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都野 晋一 院長の独自取材記事

きらく内科クリニック

(墨田区/両国駅)

最終更新日:2023/11/17

都野晋一院長 きらく内科クリニック main

都営大江戸線・両国駅A2出口に直結するビルの3階にある「きらく内科クリニック」。暖色系の色と木を使った優しく温かい雰囲気の待合室や快適なリクライニングシートが並ぶ処置室などには、訪れた患者に身も心も楽になってもらいたいという都野晋一院長の想いが詰まっている。消化器内科の専門的な診療に加え、小児から高齢者までの内科を総合的に診療することで、地域のかかりつけ医として家族全員の健康を支えることをめざしている。「自分のことは自分でできる元気な80代をめざして、健康寿命を延ばして、寝たきりにならないようにサポートしていきたいと思います」と気さくに語る都野院長に、同院のことや診療にかける思いを聞いた。

(取材日2023年6月16日)

患者には来てよかったと喜んで、楽になってもらいたい

クリニックの概要を紹介していただけますか?

都野晋一院長 きらく内科クリニック1

当院では、一般内科と私の専門である消化器内科、そして小児科の診療を行っています。肝臓を含めた消化器の専門性の高い治療にも、もちろん力を入れています。開業当初から私が一番したかったのは、自分が病気になった経験やこれまでの診療で得られた経験を生かした地域医療です。開業前は慢性期病院の院長をしていたのですが、生活習慣病が原因で脳卒中や心不全、腎不全となって体が不自由になり、寝たきりになってしまった患者さん、がんになってしまった患者さんをたくさん診てきました。ですから、そうはならずに、自分のことは自分でできる元気な80代をめざして、健康寿命を延ばして、寝たきりにならないようにサポートしていきたいと思ったのです。そのためには地域に密着して、お子さんから高齢の方まで家族全員の生活も診ることができるかかりつけ医として内科を総合的に診療しながら、自分の専門性も生かしてやっていきたいと考えていました。

最近ではどのような患者さんが訪れていますか?

お子さんから高齢者まで、幅広い患者さんに来ていただいていますが、開業直後から来院されている方の年齢が上がって、高齢の患者さんが多くなっている印象です。40~50代の働き盛りで、健康診断の結果から高血圧症や脂質異常症、肝臓疾患の治療のためにいらっしゃる方も多いですね。また、特にここ数年、糖尿病の患者さんがたいへん多くなっています。駅に近いということもありますから、若い方で急性腹症や胆石発作、膵炎など、緊急性の高い疾患で急に来院される方もいます。

院名の「きらく」という名前には、どのような思いが込められているのですか?

都野晋一院長 きらく内科クリニック2

クリニックの名前はひらがなにしてありますが、これを漢字で書くと「喜楽」です。訪れていただいた患者さんに「来て良かったと喜んでいただきたい」「身も心も楽になってほしい」という思いから名づけました。これは「心がリラックスできる環境が、体の治癒にもつながっていく」という当院が大切にしている考え方でもあります。病気は、「病の気」と書くように、気持ちが元気でなければ、体の元気も保たれないでしょう。気は目に見えないものですが、これまで続けてきた診療と自分自身が患者になった経験から、私はその存在を身近に感じるようになりました。当院では、患者さんが心地良くいられる環境を第一に考え、スタッフとも協力しながら空間づくりに努めています。

非アルコール性脂肪性肝疾患と糖尿病の治療を重点的に

力を入れていることは何ですか?

都野晋一院長 きらく内科クリニック3

一つは専門である肝臓疾患です。肝臓疾患に対する医療は、例えばC型肝炎は薬で治療できるようになるなど進歩してきました。その一方で、お酒をあまり飲まないのに脂肪肝となってしまう「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」、その存在に気付かない間に進行して肝炎や肝硬変、中には肝臓がんになってしまうこともある「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」の患者さんが徐々に多くなってきています。これらの診断や治療は難しいのですが、診断に関しては最近、超音波(エコー)検査などで肝臓の硬さ(線維化)や脂肪化の程度がわかるなど、だいぶ進歩してきています。生活習慣病や内臓脂肪型肥満とも強い関係があるのでしっかりと診断し、投薬による治療に加え生活習慣の中の問題点を見つけ出して指導をすることで、肝臓病が悪化しないようにすることにも力を入れています。当院でも新しいエコー機器を導入して病状把握・説明・治療に役立てています。

糖尿病の患者さんも多いと先ほど伺いました。

肝臓疾患を専門にやっていて、NAFLDやNASHの患者さんを多く診ていると、それに合併している糖尿病を診る機会が必然的に多くなりました。健康診断で指摘されて来院される方もいますし、ほかの医療機関から紹介されてくる方もいます。当院では、血糖値の指標であるHb(ヘモグロビン)A1cをその場ですぐ測定できる機器を導入しています。それをもとに患者さんとお話しして、治療方針を決めていくようにしています。最近では、インスリン以外にもGLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬といった新しい薬が出てきて、治療を進めやすくなりました。

患者さんとのコミュニケーションで心がけていることはなんですか?

都野晋一院長 きらく内科クリニック4

とにかく患者さんやご家族の立場に立って考えることでしょうか。自分がそう言われたらどう思うだろうか、もし家族だったらどうするだろうか、と想像しながら、目の前の患者さんをどうにか良くしたいと思っています。生活習慣病は一時期数値などが良くても、また悪化することもあります。そういう時に「自分がそうであったらどうかな」などと考えながら、患者さんの気持ちに寄り添うようにしています。また治療ガイドラインなども示しながら、「働いている今は病状の管理が大変だけど、仕事をリタイアした時には健康でいたいですよね。今ここでもう少し頑張ってみませんか」といったように、具体的なお話をしながら説明するということも心がけていますね。

新しい感染症の流行時に地域のためにやってきたこと

開業されてから、思い出深かったことはなんでしょうか?

都野晋一院長 きらく内科クリニック5

多くの医療機関がそうだと思いますが、やはり2020年からの新型コロナウイルス感染症の流行です。だんだんと新型コロナウイルスの感染力がわかってきた時点で、患者さんを検査したいと思っても、まだ隔離室の準備もできませんでした。それでもどうにかしなければいけない、それには診療時間をずらすしかない、ということになり、当初昼休みだった時間に発熱を専門に診る外来を設けて、検査体制を整えました。そういった状況の中でついてきてくれたスタッフには感謝しています。私はワクチンの集団接種も手伝いまして、週3回ワクチンを注射してきて、そのまま午後の診療をすることもありました。大変でしたが、コロナ禍で不安な地域の方々のためにはなっているのではないか、という充実感はありましたね。また、これからまた未知の感染症の流行もあるかもしれませんので、隔離室のスペースを設けることなども今後考えていかなければならないと思っています。

お忙しい毎日かと思いますが、どのようにリフレッシュしていますか?

もともと両国国技館の近くに当院を構えたのは、相撲が好きだったからなんです。以前は観戦に行っていたのですが、最近は忙しくてなかなか行くのが難しいですね。野球も好きで、よくテレビや現地観戦をしています。運動といえば、飼い犬との散歩が日課になっています。あとはなるべく階段を使うようにしたり、食事を取りすぎたりしないよう、健康には注意していますね(笑)。

今後の展望とメッセージをお願いします。

都野晋一院長 きらく内科クリニック6

私は消化器・肝臓内科という専門がありますが、体のことで不安に思うことがあればまずは来院していただければと思います。どこの科にかかったらいいかもわからない時は、診察した上で専門の医療機関や適切な病院を紹介することもできると思いますので、アドバイスを受けるつもりでお気軽に来ていただければと思います。当院では苦痛の少ない経鼻の胃内視鏡検査を行っていますし、胃や大腸、肝臓といった消化器の専門的な治療に対応できます。また、いろいろな生活習慣病を合併した糖尿病患者さんが多く、対応に慣れているので、インスリンや各種内服薬で充分な治療も可能です。骨粗しょう症の検査も行っているほか、睡眠時無呼吸症候群の患者さんも専門機関受診後に経過観察しています。また、子どもの健診や予防接種では、インフルエンザ流行期など、院内感染を防ぐために午後の診察前に専用の時間を設けています。こちらもぜひご利用いただきたいですね。

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