アトピー・食物アレルギー・喘息
子どものアレルギーの検査と治療
明海こどもクリニック
(浦安市/新浦安駅)
最終更新日:2016/05/16


- 保険診療
小さな子どもの病気、特に症状が長引きやすいアレルギーは親にとって、とても心配なもの。アレルギーに効くというステロイドは強力だという情報もあるし、食物アレルギーの場合はそもそもどう食生活を送っていけばいいのかわからない。インターネットの情報はさまざまだ。子どもに起きやすいアレルギーはどんなもので、それぞれの治療法と注意点は何かをここで整理したい。「明海こどもクリニック」の森田昌雄院長に基本的な疑問を聞いてみた。(取材日2016年4月6日)
目次
小児アレルギーは薬の適切な使用が鍵。かかりつけ医をつくって日頃から悩みを相談できるようにしよう
- Q子どもに起きやすいアレルギーにはどんなものがありますか?
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A
▲アトピーについて丁寧に話をしてくれる先生
長期的な治療が必要なものとして、アトピー性皮膚炎や食物アレルギー、ぜんそくが挙げられます。全身にかゆみを伴う湿疹ができるアトピー性皮膚炎は、小さな頃は顔をはじめ全身に症状が出ることが多いのですが、成長するにつれて肘や膝など発症部位が変わります。食物アレルギーは離乳食などを食べることにより、じんましんや吐き気、息苦しさなどが現れます。ぜんそくは息苦しさに加え、「ぜえぜえ」「ひゅうひゅう」といった呼吸音(喘鳴)がするのが特徴です。
- Qアトピー性皮膚炎の治療方法について教えてください。
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A
▲呼気一酸化窒素NO測定器もある
炎症を軽減させる効果のあるステロイド外用薬をしっかりと塗って治すことがまず必要です。ステロイド外用薬については副作用を心配する親御さんもいますが、短期間で適切な塗り方を守れば心配ありません。ですから、治療については専門の医師のアドバイスをよく聞くことが大事。適切な量や回数について教えてもらってください。アトピー性皮膚炎は治ってからの長期的なスキンケアがとても大切で、スキンケアが不足している人が目立ちます。保湿剤を塗るほか、夏には汗をシャワーでまめに落とすなどして、清潔な状態を保つようにしてください。
- Q食物アレルギーの治療方法について教えてください。
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A
▲食物アレルギーについての対応も丁寧に教えてくれる
食物アレルギーについては食べないものを最低限にして、食べられるものを食べることで治していくという考え方が現在では主流になっています。例えば、全卵で症状が出ても黄身は大丈夫という患者さんが、黄身を食べ続けることで卵自体が食べられるようになることもあるからです。生では難しくても、加熱したり蒸したりゆでたりすることで食べられることもあります。調理法を工夫することも考慮して除去物をできる限り少なくすることを意識しましょう。
- Qぜんそくの治療方法について教えてください。
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A
▲ネブライザーも完備
ぜんそくは根本治療薬がないので、アレルギーの炎症を抑える吸入ステロイド薬で発作を予防することが先決です。小さい子の場合はぜんそくと症状が似ていても風邪であることが考えられるので、抗アレルギー薬を内服してもらい、様子を見ます。小児ぜんそくの患者さんは7割が成長とともに治ると言われているので、長期的に良い状態を保つようにして経過観察をすることが大切です。
- Qアレルギーについては治療前の検査が大切だと聞きます。
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A
▲血液検査を行ったあとにしっかり問診を受けよう
炎症を引き起こす原因物質を特定できることもあるため、もちろん検査は大事です。ですが、検査の数値に振り回されることに注意しないといけません。食物アレルギーでは血液検査を行う場合がありますが、異常な数値を示している食べ物がすべて症状を引き起こすわけではないため、検査だけで判断してしまうと食べ物の無用な除去につながる恐れがあります。やはり最も重要なのは問診です。何を食べてどのくらい時間が経った後に症状が出たかなど、症状に関することや日常生活のことをじっくりと聞いてスクリーニング(選別)することが必要。十分な問診の後に、想像を確信に変える意味合いで検査を行うのです。