新素材の修復物でより良い治療を
メタルフリー治療のメリット
辻堂なぎさ歯科クリニック
(藤沢市/辻堂駅)
最終更新日:2019/08/08


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保険診療の枠内では、虫歯で歯を削った後の詰め物(インレー)やかぶせ物(クラウン)といえば、いわゆる銀歯などの金属製のものが一般的。しかし、こうした金属の修復物は見た目が気になりやすい、汚れがつきやすい、接着面にすき間が生じやすいなどのデメリットもあり、金属アレルギーの心配も。そんな中、注目されているのがセラミックやジルコニアといった素材を用いたメタルフリー治療だ。強度に優れ、見た目も自然な白色で自歯になじみやすいというメタルフリー素材での治療は、急速に広がりを見せている。諸外国ではすでにスタンダードともなりつつあるというメタルフリー治療のメリットについて、「辻堂なぎさ歯科クリニック」の稲田洋之院長に詳しく話を聞いた。(取材日2019年7月17日)
目次
強度と審美性を兼ね備えたメタルフリー素材は、金属アレルギーの懸念も避けられる
- Qメタルフリーの修復物とは何ですか?
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A
▲金属製修復物を用いた歯科治療は二次虫歯のリスクを高めることも
従来の歯科金属製修復物、いわゆる銀歯とは異なり、セラミックやジルコニアなどを使って製作されたインレー、クラウンのことを指します。日本では歯科修復物の多くを金属製のものが占めており、先進国・後進国を問わず諸外国と比較しても多くなっていると感じます。しかし、金属製修復物を用いての歯科治療は審美性に優れているとは言えず、汚れがつきやすかったり、その硬さゆえ自歯を傷つけてしまったり、接着に使用するセメントが溶け出して自歯との間にすき間を生じさせてしまったりと、二次虫歯のリスクを高めてしまうことも。さらに金属製修復物を口腔内に入れ続けることで、金属アレルギーの発症リスクを高めることも指摘されています。
- Qメタルフリーの修復物を選ぶメリットとは?
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A
▲歯科用CTを完備
先に挙げた金属製修復物のデメリットを補うのがメタルフリー修復物の特徴です。すなわち、審美性を備え、二次虫歯のリスクを軽減し、金属アレルギーの懸念も避けられるのがメリットといえるでしょう。セラミックやジルコニアといったメタルフリー素材は自然な白さで自歯になじみやすい上、適度な強度で割れづらく、自歯を傷つけることもほぼありません。また、金属を用いないのでもちろん金属アレルギーの心配もありません。特に笑ったときに銀歯が見えるのを気にされている方や、銀歯の劣化により再治療を繰り返しているという方はもちろん、歯を削る治療が必要となるすべての患者さんにお勧めしています。
- Qメタルフリーの修復物はすべて自費診療になりますか?
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A
▲患者が納得するまでしっかりと説明してくれる
セラミック、ジルコニアといったメタルフリー素材での治療は、基本的に保険適用がなく自費診療となります。しかし、治療する歯によっては保険適用となるハイブリッドセラミックレジン冠を使用するという方法もあります。また、金属アレルギーの診断を受けている方についても、条件つきで保険適用での治療が受けられるケースもあります。基本的には皮膚科などで出された金属アレルギーの診断書をご持参いただく形となりますので、治療の際にご相談ください。
- Qメタルフリー素材にはどのようなものがありますか?
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A
▲素材それぞれの特徴を生かしている
大きく分けてセラミックとジルコニア、2つの素材を併用したものになります。光の透過性が高いセラミックは自然な白さが特徴で、前歯など見た目の美しさが求められる治療に適しています。対してジルコニアは非常に硬い素材で、奥歯など強度が求められる治療に使われます。両方のメリットを生かし、ジルコニアの上にセラミックを重ねたものもあり、見た目と強度を両立させていくことも可能です。
- Qメタルフリーでの治療後もメンテナンスは必要ですか?
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A
▲治療後はクリニックでの定期的なチェックとクリーニングが必要
金属のように錆びることがなく、経年による変化の少ないセラミックやジルコニアですが、治療後のメンテナンスは欠かせません。特に自歯との接着面から歯周病が進行するケースがあるので、クリニックでの定期的なチェックとクリーニングをお勧めしています。自費診療でのメタルフリー治療では、数年間の保証期間がつくことがほとんどです。再治療のリスクが低いメタルフリー治療ではありますが、保証期間や保証料なども含めて治療前の見積もり段階で確認しておくとよいでしょう。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックインレー/4万円、ジルコニアクラウン/4万5000円