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永井 完侍 院長の独自取材記事

永井こども医院

(相模原市中央区/矢部駅)

最終更新日:2022/08/03

永井完侍院長 永井こども医院 main

矢部駅から歩いて10分ほど、住宅地を抜けると「永井こども医院」が見えてくる。地域で30年もの間、小児の一般診療、健康診断、予防接種、育児相談などを通じて貢献してきた同院。院長の永井完侍先生は、診療の際に白衣を着ないことをポリシーとし、常に優しい笑顔で子どもに接するドクター。2001年には相模原市の小児救急医療の立ち上げに携わり、24時間体制で小児医療を受けられる仕組みを整えた。今なお、地域全体の小児医療の充実に向けて、医師会の活動にも力を注いでいる。今回の取材では、診療において大事にしていることや小児医療への思い、今後の展望などについて話を聞いた。

(取材日2019年3月26日/情報更新日2022年1月31日)

24時間対応のインターネット予約で診療がスムーズに

永井先生はもともとこの地域の出身だそうですね。

永井完侍院長 永井こども医院1

はい。当院の土地も、江戸時代から続く先祖から引き継いだものです。私自身、高校生までは、ここで過ごしたので愛着がありますね。この地域は、昔から住んでいる方はもちろん新しく引っ越してきたファミリー層もいて、多様な構成だと思います。共通しているのは、親しみやすい方が多いことですね。開院当初は近くに小児科がなかったこともあって、今以上に患者さんが多く、とにかく一生懸命でした。医師会関係や、幼稚園や学校の教育委員会などでさまざまな方にお会いすると、「私、小さい頃に通っていましたよ」「子どもがお世話になっていました」というお声を聞くこともよくあって、長く続けてきて良かったなと、やりがいを感じますね。親子2代で通ってくださる患者さんも多くて、素直にうれしいです。

待合室も子どもたちが喜びそうな空間ですね。こだわった点はありますか?

この建物は、上から見るとグランドピアノの形になっているんですよ。外観はエメラルドグリーンで優しいイメージにして、中の受付と待合室は、吹き抜けの広い空間にしています。広くしたのには感染症を予防する意味もあるんですよ。空気清浄機を2台入れ、診察の開始前と終了後には、看護師と受付の事務員が患者さんの手が触れる部分を中心に消毒する、検温を実施するなど衛生面に配慮しています。また、一般の患者さんと、感染症疑いのある患者さんの入り口を別にしており、発熱症状のある患者さんには、外の駐車場で車の中で待機していただいています。ちなみに院内の床はすべて床暖房になっていて、寒い季節、お子さんがはだしで歩いても大丈夫なんです。

最近、インターネットでも予約できるようにしたそうですね。

永井完侍院長 永井こども医院2

はい。以前より電話の音声ガイダンスによる予約システムを導入していたのですが、2017年からはパソコンやスマートフォンの画面から予約ができるようになりました。電話でもインターネットでも24時間対応が可能です。インターネット予約は画面上で空き時間がすぐに確認できるので、利用する方は多いですよ。今では来院する8〜9割の方が、事前に予約をした方です。時間ごとに人数を決めていますので、急患が入ったとしても、長くお待たせすることはないと思います。私としても、患者さんのカルテを事前に確認できるので、診察がしやすくなりました。最近は共働きの親御さんが多いですから、できるだけスムーズに受診してもらえるように工夫していきたいです。

子どもと親の目線に立ち、きめ細かな医療を提供

診療で大切にしていることを教えてください。

永井完侍院長 永井こども医院3

今日もそうなのですが、普段から白衣を身に着けずに診療しています。白衣を見ると怖がる子どももいますからね。子どもたちには、病院を嫌な所・怖い所だと思ってほしくないので、やわらかい表情で優しく接するように心がけています。注射もできるだけ痛くないように工夫しているんですよ。そして、お母さんとのコミュニケ―ションも大切にしながら、病気の本質や原因を早く突き止めて治療するようにしています。検査に関しても、緊急性のあるもの、例えば血液検査で炎症の有無をその場で調べられる機器を導入しています。結果次第でお薬の内容も変わってきますから、すぐに調べられると安心だと思います。

どのような症状の患者さんが多いですか?

風邪を含めて、ウイルスや細菌による感染症は多いですね。その裏に大きな病気が隠れていることもあるので、その場合は症状の程度に合わせて連携している大きな病院を紹介しています。近年は乳幼児の食物アレルギーが増えてきていますね。アレルギーには専門的な治療が必要なので、アレルギー治療に力を入れている病院を紹介することもあります。寒い時期になればインフルエンザがはやってきますし、季節ならではの病気もやはり多いですね。定期健診で来院するお母さんからは、育児相談も受けつけています。例えば落ちつきがないとか、言葉が出ないというような、発達に関する相談は一定数あるように思います。発達の問題はカウンセリングが必要ですので、まずはご相談いただき、場合によっては専門の先生に紹介状を書いてお願いしています。

看護師が2人常駐しているのも、特徴ですよね。

永井完侍院長 永井こども医院4

そうですね。どの看護師も子育ての経験を持つベテランの看護師です。私はどうしても診察で手がいっぱいになるので、ご家庭でのケアについては、看護師からアドバイスをすることも多いです。もちろん、親御さんのほうからも、聞きたいことがあればなんでも聞いてください。看護師を2人体制にしているのは、患者さんにできるだけきめ細かに対応するためなのです。

地域の小児医療をますます充実させたい

医師を志したきっかけを教えてください。

永井完侍院長 永井こども医院5

もともと子どもが好きなので、医師になれば子どもの健康に関われるという思いがありました。ですので、医学部に入学した時から小児科の医師になりたいという思いを持ち続けていたんです。私の父も子どもが好きで、近くに幼稚園をつくりました。私はその幼稚園の理事長も務めています。園医もしていますし、入園式、卒園式、運動会など、幼稚園の行事には出るようにして、子どもの成長を楽しみにしています。

小児の夜間・休日救急の体制づくりにも尽力されたと伺いました。

2001年に、小児科の救急事業の立ち上げに責任者として携わりました。それまで夜間救急、休日の救急について、小児科と内科が一緒だったのです。そこから子どもの救急を分離し、夜間も小児科医師の診療が受けられるように、当番制にしました。この体制は今でもずっと続いています。病状や緊急性によって一次医療、二次医療、三次医療というように分類し、入院が必要な二次医療は市内の拠点病院、命に関わるような三次医療は北里大学に送るようにしたのです。地域のクリニックと病院が連携して24時間体制で子どもの救急医療を機能させることが可能となりました。そして課題が出るたびに、救急に関わる担当の皆さんと話し合って問題を解決してきたんです。おかげさまで、相模原市の小児の夜間・休日救急体制は認知度が上がりました。

休日はどのように過ごしていますか?

月に1回程度、ゴルフをしています。昔からゴルフは好きですね。以前は、時間があれば、月に3回くらい行くこともありました。温泉に行くのも好きです。自分で運転して箱根などに行きます。道路が整備されて、富士五湖や箱根方面へ行くのに便利になりましたからね。診療が終わってから行き、温泉に入ってから朝早くに医院へ帰ってきて診療することもあります。健康には気をつけていて、甘いものは食べません。生活習慣病のことも考えて、太らないよう繊維質を取ることを心がけています。体重は学生時代から変わらないんですよ。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

永井完侍院長 永井こども医院6

病気の子どもをできるだけ迅速かつ適切に治療することを大切にしていきます。子どもにはいろいろな病気がありますので、病気や治療に関する情報を早く取り入れて、子どもにとって苦痛のない治療をしたいですね。相模原市は熱心な先生が多く、定期的に小児科の勉強会を行っています。北里大学からも先生が来てくださるので、勉強会を通して顔を合わせることで、医療連携もスムーズになっています。そして、これからも働くお母さんの支援をしていきたいですね。課題としていた病児保育の拠点は少しずつ増えてきましたので、これからの目標としては、保育園に看護師が常駐し、医療的なケアができるような体制をつくっていきたい。親御さんの安心につながるような医療を提供していきたいです。

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