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梶川 幸久 院長の独自取材記事

かじかわ歯科クリニック

(名古屋市緑区/本星崎駅)

最終更新日:2021/10/12

梶川幸久院長 かじかわ歯科クリニック main

「かじかわ歯科クリニック」は、2014年開業したばかりのクリニックだ。白を基調としている内装は、清潔感とおしゃれで温かみのある雰囲気を漂わせている。待合室に置かれた木製ベンチやオブジェは、院長の父の手作りだという。待合室の奥にはキッズスペースもある。診療スペースは低い壁で囲まれた半個室で、ゆったりとしたスペースが確保されている。院内はすべて靴のまま入れるバリアフリー設計となっている。院長の梶川幸久先生は、優しい笑顔が印象的な、穏やかな歯科医師だ。患者とのコミュニケーションを大切にし、患者の話をよく聞いてよく説明することを常に心がけている。インタビューに答える様子からも、誠実な人柄と患者からの信頼の厚さが垣間見えた。

(取材日2016年11月21日)

患者が何を求めてここに来ているのか

歯科医師をめざしたきっかけと、開業の経緯について教えてください。

梶川幸久院長 かじかわ歯科クリニック1

父が歯科医師で、その影響で歯学部に進みました。進路を考える高校生のとき、特に自分のやりたいことや他に興味のある仕事がなかったので、親の勧めどおりの歯科の道を選んだんです。卒業後研修医を一年やってすぐ父の歯科医院に入りました。実家のクリニックのシステムや方法を身につけたくて約8年勤務しました。やがて臨床経験を積み重ねていくうちに、そこではやっていない治療内容にも興味を持ち始めるようになったんです。なので自分のやりたいことをやってみたいなあと葛藤する場面がちらほら。それならいっそ自分で自分の城を作っちゃおうかなと思い開業することにしました。

診療において心がけていることは何ですか。

その人が何を求めてここに来ているのかを探りながら話をしています。この症状ならこの治療のみとパターン化するのではなく、僕はけっこう患者さん自身に治療方法を選択してもらえるようにするんです。そのためには、しっかりと説明することは大切です。何人かの患者さんに、「こんなに治療内容や口の中の状態について説明する先生には今まで会ったことがない」と言われましたよ。歯科医院って、何か症状がないと行かない人がほとんどだと思います。なのでせっかく来ていただいたからには、自分ではわからないお口の中の状態を理解してもらい、何をしたほうが良いのかを伝えていますね。一人ひとりゴールはさまざまですが、最後まで共に歩んでいく姿勢で診療しています。

医院の内装について何かこだわりはありますか?

梶川幸久院長 かじかわ歯科クリニック2

僕はそこまでこだわっていないですね。妻と内装屋さんが熱心にやり取りして作ってくれて、僕はほとんど口を出していないんです。父が木で家具やインテリアなどを手作りするのが趣味なので、入り口の小さい椅子などは父が作りました。キッズスペースをつくりたいという考えは、もともと僕の中にありました。僕も子どもがいますが、自分がいろいろな病院に連れていくときのことを考えても、キッズスペースがあるとそれだけでも子どもはリラックスできるし、時間もつぶせたりで助かりますもんね。お子さんが来院すると、皆さんまずそこへ直行しますよ。診療室を半個室にして隣が見えないようにしたのは、やっぱり処置によっては見えると恐くなってしまう内容もありますからね。あとは逆に自分がお口をあけて治療されている姿を、他の人から見られないようにするためですかね。

通院が難しい高齢患者の健康の手助けに訪問診療を

訪問診療を行っているそうですが、始めたきっかけは何だったのですか。

梶川幸久院長 かじかわ歯科クリニック3

訪問診療は、同じ歯科医師である妻に行ってもらっています。僕自身も他の病院で訪問診療をやっていた経験があって、開業する時点でやろうという思いはありました。この地域の患者さんはけっこう高齢の方が多くて、クリニックにも行きたいけれど行けないというお声があるんです。やっぱり噛んで口から栄養を取るということができなくなると、全身の体調も悪くなってしまいますよね。介護施設などに入っている方だとなおさら、行こうと思っても自分では行けないし、職員さんにもなかなか伝えられなかったりします。お口の中が悪い状態のまま放っておくと、柔らかいものしか食べられなくなってしまうし、食べる事への意欲が衰えてしまう。悪循環ですよね。そういう方に少しでも手助けができたらと思っています。訪問に伺ったお宅から、隣や向かいの家の方にまで話が広まり「次はうちにも来て」と口伝いで広まることも多いんですよ。

スタッフの方たちへの指導で特に気にかけていることなどはありますか。

当院のスタッフは、けっこう経験豊富の方が多いんです。施術、衛生管理、コミュニケーションなどに関しては、あまり細かく言わなくても出来る方が来てくれているので幸いです。その他のことだと、患者さん一人ひとりに合わせて対応を変えてくださいね、とは言っています。同じような強さでも痛いと感じる人もいればちょうどいいという人もいるけれど、患者さんの顔を見ながら臨機応変にやってもらうことが大切かな、と思っています。今2人の衛生士さんに働いてもらっていますが、自ら「汚れているところのブラッシング指導に少し時間もらっていいですか」と聞いてくれるくらい、意識が高くて助かっています。

その他にこだわっている治療方針はありますか。

梶川幸久院長 かじかわ歯科クリニック4

できれば抜かないで治療したいということは、心がけていますね。大学を卒業したての若い頃に診た患者さんで、高齢の男性への診察だったのですが、「もうこの歯はだめだから抜くよ」と軽く言ったら、その人は抜くということに抵抗があったんですね。その人は「親からもらった大事な歯だでなあ」と考え込んでいました。その時の言葉はけっこう響きましたね。僕ら歯科医師は、だめだと思ったら「抜かないといけない」とすぐに考えてしまいますが、患者さんからすればそれは大切な体の一部なんですよね。これからはそういう目で歯を診なくてはと思いました。もちろん人それぞれ価値観の違いもあるので、抜いてしまった方がいいという患者さんもいますが、本人が望む限りは手間がかかってもできるだけ残したいと思います。 そもそも抜かないといけない状態になる前に気付いて診せに来てくれるのが理想ですけどね。

自分の口の中の状態を知ってもらいたい

今後どのような診療をしていきたいと考えていますか。

梶川幸久院長 かじかわ歯科クリニック5

一番は、お子さんにしても高齢の方にしても喜んでもらって笑顔になってもらえるような治療をしたいですね。患者さんの表情や帰って行かれる時の仕草が、良い診療ができたかどうかの一つのバロメーターかな、と思います。もう一つは、皆さんに自分自身の口の中がどういう状況なのかを知ってもらいたいですね。予防にしても、治療にしても、必要ない人に必要のない事はしなくていいと思うんです。僕自身が治療を受けるならとか、僕の家族に治療するならという目線で、必要最低限で、その人その人に合わせた内容を提案して、それを実現していきたいと思っています。それを続けることが、予防であり治療なんでしょうね。

小児の治療で特に気を付けていることはありますか。

一人で歩ける子どもなら、診療室にはなるべく子どもだけで入ってもらうようにはしていますね。初診の時は親御さんにも一緒に入っていただいてお話を聞きますが、治療の時は一人で入ってもらうようにしています。その方が、子どもでもやはり「ここに来たら治療するんだ」と気持ちが切り替わるようです。無理して押さえつけて治療するということは一度もやったことがないです。治療を受けることができないなら僕やスタッフとお話するだけだったり、治療の真似をして練習だけするという日もあったりします。子どもでも大人と同じで、まずはやはりじっくり話をします。ここは怖くない場所だというのをまず覚えてもらいたいと思っています。

最後に読者に向けてメッセージをお願いします。

梶川幸久院長 かじかわ歯科クリニック6

なかなか歯に関係するトラブルが起こってからでないと、歯科に行こうとは頭に浮かんでこないと思うのですが、かなり多くの方が歯周病の傾向にあると思います。急性症状の場合もありますが、歯周病はだいたいが自覚症状が無い慢性的な疾患なんです。自分の状態を知ってもらうためにも、自覚症状がない時にも来院してもらえるといいですね。歯の調子が悪いと、思い切り笑えなかったり、噛めなかったりと、日常生活にも影響がでますし、全身の健康にも関わる大事な部分ですから。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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