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湯川 宗之助 院長の独自取材記事

湯川リウマチ内科クリニック

(武蔵野市/武蔵境駅)

最終更新日:2019/08/28

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JR武蔵境駅から徒歩5分、山桃通りに面したビルの3階が「湯川リウマチ内科クリニック」である。全体にブラウンが基調とされ、とても落ち着いた雰囲気でありながら、大変明るい院内となっている。すべて、院長である湯川宗之助先生の「壁紙や装飾品からウォーターサーバーやソファーの高さに至るまで、できるだけ患者さんたちにくつろいでいただけるようにと考えました」という思いが詰まったつくりになっている。開業したばかりのクリニックには、中央線沿線や近郊から、すでに大勢のリウマチ患者さんが受診している。ここ10年で大きく変わったというリウマチ治療の内容から、先生の個人的な趣味のお話しまで、湯川先生に詳しく伺った。
(取材日2015年3月2日)

難治性と言われていた疾患から治る可能性がある疾患へ

院内の落ち着いたイメージは先生が考えられたそうですね。

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クリニック全体を、空港のラウンジをイメージしてつくりました。というのも、僕は高所恐怖症なのですが、移動のために仕方なく飛行機を使うことが何度もあり、その際、飛行機に乗る前の緊張感を和らげてくれたのが、空港のラウンジだったからです。リウマチ・膠原病の患者さんは、定期的な受診が必要になります。何度も来るクリニックですから、少しでも患者さんにくつろいでいただければという思いで院内を設計しました。このクリニックが地域の方々にとって、信頼される大切なクリニックになっていただけるように、僕もスタッフも1つのチームとして日々の診療に取り組んでいきたいと思っています。

院名に「リウマチ内科」と入れた理由を教えていただけますか?

リウマチの診断と治療は、まるで日本における江戸時代から幕末・明治維新を迎えたかのごとく、ここ10年で劇的な変化を遂げています(パラダイムシフト)。以前は治らない病気と言われていましたが、今では寛解(疾患が落ち着いていて日常生活に支障がない状態)という明確な治療ゴールをめざせるようになってきたことと、完治することも夢ではない病気になってきています。わざわざリウマチのつらい体で都内の大学病院・総合病院に1時間以上かけて通院されなくても、地元のクリニックで専門的な治療が受けられることを、ぜひ地域の方々に知っていただきたいと思い、院名に「リウマチ内科」と入れました。ですから当院の患者さんは、今まで大学病院に通院していた方から、治療を諦めていた方まで、さまざまな方が来院されています。

リウマチは治らないと思っている方も多いのではないでしょうか。

多いですね。どこの医療機関にかかっても同じだと思っている方もいますし、患者さんが最初に訪れることの多い整形外科の先生方でも、具体的な知識を持っていらっしゃらない場合があります。多くの患者さんにリウマチという疾患を正しく知っていただき、患者さん自らが治療するクリニックをしっかりと見極めてもらいたいと考えています。当院では、リウマチや膠原病に関する知識を皆さんにお伝えしていくために、パンフレットを作成して待合室に置いたり、モニターで情報を流したりして、待ち時間に見ていただくようにしています。

先生はなぜリウマチや膠原病を専門とされたのですか?

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僕の父が医師で、リウマチと膠原病を専門としていますし、兄も医師で、京都大学で同じくリウマチと膠原病を専門にしています。父も兄も同じ分野でしたから、僕は違う分野を志してもよかったのですが、研修医時代に20代の女性患者さんを診察したとき、リウマチで変形してしまった手指や手首を見て、「この方の今後の人生には多くの制限が待ち構えている。医師として何をしてあげられるだろうか」と思ったのがきっかけです。当時から難治性の疾患とされてきたリウマチと膠原病でしたし、父や兄の時代でもまだ治療法が確立されていませんでしたから、少しでも多くの患者さんの治療に貢献したいと思い、迷わず同じ道に進みました。

正しい知識が得られる場所であり、患者のよりどころとなれるクリニックでありたい

リウマチの治療法は以前と比べて、どのように変わってきているのですか?

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日本では2003年から、良い薬(生物学的製剤)が使用できるようになり、急激に治療法が進歩しました。内服薬を中心に治療を行い、さらに必要な方には、生物学的製剤を使用していきます。現在リウマチの寛解には「臨床的な寛解」「機能的な寛解」「構造的な寛解」「免疫学的な寛解」の4つがあります。最初にめざすのは臨床的な寛解で、痛くない、腫れない、血液検査の結果も良好、患者さん自身も状態が良いと感じるようにしていきます。ただこういった治療法が、患者さん一人ひとりに正しく伝わっているかというと、まだまだだと感じています。リウマチのきちんとした知識をぜひ地域の方々に持ってもらい、このクリニックがそうした患者さんたちのよりどころになれたらうれしいですね。

生物学的製剤とは具体的にどんなものですか?

関節の炎症を起こすTNFやIL-6と呼ばれるサイトカイン(炎症を起こすたんぱく質)や、T細胞のCTLA-4と呼ばれる共刺激のシグナルを伝える物質を、ピンポイントで阻害するのが生物学的製剤です。ターゲットを絞って阻害することにより、症状が劇的に良くなります。関節リウマチは自己免疫が過剰に働く疾患であるため、ステロイドや免疫抑制薬を使用することによって免疫機能全般が抑えられると感染症にかかりやすくなります。生物学的製剤も感染症の危険はありますが、抑制するサイトカインが決まっており、注意する感染症のポイントや危険因子が明確で対処しやすいという利点があります。ひと昔前に使用されていた副腎ステロイドは、表面的な症状を抑えるだけで、根本的な疾患の治療にはなっていません。しかも感染症の他に血圧が上がる、骨がもろくなる、体重が増えるといった大きな副作用が起こっていました。生物学的製剤は、そういった副作用はないため継続投与する事が可能なので、当院では、副作用が強いステロイドを長期間服用してきた患者さんには、リウマチの根本的な治療と併せて、ステロイドを少しずつ減らしていき、最終的には中止できるようにしていくことにも重点を置いています。

先生が患者さんと接するときに心がけていることは何ですか?

常にこの方が自分の身内だったらと思いながら接するようにしています。僕には医師という肩書きはありますが、患者さんが診察室に入ってきたら、心を持った人間同士という思いで接し、必ずエビデンス(科学的な根拠)に基づいた診断と治療を行うようにしています。僕のほうが患者さんより少しだけ医療の知識を持っているだけですから、おごらずに診療にあたるよう心がけています。

先生は産業医科大学へ国内留学もされているそうですね。

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東京医科大学医学部を卒業後、同大学の第三内科に入局しました。9年間リウマチと膠原病の診察を行っていたのですが、リウマチ・膠原病の権威でいらっしゃる田中良哉先生の講演を聴いて、どうしても先生の元で勉強したいと思ったのがきっかけです。2008年に東京医科大学を辞めて、田中教授がいらっしゃる福岡県の北九州市にある産業医科大学医学部第一内科に入りました。田中教授は、心のある医療が大事だといつも話されていて、臨床・研究・教育をはじめ何事をする時にも心を込めることが大切だと教えてくれました。僕にとって田中教授は、人生最大の恩師であり、先生に教えてもらったからこそ、今の自分があると思っています。

地域に居ながらにして、専門性の高い治療が受けられるのが大きなメリット

先生が医師をめざそうと思われたのは、お父様の影響ですか?

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父も兄も医師でしたが、僕は小さい頃から一度も医師になりなさいと言われたことはありませんでした。きっかけは可愛がってくれた祖父が脳梗塞で亡くなった時、自分が医師であったら、もっと別の治療ができたのではないかと思ったことです。両親には高校1年生の時「祖母の主治医になりたいから、医学部に通わせてくれ」と頼んで医学部に進学し、医師になってからはその言葉通り、祖母の主治医として治療にあたる事が出来ました。

お忙しいでしょうが、休日はどのように過ごされているのでしょうか。

フルマラソンをやっていて、走ったりスポーツジムで筋トレをしたりするのが僕の趣味です。さすがに開業前の12月から2月くらいまでは忙しくてできませんでしたが、3月に入って少し落ち着いたので、久しぶりにジムに行き、毎朝走っていた10kmのランニングを再開しました。ほんの数ヵ月休んでいただけなのですが、すっかり筋肉が落ちてしまいましたね(笑)。なぜ僕が日々体を鍛えているかというと、産業医科大学時代に東北大震災が起こり、1ヵ月後に派遣医師として東北に行く機会を頂く事が出来ました。その際、いろいろな方から震災時の大変さを聞き、災害が起こったときは、最低限自分の身は自分で守り、なおかつ困っている人たちがいたら救出できるようにしようと考えたからです。

最後に治療に対する将来の展望をお聞かせください。

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当院では、生物学的製剤の点滴や、ご自分でやっていただく自己注射、4週間に1度クリニックで行う皮下注射と、患者さんのライフスタイルに合わせた形でリウマチの治療が行えます。大きな医療機関でも専門医が不在という所がたくさんある中で、当院ではリウマチ・膠原病の権威でいらっしゃる田中良哉教授を顧問としてお迎えでき、極めて御多忙の中、年に何回か実際診療を行って頂ける事になっております。患者さんたちは大きな医療機関に通わなくても、地域のクリニックで第一流のリウマチ診療を受けることができるわけです。今後も第一線で活躍されているこういった先生方の治療を、何とか地域に根付かせていきたいですね。「Treat to Target(トリート・トゥ・ターゲット)」という言葉があり、目標を明確にして、患者さんと一緒に治療方針を決めて行くという方法が今のリウマチ治療です。さらに「Window of opportunity(ウインドウ・オブ・オポチュニティ)」という言葉もあり「治療機会の窓」と呼ばれていて、早期に適切な治療を行なうことで、治癒を目指せる可能性も示唆されております。患者さんたちが治療機会を逃すことがないよう、僕も一緒になり今後も治療に取り組んでいきたいと思っています。

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