院しました。患者さんは10~80代まで、老若男女を問わずいらっしゃいます。世代ごとに異なるライフステージがあり、皆さん何かしらの事情をお持ちですので、どの世代だから楽ということはないんです。受診理由としては元気が出ない、心のゆとりがないといった主訴が多く、その中の一部の方が「医学的に病気」とされるうつ病などを患っています。問診や検査の結果、病気と診断した場合は患者さんと治療法をご相談し、ご要望に合わせて適切な方法で治療を実施します。

初村先生の診療スタンスを伺います。

医療者から患者さんへの一方的なコミュニケーションではなく、相互に意思疎通を図り、信頼関係を結んだ上で治療するのが私のスタンスです。本院や名古屋院にいる時も同じ意識でいましたが、人情味あふれる土地柄の梅田では、ともに治療に取り組む姿勢を一層心がけています。患者さんとの間には上下関係などなく、協力しながら健康を取り戻していきたいという気持ちです。そして健康になった先には仕事や学校、家庭といった日常生活が待っていますので、その人らしい暮らしも取り戻すのが目標です。精神的な元気や余裕がないときには視野も狭くなりがちで、将来どうすればよいかもわからず希望がないように思えてしまいます。しかし、本当はいろいろな解決法が存在しますので、ぜひその方法を聞きに来てください。

そう言ってもらえると、受診へのハードルも下がりそうですね。

初村英逸院長 品川メンタルクリニック 梅田院2

時代とともに受診ハードルは下がっているようには感じますが、それでも初診時などは緊張されると思います。精神的につらいときは人に会いたくないものですので、クリニックの門を叩くことすら躊躇される方もいるでしょう。さらに精神科という特質上、何を相談したらよいのか、自分はただ怠けているだけなのではないかとあれこれ考え込み、結局受診をやめてしまうケースも多いです。ただ私個人としては、つらくなったら来ればいいと考えています。検査や治療を無理やり行うことはないですし、ただ話すだけでも構いません。そこで何か一つでもきっかけを見つけて帰っていただければ、「困ったときはここに来ればいいんだ」という気持ちになれると思います。また検査を受け、病気ではなかった場合もそれはそれで安心できますので、気軽にお越しいただきたいですね。

目標に向かって、患者に寄り添いながら山登りに挑む

治療を進めるにあたり、大切にしていることは何ですか?

初村英逸院長 品川メンタルクリニック 梅田院3

第1に、何のために治療するのか目標を明確にすることです。向かう先をはっきりさせないと迷子になってしまいますからね。たいていの患者さんは「健康の回復と個人的・社会的な生活の復活」が目標になり、仕事でお悩みの方の場合は仕事復帰が最終的なゴールになります。第2には、そのゴールに到達するための最善の方法を見つけることです。山登りに例えるならば、どの道を通って山頂をめざすのか決める段階ですね。カウンセリングなどさまざまな治療の中から患者さんがしっくりくる方法を探り、治療が嫌なら規則正しい生活やよく笑う習慣などをご自身で意識し、実践してもらう場合もあります。生活習慣の改善は当たり前だろうと思われるかもしれませんが、思っているだけではなく実際に行動に移すことで、少なくとも良い方向には進めますよ。

とことん患者さんと同じ歩幅で治療を行っているんですね。

ええ、事情は一人ひとり違いますので、ご本人にとってより良い道を歩けるよう、山頂にたどり着くまで常に寄り添う姿勢でいます。加えて、私が第3に大切にしているのは、山の麓から登山を始めるにあたり、麓の様子を正確に把握することです。目標や通る道を決める以前に、現時点での患者さんの状態や立ち位置がわかっていないとスタートのしようがありませんからね。だからこそ、十分な会話や症状のヒアリングのほか、心理検査や光トポグラフィー検査なども活用し診断しています。ちなみに光トポグラフィー検査というのは、脳の機能を客観的に計測しうつ病の診断につなげる、先進の医療技術を用いた検査です。

コミュニケーションにおける工夫や配慮もお聞かせください。

初村英逸院長 品川メンタルクリニック 梅田院4

精神科の基本中の基本でもある、傾聴・共感・支持的な態度の3つを実践しています。うつ病などは心の問題も関係してきますので、医学的なアプローチだけでは足りないんです。精神的に不安定な状態の方は、人生の中で自信をなくしている時期にあるといえます。したがって、今までの頑張りを肯定し励まして、できる限りの信頼関係を築くことが重要です。それには私だけでなく、スタッフも一丸となって患者さんをサポートしていく必要があり、法人としてもスタッフの接遇面の教育は一貫して大事にしています。接客を超えた接遇により、患者さんといかに関係を構築できるかが、みんなで山登りをする上で最もコアになる部分ですね。

患者が「楽になる」以上に「楽しい」と思える時間を

精神科の道に進んだきっかけなど、これまでの経緯を伺います。

初村英逸院長 品川メンタルクリニック 梅田院5

精神科の道に進んだのは医師になって3年目でした。その背景には、私自身がうつになった経験があります。病気なのか状態なのかはわからなかったものの、実際に元気が出ず心に余裕がなくなり、仕事ができなくなったんですよね。今だからこそいえることですが、身をもってうつを体験できたからこそ、患者さんの症状やつらい気持ちはよく理解できます。この法人に入った理由は、先進的な検査や治療を積極的に導入している点に惹かれたためです。話には聞いても見たことのない技術にふれてみたいという興味と、うつ病治療の選択肢を広げたいという思いがありました。従来の方法では改善が見られない患者さんも多く、そのような方々を一人でも救いたいと考えたのです。

医師として患者さんから言われてうれしい言葉はありますか?

一緒に山登りをしてゴールに到達し、患者さんから「楽になりました」と言っていただけたらうれしいですね。初めは元気がなくストレスをためた状態だったのが、だんだんと心にも体にも余裕ができ、生活の見通しも立って一人で歩いていける。医師はその一部始終を見ています。でももっとうれしいのは「楽しかった」という言葉です。山頂が見えてくる頃の患者さんは、最初とは打って変わってできることが増え、あれこれ話ができる状態になっていることが見込めます。そして登山が終わったとき、最後の感想として「先生と一緒にいる時間は楽しい時間でもありました」と言ってくださればこんなにうれしいことはありません。楽(らく)と漢字は同じなのですが、楽しいという言葉を聞けると本当にしびれますし、その言葉が増えていくとといいなと思いますね。

読者へのメッセージをお願いします。

初村英逸院長 品川メンタルクリニック 梅田院6

うつと一口にいっても、その意味を正しく知らない方は少なくありません。それがご本人や周囲の方々を苦しめているケースも多く見受けられますので、うつとは何か、どんな治療法があるのかを知るだけでも安心できる部分があると思います。元気がない方や、心がいっぱいいっぱいで生活がうまくいっていない方は、何かしらのきっかけを見つけるために遠慮せずご相談ください。当院では今後も信頼・接遇といった診療のコアがゆらがないよう、現在のスタンスをしっかりと維持しつつ、必要な知識や技術を高めてまいります。一番大事なのは、お一人で抱え込まないこと。医療機関が緊張するのであれば、まずはご家族や友人などに話してみるのもよいでしょう。案外そこで解決法が見つかるかもしれませんよ。

自由診療費用の目安

自由診療とは

光トポグラフィー検査/2980円

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