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佐藤 茂 院長の独自取材記事

厚木産婦人科

(厚木市/本厚木駅)

最終更新日:2023/11/08

佐藤茂院長 厚木産婦人科 main

2015年8月にリニューアルオープンした「厚木産婦人科」。小田急小田原線本厚木駅から徒歩5分、美術館を思わせる広い待合室と、手入れの行き届いた庭が出迎えてくれる。初代院長がこの地に開院し、50年以上愛され続けてきた同院を佐藤茂院長が継承するにあたり、これまで休止していた分娩を再開。先代が大切にしていた親しみやすい雰囲気を残しながらも、設備を整えた産婦人科として生まれ変わった。患者が求める安心、安全な出産と母子ともに居心地の良い入院環境、そして産後のサポートまで、細かい配慮が行き届いており「癒やし」を感じさせてくれる医院だ。「思春期から出産、更年期と女性の健康を生涯にわたってサポートし、地域に貢献していきたい」と語る佐藤院長に話を聞いた。

(取材日2015年9月30日)

地域に貢献し続けてきた父の医院を継承する決意

厚木市の「産婦人科診療所」として約50年以上続く医院だそうですね。

佐藤茂院長 厚木産婦人科1

1963年に父が厚木に開業しました。自宅が診療所に隣接していましたので、父がどういう仕事をしているのかなという興味は子どもの頃からありました。昼夜関係なく働いている父の姿をずっと見ていて「大変なんだ」と感じていましたが、同時に患者さんから感謝されている姿も見てきました。父から病院を継げと言われたことはありませんでしたが、そういう環境の中で、やりがいのある仕事だなと感じていたことで、自然と自分自身も医師をめざすようになったのだと思います。実は大学進学時は理工系に興味があったので、慶應義塾大学理工学部に入学し大学院まで進んだものの、自分の将来を考えたときに、大変ではあるけれどもやはり医師の道をめざしたいと思い、東海大学医学部に学士編入の制度を利用して入学しました。

産婦人科の中でも産科を専門に選ばれた理由は何ですか?

父の影響からか、自然と産科のほうに興味が向いていました。お産といっても一つとして同じお産はありません。お産が順調に進行しているように見えても次の瞬間に急変することもあります。お母さんと赤ちゃんの2人の生命がかかっていてたいへんな緊張感ですし、時間も昼夜を問いません。しかし、だからこそ一生を捧げるにふさわしい科だと思いましたので、産科医の道を選びました。院長就任の前は東海大学医学部付属病院の総合周産期母子医療センターに勤務していました。周産期センターは、妊娠、出産の緊急時に頼れる、最後の砦のような存在です。妊娠中や出産時には予期せぬことが起きたり、時には母児の命に関わることもあります。周産期母子医療センターではそのような患者さんを拝見する機会が数多くありましたが、これからはお願いする側の立場になりました。今までの経験を生かして、迅速で適切な対応ができるようにしたいと思っています。

周産期を専門とされていますが、全国的にもまだ数は少ないですよね。

佐藤茂院長 厚木産婦人科2

妊娠22週目から出産7日未満までの期間を周産期といいます。合併症妊娠や異常分娩など周産期に起こり得る、さまざまな問題に対応するのが周産期専門の医師です。出産というと、「普通に産まれて当たり前」とどうしても思ってしまいますが、その一方で妊娠、出産にはリスクも少なからず存在します。周産期を専門にしてきた経験を生かし、安心、安全なお産をめざしたいと思います。

周産期診療の経験を生かし産科を再開

リニューアルオープンと同時に院長に就任され、長らく休止していたお産を再開されたのですね。

佐藤茂院長 厚木産婦人科3

父が高齢になったということもありましたので、お産は15年ほど前に一旦止めています。クリニック自体は婦人科の外来だけでずっと続けていたのですが、私がクリニックを継ぐということで、やはり自分が専門としてきたお産をやろうということになりました。クリニックの建物は築30年以上経過していましたし、医療もどんどん進歩していますので昔の施設では対応しきれない部分もあり、建て替えをしました。その間2年間ほどブランクができてしまい、患者さんにはご迷惑をおかけしましたが、2015年の8月に開院することができました。

新しく導入された設備などはありますか?

4Dの超音波を導入していますが、超音波動画の録画の方法にはいろいろあって、DVDに録画する方法もあれば、USBに録画する方法もあります。そのどちらの場合もご本人が帰宅してからパソコンなどで動画を観る、ということになりますが、当院ではエコー動画の配信サービスを導入しており、離れたところにいる実家のご両親や仕事場のご主人も診察が終わってすぐにパソコン、タブレット、スマートフォンで赤ちゃんの4Dエコー動画を見ることができますので、たいへん喜ばれています。

待合室はまるで美術館のようですね。お庭もきれいで癒やされます。

産婦人科に限らず、病院というのはできればかかりたくないところだと思いますので、待合室でもリラックスしていただければという思いで庭を作ったり、インテリアにもこだわりました。産婦人科は女性の患者さんがいらっしゃるわけですから、女性の目線で優しいクリニックをつくりたかったというのがあります。自分は男性なので、副院長であり身近な存在の妻に意見を聞きました。副院長は水曜日のメンタルの専門の診療を担当していて、患者さんの産後の悩みや思春期、更年期の悩みの相談といった領域でサポートしてくれています。また、女性医師を希望される患者さんもいらっしゃいますので、火曜日には東海大学から非常勤で女性の先生に来ていただいています。

施設全体が居心地の良い空間ですが、入院中の食事もとてもおいしそうですね。

佐藤茂院長 厚木産婦人科4

出産後のお母さんのためのカロリー、栄養のバランスはもちろん考えてあるのですが、せっかく入院されているのですから、家では作れないような食事をお出しできればということで、厨房のスタッフもこだわった食事を作ってくれています。和洋それぞれのプロが食器にも気を配り、例えばサンマ一つでも芸術的にお出しして目でも楽しんでもらいたいという思いがあるようです。

女性の心身の健康までサポートするクリニックをめざす

リニューアルオープンされて1ヵ月になりますが、どのような医院にしていきたいですか?

佐藤茂院長 厚木産婦人科5

周産期を専門としてきた経験を生かして、安心、安全なお産を心がけたいと思っています。地域に根差したクリニックという意味では、お産だけでなく思春期から更年期に至るまで、トータルで女性の健康をサポートしていきたいです。それは町医者としての使命だと思います。父の時代は本当に親しみやすい雰囲気のクリニックでしたので、その家庭的なところは新しい施設になっても残したいと思います。当院の師長は助産師学校の先生をしていましたので、スタッフ教育の面などで非常に頼りになります。スタッフ全員が誇りをもって働いているクリニックであることが、患者さんにとって居心地の良いクリニックであることにつながると思います。同時に、患者さんからのご意見も柔軟に取り入れていきたいと思います。そうすることで患者さんとスタッフ、すべての人の和を大切にしたクリニックになっていくのではないかと考えています。

どのような診療に力を入れていきたいですか?

特に産後のサポートには力を入れていきたいと思います。出産から1ヵ月ぐらいたつと、大切な時期になってきます。近隣に母乳の相談を受けてくれるところが少ないので、母乳の相談やメンタル面も含めた産後のサポートを充実させていきたいと思います。また、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として大学病院で遺伝相談や高齢出産に関する遺伝カウンセリングも経験してきましたので、それらの経験も生かした産科診療ができるといいですね。婦人科に関していえば、例えば更年期障害一つをとっても治療法としてさまざまな選択肢がありますので、患者さんにとって望ましい治療法を選択する手助けができればと思います。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

佐藤茂院長 厚木産婦人科6

20代の方でも子宮がん検診はしっかり受けたほうがいいと思います。若年の方でも子宮頚がんを発症することはありますし、早期発見できれば子宮を温存した上での治癒が望めるからです。定期的な検診をぜひお勧めします。新しい施設になりましたが、産婦人科診療の基本というのは今も昔も変わりません。産婦人科医として患者さんのために当たり前のことを当たり前にやっていく姿勢は守り続けたいと思います。産科、婦人科に関することで気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。

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