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伊奈 慶典 院長、伊奈 菜穂子 副院長の独自取材記事

いな歯科クリニック

(岡崎市/宇頭駅)

最終更新日:2021/10/12

伊奈慶典院長、伊奈菜穂子副院長 いな歯科クリニック main

田畑が広がる住宅街の一角に「いな歯科クリニック」はある。大きな窓から日が差し込む明るい院内は、患者のプライバシーを守るための工夫が至る所に施されている。伊奈慶典院長の「補綴」と伊奈菜穂子副院長の「小児歯科」といったそれぞれの得意分野を生かしながら、町の医院らしく幅広く対応。口腔内の健康が体の健康に影響することを確信する両先生が、対症療法にとどまらず視野の広い診療を提供している。確固たる信念を持ちながらも優しさあふれる両先生に、熱い想いを語ってもらった。

(取材日2017年7月5日)

動線分離で、プライバシー保護と院内感染予防を徹底

まずは、歯科医師を選ばれたきっかけと開業までの経緯を教えてください。

伊奈慶典院長、伊奈菜穂子副院長 いな歯科クリニック1

【院長】この辺りで生まれ育って岡崎高校から東北大学歯学部に進みました。何か人の役に立つ仕事をしたいというのは漠然とありましたが、正直特に歯科医師に興味があった訳ではなく獣医師を考えた時期もあったんです。でも周囲のアドバイスもあり、この道を選びました。いざ学部へ行くと細かい作業とかが多いものだから、僕に合っているなと思うようになりましたね。大学院へ進んで補綴を専攻し、一層深い知識を身につけました。

副院長先生は法学部にいらっしゃったのですか?

【副院長】はい、法学部の4年生の時に父が心筋梗塞で倒れたんです。実家は内科なのですが、卒業後はそこで医療事務を手伝いました。その時に父も含めて心筋梗塞の患者は歯周病がひどくなることを知って。けれど内科なので口は診ない。そんなこともあり全身がわかる歯科医師になりたいと編入学しました。専攻は口腔外科で、卒業後は国立長寿医療研究センターでお世話になりました。医科の先生と力を合わせて、高齢の患者さんのQOLを上げていく病院だったので、すごく「現代社会」を間近で感じました。その後オリーブ歯科に移り、一般歯科やお子さんをたくさん診てきました。

開業時にはいろいろこだわられたのではないですか?

【副院長】最もこだわったのは「動線分離」です。プライバシー保護を考え、絨毯の部分は患者さん、硬い床の部分はスタッフと、完全に切り離しました。診療ユニットの後ろを別の患者さんが通る構造が一般的ですが、それだとモニター画像などが他の人に見えてしまう。自分だったら嫌だなと思い、ほとんどを個室にしたんです。ただ圧迫感がある個室を怖がられる患者さんもいらっしゃるので、半個室も用意しました。感染予防の意味もありますね。後は、お子さんのための広めのキッズスペースや親御さんと一緒に入れる診察室も用意しました。また、洗面台を2つとトイレを男女別で用意するなど、女性目線で考えた部分もあります。

こちらに訪れる患者層は?

伊奈慶典院長、伊奈菜穂子副院長 いな歯科クリニック2

【院長】この地域は、2世帯3世帯で一緒に住まれているお宅も多いんです。なので、午前中はご高齢の方、昼は女性、昼から夕方は学校帰りの子ども、その後はお仕事帰りの方たちと、全世代が来られます。副院長が「ゆりかごから墓場まで」とよく言うのですが、赤ちゃんが生まれて歯が生えてから高齢者になるまで、かかりつけ医としてずっと診ていきたいなという思いがありますね。

患者の人生を通して、常に寄り添う医院をめざす

患者層が広いのは理想的ですね。

伊奈慶典院長、伊奈菜穂子副院長 いな歯科クリニック3

【院長】はい。ただ、若い方がもう少し意識を持ってくれるといいなとは感じます。小さい頃はお母さんに連れて来られるんですが、この辺りは部活も盛んで帰宅が遅めなので、中学生以上はあまり来られなくなる。高校生は受験勉強も入ってくるので、痛みがない限り来院されませんね。中高年になって多くの方がもっと早くからメンテナンスをしておけば良かったと後悔されるのです。なので、赤ちゃんの頃から、例えば3ヵ月に1度は何もなくても歯科医院へ行くことを習慣づけてもらうことが大切だと思っています。

小児の予防歯科や矯正歯科にも力を入れられているとか?

【副院長】勤務医時代から歯並びの悪い子が多いことが気になっていたんですが、開業してからも8割くらいのお子さんが同様だったんです。舌や頬の筋肉が歯並びに影響するということは以前から勉強していたのですが、この状況は良くないと感じてさらに勉強しました。お口の機能の成長は10歳ぐらいまで。6~10歳の成長期の段階で、しっかりとした歯並び、噛み合わせ、お口の機能を持たせることが、将来高齢者になった時の嚥下の機能などにも結びつくことがわかってきました。それで、子どもの頃からの「予防のための矯正歯科」に力を入れ始めるようになったんです。口腔機能を整えることで、健やかな成長を促していけます。例えばお子さんに、口呼吸や猫背、お口をポカンと開けているなどの症状がある場合はかみ合わせなどが影響している可能性もあるんですよ。当院では月1回矯正専門の先生にも来ていただいていますので、成人の方もご相談ください。

親御さんの意識も大切では?

【院長】まさにそうです。「私はいいんだけどこの子だけは」と、すごく頑張って連れて来られるお母さんがいらっしゃいます。心情的にはわかるのですが、虫歯菌や歯周病菌は生まれてくるときにはお口の中に一切ない。実はインフルエンザと同じで感染するんです。一緒に住んでいるのであれば、お互い必ずと言って良いほど移し合います。まずはお母さんやお父さん、ご家族のお口の健康が大切です。

院長先生は補綴を専攻されていたそうですが、やはり噛み合わせ治療もされるのですか?

伊奈慶典院長、伊奈菜穂子副院長 いな歯科クリニック4

【院長】はい。噛み合わせに関しては人それぞれのステージがありますから、個々の「理想的な噛み合わせ」があるんです。基準となる正しい噛み合わせがその患者さんに合うかどうかはわからないので、細かい調整を行って正しい噛み合わせにしていきます。いわばオーダーメイドですね。噛み合わせが正しくなくても患者さん本人は気づかないことも多く、噛み方の癖はなかなか変えるのが難しい。「こういう噛み方をしているから将来こうなる可能性があります」と未来を予想し、伝えてあげることが大切なんです。

住民の「健康寿命」を延ばすことを意識した診療を提供

診療の際に心がけていることはありますか。

伊奈慶典院長、伊奈菜穂子副院長 いな歯科クリニック5

【院長】生命に直結しないので、歯科治療は後回しにされることが多いのです。でも、それは間違いじゃないかなと思っています。今の平均寿命は長いですが、健康寿命はそれよりずっと短い。「健康で長生き」を望むのであれば、歯をきっちり治したり、予防をしたりして自分の歯で食べられることが1番大切だと思います。「歯の健康を守ることは全身の健康を守ること」であることを、少しずつ押しつけにならないようにご説明するよう心がけています。

副院長が気をつけていらっしゃることは?

【副院長】私は今、お子さんや歯科が怖いといった方を多く担当しているのですが、まずは患者さんのキャラクターを大事にするようにしています。皆さんに対して同じ様な語りかけやコミュニケーションの取り方でなく、患者さんによって変えるようにしています。そういうことから信頼関係を築けると思います。また、先程院長も言っていましたが、「歯の健康が全身の健康につながる」ことはお伝えしています。特にお子さんは小さいうちにしっかりとしたお口の機能を持たせることがなぜ健康につながるかを、親御さんにもきちんとお話するよう心がけています。家族全員でお口の中の知識を高めてほしいな、そう思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

【院長】やはり健康で長生きをするために、自分で食事をすることは非常に大事なことです。自力で食べれなくなってしまったら、歩く力や全身の機能もすごく落ちてしまいます。そこをしっかりわかっているということが、まずはとても大切だと思います。歯科治療を後回しにせず、気になることがあればぜひ早めの受診をお勧めします。

副院長先生もお願いします。

伊奈慶典院長、伊奈菜穂子副院長 いな歯科クリニック6

【副院長】私ももうすぐ子どもが生まれることもあって、子どもに対してどういうふうにお口の管理をしていくか、お母さんたちが悩むのはすごくわかります。授乳の仕方とか離乳食のあげ方とか。歯医者ではそういうことを教えてくれないというイメージがあると思いますが、そういう知識を持った歯科医師もたくさんおります。小さい頃から虫歯なしで一生過ごせたら一番いいですし、正常なお口の発達が子どもの健やかな成長の第一歩だと思っています。大きくなっていい歯を抜いて矯正をするなどはなるべくしたくありませんよね。矯正をした方がいい時期など少しでも悩まれてる親御さんは、ぜひお近くの歯医者さんに足を運んでください。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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