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小野 知巳 院長の独自取材記事

おの内科クリニック

(鈴鹿市/白子駅)

最終更新日:2021/10/12

小野知巳院長 おの内科クリニック main

鈴鹿市内を結ぶ幹線道路から住宅街に入った辺りに「おの内科クリニック」はたたずむ。院内は天井が高く、大きな窓からの採光が明るい印象を添えている。2000年に富山大学医学部を卒業し、2015年に同院を開院した小野知巳院長は、社会人経験を経て医学部に再入学をした異色の経歴の持ち主。小野院長の診療方針は、患者の話に耳を傾け、治療内容を納得いくまで説明することで、安心感を持ってもらってから進めていくこと。未就学児からその親世代まで、比較的若い層の患者が訪れる町のかかりつけ医として、「町の開業医は最初に相談に乗る窓口係。診察をして必要があれば専門科に紹介をする役目を担う」と話す。そんな小野院長に、クリニック開業までの経緯や、診療にかける思いを聞いた。

(取材日2020年2月22日)

「地域のかかりつけ医に」異色の経歴を持つ医師

クリニックを開業するのにこのエリアを選ばれたのはどのような理由からだったのでしょうか。

小野知巳院長 おの内科クリニック1

大学に入るまで、私は両親とともに名古屋市に住んでいました。その後、富山県や新潟県、長野県などで勤務していましたが、実家がある、この場所に戻って開業したんです。クリニックのある場所は、もともと田んぼでした。50年近く前、私の子どもの頃は23号線もできていなかったのではないでしょうか。田んぼだったところを区画整理したようです。患者層は、まだ未就学の年齢から小学生低学年、あとはその親の世代の30〜40代が多く、内科としてはかなり若い方かと思います。ここでの開院を決めた時点ではまだの周りの家は建っていなかったので、これから家を建てる世代の方たちが患者さんになるんだろうなと思いました。

いろいろな病院で経験を積まれたそうですが、クリニックを開院するまでの経緯を教えてください。

勤めていた病院を退職する前には開業を考えていました。それで、友人が開院した神奈川県鎌倉市のクリニックで1年間、開業の手伝いと私自身の開業準備をしたんです。両親の出身が鈴鹿市と津市でしたので、そのどちらかで開業しようと土地を探していたときに紹介されたのがこの場所だったんです。

先生が医師をめざしたきっかけを教えてください。

小野知巳院長 おの内科クリニック2

実は医師になる前に、一度社会に出ていました。東京で働いていたのですが、自分や家族が病気になったときに、何もわからないままというのはまずいなと感じたのです。どんな病気であれ、医者の言うことを理解できるようにならなければと思い、医師になろうと思いました。そう思い立って勤めていた会社を辞めたのが5月末で、次の4月には大学に入学しましたね。私が入った学部には、同じように社会人を経て入学した同級生が20人ぐらいいました。年齢も近く、やりやすかったですよ。消化器内科を専門にしたきっかけはたまたまでしたが、内視鏡検査の面白みを感じたのは医師になった後です。その後、富山県の氷見市民病院や長野県の千曲中央病院の内科で勤務しました。

「患者が納得いくまで説明を」信頼される医師をめざす

こちらにはさまざまな患者さんがいらっしゃると思いますが、先生の診療方針をお聞かせください。

小野知巳院長 おの内科クリニック3

どうしたら患者さんに納得と安心感を提供できるかということです。この医者の言うことは信用できるなと思ってもらえれば、薬も素直に飲んでもらえますよね。そうでなければ他の医院へ行かれたり、薬を飲むのをやめてしまったりしてしまいます。ですから、「この人の言うことなら信用できそうだな。じゃあ言うとおりにしてみるか」と納得して、安心して治療を受けてもらうというのが一番だと思いますね。例えば、今まで起きたことを患者さんから聞き、それをもとにしてどんな病気かを推測します。その上で、「今こんな状態だから、こんな症状が出てくるよ。治るまでには3日ほど時間がかかるよ」ということを予測して伝えるようにしています。

そうしたやり取りが安心感につながりますね。そのほかに、診療時に心がけていることはありますか?

患者さんが無理をして「もう治っただろう」という見切り発車をしたり、別のお薬を飲んでしまったりしないよう、今やっているのは必要な治療なのだということを理解してもらうことが大切だと思います。そして、治療内容やそれに伴うリスクを説明して、患者さんの意向を最大限に尊重したいですね。もちろん、インフルエンザなどは自宅で静養していただくことが必要ですが、そうした感染症ではない通常の風邪で発熱した場合、社会人は仕事が休みづらいこともありますよね。そうした場合には、「何日後なら出勤しても大丈夫ですよ」と具体的にイメージしやすく、できる範囲で患者さんの意向を尊重したアドバイスができるようにしたいと思っています。

院内は天井が高く開放的な造りですが、設備へのこだわりはありますか?

小野知巳院長 おの内科クリニック4

この建物は建築士のいうとおりに建ててもらいました。高い天井と、大きな窓、それから広いトイレですかね。子どもさんと一緒に入ったり、車いすでも入れるようにと、バリアフリーの造りになっています。診察室には相談室がありまして、インフルエンザが疑われる場合などはまず相談室へお通しします。相談室は診察室とつながっていて動線が確保されていますので、相談室内で検査と診察をして、すべて完結することができます。あとは、処置室と内視鏡室がありますね。

病気予防のための検診設備が充実していることも強み

若い世代の患者さんが多いということですが、訴えの多い症状や治療内容を教えてください。

小野知巳院長 おの内科クリニック5

おなかが痛いといった症状で来院される人は10人に1人でしょうか。圧倒的に多いのは発熱です。発熱も含めた一般的な風邪症状ですね。他には、常用的に薬を飲んでいる高血圧の方や糖尿病の方が多いです。現在は、心臓なら心臓が専門の循環器内科、あるいは大人は内科、子どもは小児科といったように、病院の窓口はだんだん分業化されてきています。そうなると、小児科でも待って、内科でも待ってということになり、大変ですよね。内科で対応できるものであれば内科で、内科で対応できないものは専門の診療科へかかっていただきますが、最初から専門の診療科を訪れて「うちでは診られない」となると、次にどこへ行っていいかわからなくなってしまいます。当院へはさまざまな症状の窓口としてかかってもらうことで、適切な科へ割り振っています。内科はそういう仕事が求められていると思うんです。

消化器内科を掲げていらっしゃいますが、胃カメラの検査をしてほしいという方も多いのでしょうか。

現在のところ市の胃がん検診も含めて週2件程度ですが、胃カメラ検査を希望される患者さんもいらっしゃいます。当院では内視鏡検査は経口と経鼻どちらの検査も可能です。また、レントゲン室では肺がん検診や胸のレントゲン検査が可能ですし、大腸がんの検診であれば検便での検査に対応しています。メタボリックシンドロームに伴う一般的な生活指導も行っています。症状にとらわれず、とにかく「最初に相談に乗る人」という立場でお話を聞きたいですね。

病気にならないための検診もできるのが強みですね。他病院との連携はいかがですか?

小野知巳院長 おの内科クリニック6

当院では対応できない病気が見つかったときのために、いくつかの病院と連携しています。がんが見つかることもありますので、鈴鹿中央総合病院などに、引き継いで診ていただくことをお願いしています。他にも、脳外科、耳鼻咽喉科、心臓外科、そして循環器内科の先生にはお世話になることが多いですね。これまでの例ですと、学校検診で心臓に異常が見つかった子どもさんを循環器が専門の先生に紹介したことがありました。今後は胃カメラなど、病気の早期発見・早期治療ができるように検査を増やしていきたいですね。

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