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森 大祐 院長の独自取材記事

高花平デンタルクリニック

(四日市市/西日野駅)

最終更新日:2021/10/12

森大祐院長 高花平デンタルクリニック main

平日の午後、近くの幼稚園から園児の声がかすかに響くような、のどかな住宅地に「高花平デンタルクリニック」はある。森大祐(もり・だいすけ)院長が、自身の育った地域に貢献したいと2015年に開業したクリニックで、一般的な歯科治療から小児歯科、入れ歯、インプラント治療に加え、訪問診療も行う。「目配り、気配り、心配りを大切したい」という森院長の思いがスタッフにも行きわたり、院内全体が温かい雰囲気だ。歯科医師だった祖父を思い、「毎朝、仏壇にお参りしてから出勤します」という心優しい森院長。「信頼してくださる患者さんのため、祖父以上にしっかりした仕事を」と日々診療にあたる。妻で副院長の森幸(もり・さち)先生、スタッフとともに、家族で気軽に通ってもらえるクリニックをめざす。

(取材日2019年4月23日)

地域を支える訪問歯科診療も実施

開業の経緯や建物のこだわりについて教えてください。

森大祐院長 高花平デンタルクリニック1

私は大学卒業後、広島と名古屋、そして四日市の歯科医院に勤務しました。もともとこの場所では母方の祖父が歯科医師をしていたのですが、祖父が亡くなり、いったん閉院したのです。当院はその歯科医院を建て替えて2015年に開業しました。この高花平の地域は市内でも早くにできた住宅地といわれており、お年寄りの方が多いです。そこで入り口前にスロープを設け、靴のまま、また車いすのまま入っていただけるように完全バリアフリーにしました。プライバシーに配慮し、廊下から入る診療室は、チェア2台は半個室の状態で、患者さん同士がお互いに会うことがないように配慮されています。あと1台は完全個室にすることもでき、マットを敷いてお子さんが遊べるファミリールームとしても使えます。

患者さんはどんな方々が来られていますか?

小さなお子さんから会社員の方、ご高齢の方まで年齢層は幅広いです。「おじいさんに診てもらったよ」と話してくださる方も何人かいて、いったん閉院したにもかかわらず戻ってきてくださっているのはありがたいですね。私は勤務医時代に、全世代の方を対象に、一般的な治療から小児歯科も口腔外科も診ていましたので、その経験が今に役立っています。埋伏歯の抜歯や入れ歯、インプラント治療も行うことができます。歯を失くした場合は、入れ歯、ブリッジ、インプラントそれぞれのメリット、デメリットをお話しして選択していただいています。

こちらでは訪問歯科診療もされているそうですね。

森大祐院長 高花平デンタルクリニック2

はい、四日市で最も高齢化が進んでいる地域ですので、通院が困難になられる方も多くみられます。そのような方々の受け皿になりたいと考えていたこともあり、現在は妻の幸副院長が歯科衛生士とともに週3回お宅や施設に伺っています。訪問診療では、エックス線撮影、かぶせ物、抜歯などの外科処置までひととおりを行うことができます。診療室に比べれば環境が整っていませんし、診療体勢もしっかりとることが難しく大変なのですが、ご本人やご家族に感謝され、やりがいがあります。また、失礼な言い方かもしれませんが、ご高齢の患者さんとお話ししていると言い方やしぐさがかわいらしく、やりとりが楽しいんです。「入れ歯が調子良くて、何でも食べるから太っちゃったよ」というお話もほほ笑ましいです。

人として、目配り・気配り・心配りを大切に

先生がクリニックとして大切にされていることは?

森大祐院長 高花平デンタルクリニック3

ホスピタリティーですね。最近の医療はサービス業に近くなってきていますが、サービスというより、人と人とのつながりが一番重要で、まず人を思いやる気遣いが大切だと考えます。昔から当たり前に言われてきたことですが、目配り・気配り・心配り。これらがなければ、どんなに良い医療を行っても信頼関係は築けません。こうしたことは訪問診療から学んだといえるかもしれません。実は訪問診療は、妻も私も勤務医時代から10年以上やっているのです。訪問診療では外来での診療以上に気遣いが必要なのですが、外来でも同じようにすべきと考えるようになりました。それをいつも、誰に対しても、自然に、クリニック全体で行っていければと思っています。

「歯科医師として」の前に「人として」大切なことを重んじていらっしゃるのですね。

受付のカウンターに扉をつけたのも、すぐに待合室に出られるようにするためです。診察後、患者さんを待合室まで送るときも、スタッフは扉からすぐに持ち場に戻れます。扉があることで院内をぐるっと回れる動線になっているんですよ。何かの確認や追加の説明をしたいときも、私やスタッフが扉からすっと待合室へ出ていきます。パソコンのカルテ入力も受付で行っていますので、私はカルテを打ちながら待合室の様子を見ることができるんです。患者さんから「ねえ、先生」と話しかけられることもありますよ。風通しが良過ぎるかもしれませんが(笑)、声をかけやすいと感じていただければうれしいです。

診療ではどのように患者さんと向き合っていますか?

森大祐院長 高花平デンタルクリニック4

初診の方には1時間の枠を確保するようにしていて、最初の30分ほどはスタッフがお話を伺います。主訴以外の悩みや、最終的なゴールをどのようにお考えなのかをお聞きし、その後各種検査に入ります。治療については、勤務医時代の先生に、「どんなに悪い歯でも、それは患者さんの歯だ。そこを忘れてはいけない」と言われたことを常に心に留めています。こちらからすれば抜いたほうが良いと思われる歯でも、それは患者さんの体の一部であり、患者さん自身が納得されて初めて抜くものだということですね。治療は押しつけであってはならないと思います。あとは、すべての治療において、説明し、理解していただくことを重視しています。各チェアに口腔内カメラがありますので、治療前、治療後、さらにお掃除の前後も、お口の中の画像をモニターに映してお見せしています。

スタッフとともにつくる地域のためのクリニック

スタッフの方々について教えてください。

森大祐院長 高花平デンタルクリニック5

みんな患者さんに優しく親切に対応してくれています。クチコミで来院される方も「治療が良かった」ということより、「スタッフの雰囲気が良かった」というほうが多いんじゃないでしょうか(笑)。本当にその力は大きくて、スタッフが当院をつくってくれていると思っています。新しい人を採用するときは、私が面接をした後に、スタッフも面接をするんですよ。一緒に働く仲間だから自分たちでしっかり選びたいということなんです。早く人手が欲しくても「先生、良い人が来るまで待ちましょう」と言われます。そしてみんなで選んだ人ですから大事にして、さらにチームワーク良く仕事をしてくれますね。スタッフとみんなでクリニックをつくりあげていきたいです。

どんな患者さんに来てほしいとお考えですか?

どんな方でも、困っている方に来ていただければと思います。治療は、8~9割の方が保険診療なのですが、保険診療だから噛めない、痛い、と我慢して諦めている方が結構いらっしゃるように見受けられます。確かに自由診療のほうが材料も多く、時間もかけられますが、私は、保険診療は自由診療のように、自由診療は本物の歯のようにという意識で治療しています。つまり保険診療のクオリティーを上げたいのです。そうすると自然と自費診療のレベルも上がります。保険診療であってもよく噛める入れ歯を、困っている方に作って差し上げたい。祖父は、入れ歯の評判がすごく良かったんです。今診ている患者さんのお口の中に、祖父の作った入れ歯を見ることがありますが、材料もあまりない時代にきちんとした仕事をしていたんだなと感じ入ります。

今後の展望についてお聞かせください。

森大祐院長 高花平デンタルクリニック6

広島で勤務していた頃、ある患者さんから「先生、俺で練習してうまくなってよ」と言われたことがありました。「先生だったら実験台になるよ」と。これは本当に信頼していただいているのだと気が引き締まりました。今もそのことが自分の中で基本になっているところがあり、患者さんと信頼関係を築くように今後も努めていきたいです。そして親子3代で来ていただけるクリニックにしたいと思います。例えばおじいちゃんがお孫さんと「歯の掃除に行こう」と来てくださったり、お子さんが「ここが良かった」と言って、次に親御さんが来てくださったり、そんなクリニックでありたいです。「小児歯科じゃないから」「その治療はできない」ということなく、幅広く勉強し、研鑽を積んできたことを生かして地域の方々に貢献していきたいと思います。イギリスの有名な福祉制度のゆりかごから墓場までではないですが一生涯のおつき合いができたら良いですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/35万円~、かぶせ物/オールセラミック9万8000円(いずれも税別)

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