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梶野 真一 院長の独自取材記事

相川みんなの診療所

(名古屋市緑区/相生山駅)

最終更新日:2021/10/12

梶野真一院長 相川みんなの診療所 main

白い建物にくっきりとした赤と青の横ライン、掲げられたロゴマークは、赤、青、緑、黄色の人が手をつないで「相川みんなの診療所」という医院名を囲んでいる。中に入ると、花や空、葉の模様の壁紙など彩り豊かな内装だ。同院は2016年8月に名古屋市緑区に誕生した。地下鉄相生山駅から南へ徒歩10分ほどの住宅地に立つ。梶野真一院長は、「元気になるクリニック」をテーマに、専門である糖尿病内科、消化器内科を柱にして「正しい診断」に主軸を置く。「みんな」の文字が入った医院名には、患者やスタッフ、地域のみんなが健康で豊かな人生を歩んでほしいという願いがこめられているという。そんな思いの詰まった医院について、梶野院長に話を聞いた。

(取材日2018年9月3日/情報更新日2021年8月19日)

「みんなが元気になるクリニック」がテーマ

外観も内装も色彩豊かですてきですね。コンセプトを教えてください。

梶野真一院長 相川みんなの診療所1

当院のテーマは「元気になるクリニック」です。来院するだけで明るい気分になっていただけるよう、さまざまな工夫を取り入れました。外観の赤色と青色のラインは動脈と静脈を表し、血の通う医療を象徴しています。中も明るくしました。診察室3つのうち、1室は水色のドアに室内も水色を基調とし、もう1室はピンクにという具合です。「ピンクのドアからお呼びします」と言えば患者さんもわかりやすいでしょう。3つ目の診察室は、熱のある方や体の具合の悪い方に休んでいただく発熱の外来用としています。エックス線・内視鏡室はオレンジのドアで、中にトイレと着替え室もあります。このようにこまやかな心配りも大切にしています。

健康促進のための活動もされているそうですね。

もともと私は緑区で生まれ育ち、地域医療に貢献したい、「病院」という枠組みではなく「町の診療所」として関わりたいと思っていました。病気でなくても何かあれば同じ地域同士、お互いに力になったりして「みんな」とつながりたいのです。以前は近隣のスーパーとコラボレーションして「健康相談会」も開催してました。クリニックの中では「糖尿病教室」を毎年開催しています。1年のうちの数ヵ月間、毎回異なるテーマを決め、私だけでなく、看護師や管理栄養士にも担当してもらっています。2021年からは直接来院せずともオンラインで参加できる体制にし、録画したものは動画配信サービスにアップロードもしています。いつでも、どこでも、誰でも視聴できるので、糖尿病の正しい理解とコントロールについて学んでいただくきっかけにしていただけたらうれしいですね。

「町の診療所」になられていかがでしょうか。

梶野真一院長 相川みんなの診療所2

患者さんとの距離が近くなったように思います。そのために開業したのでうれしいことです。緑区の中でもこの辺りは特に高齢化が進んでいるようですが、お子さんや若い方も多く来院してくださってますね。この町は、古くから住んでいる方と新しい若い世代の方がバランス良く混ざり合っている感じで雰囲気が好きです。地域に愛着を持っている人も多いと感じます。私はもともとはSNSをやっていなかったのですが、開業を機に始め、それが縁で、地域で活動する方々と知り合い、この間は一緒に食事に行ったんですよ。当院の存在が、地域に少しずつ浸透していけばいいなと思います。

先鋭の機器を駆使し、質の高い医療を提供していきたい

先生のご専門は、消化器内科と糖尿病内科なのですね。なぜこの道を選ばれたのですか。

梶野真一院長 相川みんなの診療所3

消化器内科を選んだ理由は一番やりがいを感じたからです。消化器内科の検査は、テクニックが必要で、技術の上達も目に見えてわかります。若かった私には当時の消化器内科の研究や臨床がたいへん魅力的に映りました。消化器には食道、大腸、胃という消化管と、付随する肝臓、膵臓などがありますが、大学では膵臓がんについて勉強をしていました。膵臓が悪い方は糖尿病の病態を示すことが多く、また糖尿病の患者さんが近年増加していることもあり、糖尿病について勉強していく必要性を感じたことがきっかけで、糖尿病内科も専門的に診させていただくようになりました。

機器も先生のこだわりのものをそろえていらっしゃるそうですね。

胃カメラは細いファイバーの経鼻内視鏡を主に行っています。経鼻のカメラは、今は画像がかなり良くなりましたね。当院は特殊光での検査ができますので、食道がんや咽頭がん、口腔内のがんを早期に見つけることにもつながります。また、大腸カメラは、やわらかいファイバーを使用し痛みの出にくい検査をめざしています。それから、エックス線検査も以前に撮った肺の写真と比べて、がんがすぐにわかるようになっています。コンピューターに数値を入れて計算させると、病変が黒く光って出るようになっているんです。見つけにくいところにできたがんも、これで発見しやすくなりました。機器に関しては大規模病院レベルだと自負しています。そういった質を重視した医療を患者さんに提供していきたいですね。

新しく導入された機器について教えてください。

梶野真一院長 相川みんなの診療所4

糖尿病検査での「持続血糖測定器」を新しく導入しました。これは、2週間にわたって小型センサーを腕に張りつけておくと、血糖値を1分ごとに測定し、15分ごとに自動的に記録されるシステムです。血糖値を随時測っているので、その人の生活習慣や飲食が血糖とどう関係するかがグラフで一目瞭然で、原因を探る手助けになります。また、クリニックのパソコンとつながっているので随時観察できますし、機器によっては患者さん自身ですぐに血糖値が把握でき、食べ物や、注射によるインスリンの量を自分で調整できるというメリットがあります。血糖コントロールが不安定な患者さんが適切な治療法を選択できますし、数値をただ下げるだけでなく、低血糖が出にくい安定した血糖値をめざしていけるんです。患者さんは視覚化することで、たくさんの気づきや自覚を持たれ、改善につながっていかれる方も多いと感じます。

糖尿病と消化器内科の専門クリニックとして地域に貢献

内科の医師として大切にしていることは何でしょうか。

梶野真一院長 相川みんなの診療所5

私は、内科を「診断学」だと考えています。正しい診断がまず重要ということです。正しい診断がつけば、今の時代、インターネットで簡単に情報を手に入れることができるので、患者さん自身で調べることができます。でも、診断がついていなければ、痛みの原因が潰瘍なのか、がんなのか、どこの臓器なのか、わからず患者さんの不安は増すばかりです。正しい診断がつけば患者さんと私が同じ土俵に立つことができるので、冷静にじっくり話し合って治療方針を決めていけるのです。だからこそ、今までの経験を生かし、患者さんの何げない表情や言葉から状態をくみ取り、検査データの助けを借りて正しい診断がなるべく早期にできるよう心がけています。

スタッフの方々について教えてください。

開業前は、自分で考えて行動する、自立したスタッフにしていけたらいいな、と思っていましたが、開業してみると毎日のようにいろいろな課題が出てきて、自分で考える、というだけでは難しいと感じているところです。何事も患者さんのためという共通の目的はあるので、一つのチームとしてこれから先、しっかり協力していきたいですね。スタッフは現在、20代から70代まで非常勤も入れて12人います。看護師のうちの1人はアロマセラピストで、待合室に入ったときの気持ちの良い香りは、毎日彼女がつくってくれています。患者さんやスタッフの意見を取り入れながら、より良いクリニックを築き上げていきたいですね。

健康講座を通して、病気への予防を啓発されていますね。

梶野真一院長 相川みんなの診療所6

当院は糖尿病と消化器内科の専門クリニックであり、その治療に関しては自信を持っています。糖尿病は年々増加している疾患で、クリニックでの初期段階の治療では食事指導が非常に重要なため、管理栄養士による栄養相談を随時行っています。さらに、院内での「健康講座」を毎月1回のペースで開き、糖尿病についての基礎知識を医師や看護師、管理栄養士の専門スタッフがそれぞれの分野でわかりやすく指導させていただいているんです。内容は「糖尿病合併症について」「血糖コントロールの方法」「薬と低血糖対策」など。どんな方でも自由に参加できますので、多くの方が興味を持ってくださいますね。今後も、病気にならないようにするための予防活動に力を注ぎ、地域のみんなの健康への意識を向上させていきたいと考えています。

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