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柿木 成子 院長の独自取材記事

いずみレディスクリニック

(千代田区/秋葉原駅)

最終更新日:2023/04/13

柿木成子院長 いずみレディスクリニック main

数々の路線が交錯し多くの人々が行き交う秋葉原、その昭和通りを少し入ったビルの6階にある「いずみレディスクリニック」。白を基調に湧き出す泉をイメージしたフォレストグリーンのグラデーションとビタミンカラーのオレンジが差し色となり、明るく迎え入れてくれる。院長である柿木成子(かきのき・しげこ)院長の「元気を沸き立たせるようなクリニックでありたい」という想いが込められている。2014年12月の開院以来、女性のかかりつけ医として、「すぐにかかれるクリニック」であることをめざし、あえて完全予約制にはしていないという。柿木院長の診療や患者に対する想いなど、話を聞いた。

(取材日2023年3月6日)

変化の大きい女性のライフステージに寄り添いたい

こちらは2014年の開院だそうですね。

柿木成子院長 いずみレディスクリニック1

私は1987年東京女子医大を卒業、同大学の産婦人科学教室に入局し、産科、婦人科、新生児科、麻酔科と幅広く研鑽を重ねました。2000年からは三井記念病院産婦人科で婦人科腫瘍学を中心とした産婦人科医療に携わり、「個」を重視した医療を実現したいと2014年12月にこの場所に「いずみレディスクリニック」を設立しました。長年勤めた三井記念病院から近くこれまで関わった患者さんを診ることができると同時に、この地域の医療に貢献したいという思いでした。

こちらのクリニックの特徴は?

10代、20代、30代、……70代、80代と女性のさまざまなライフステージに起こる支障に応えたいと考えています。思春期、性成熟期、更年期、老年期とそのステージに起こる支障はさまざまです。学校、職場など環境によって月経不順や月経異常、月経困難症、月経前症状など症状はさまざまで、メンタルヘルスも注視して問診を行うようにしています。妊娠を希望する方々へ妊活のサポートや適切な専門の医師への橋渡しをしています。子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮筋腫など良性疾患の診断、経過観察を行い、適切なタイミングでの手術療法を含めた治療を提案しています。自律神経失調症や更年期症候群に対して漢方薬を併用した治療を行い、またこの時期に発症しやすい高血圧、高脂血症など生活習慣病の初期治療にも対応しています。性器脱の保存的治療にも対応し、高齢の方にも定期的に通っていただいています。

柿木院長のご専門について教えてください。

柿木成子院長 いずみレディスクリニック2

私は子宮頸がんや子宮体がん、卵巣がんなど婦人科腫瘍を専門とする日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医です。当院では細胞診異常の経過観察などのがん検診のほか、子宮頸がん予防のためのHPVワクチン接種を行っています。子宮頸がんはHPV感染による発がんという概念が浸透してきましたが、ワクチン接種という手段がなかった世代や接種を控えてきた方々に、広い意味での前がん状態であるCIN(子宮頸部異形成)をコルポスコピー検査、ねらい組織診による精密検査を積極的に行って診断、ハイリスクHPV検査を適宜行い、子宮頸がんまで至るリスクを理解していただいて経過観察を指導しています。またCINを炭酸ガスレーザーで蒸散させる治療まで対応し、施術後2年間は子宮頸部細胞診によるフォローアップを実施します。50歳以上では子宮頸がんより子宮体がんの発症に気をつけることが重要で、子宮内膜細胞診も積極的に行っています。

診てほしいときにすぐ駆け込めるクリニックに

街のクリニックとしての存在意義についてどのようにお考えですか?

柿木成子院長 いずみレディスクリニック3

基幹病院では、がんであっても経過観察は一般的には術後10年たって再発が認められなければ終了となります。当クリニックでは、その後のフォローアップをお受けしています。その他、女性はライフステージによる体調の揺れが大きいので、エイジングに伴ういろいろな悩みに応えていけたらと考えています。また、秋葉原駅からすぐという場所柄、「ちょっと診てほしい」と駆け込んでくる方が多いので、予約のない方も診られるよう完全予約制にはしていません。気軽に通えるクリニックであれば、異常の発見につながることも期待できますからね。そこにこそ当院の存在意義があるのではないかと考えています。診察を受けていただくことで「婦人科かかりつけ医」を持つきっかけにしていただけると良いと思います。また、三井記念病院をはじめとする基幹病院との病診連携を通して、婦人科疾患に限らずあらゆる疾病の早期発見・治療の部分にも貢献していきたいです。

どんな時にやりがいを感じますか?

私は婦人科腫瘍専門医ですが、開院以来さまざまな研鑽を積み重ねてきました。そうした知見や経験を生かしてサポートできるとやりがいを感じられると思います。当院では、人間ドックや健診の結果を持参いただくようにしています。脂質異常や痩せすぎ、肥満、高血圧など、婦人科のかかりつけ医としての範囲でアドバイスをさせていただきます。スタッフからは「先生は患者さんの話を聞きすぎる」と怒られていますが(笑)、心も体も健康になっていただきたくて、ついつい話し込んでしまうこともあります。お姑さんの愚痴やお子さんの悩みを聞くこともよくありますよ(笑)。中にはメンタルの不調が原因で月経トラブルが起こっている人も多いので、必要に応じて専門の医師への受診を促すようにしています。

患者さんと接する上で、心がけていることは何ですか?

柿木成子院長 いずみレディスクリニック4

患者さんの中には、診察や手術のために休みを取ることなどできないと言われる方が多くいます。そんな時は「あなたの仕事の代わりはほかにいる。しかし、あなた自身の代わりは誰もいない」とお伝えしたいですね。心身の健康を保つことが一番大切だとわかれば、心も体も軽くなるのではないでしょうか。自分がいなくても仕事の代わりはいること、自分のための時間を大切にすることの重要性に気づいていただきたいです。ただ、長いコロナ禍の影響によるテレワーク続きなどで運動不足の方が増えているので、適度な運動を心がけていただきたいですね。

自分の体を丈夫に、心身の健康を大切にしてほしい

医師を志した理由を教えてください。

柿木成子院長 いずみレディスクリニック5

実家が産婦人科で病院に住んでいるようなものだったので、医療はいつも身近な存在でした。幼い頃から漠然と「医師になるのだろうな」という思いはありました。大学卒業後、どちらかといえば外科系に興味があり、いろいろな科を検討する中で、最終的に残ったのが産婦人科だったんです。クリニックを開院するまで当直は欠かせない業務でした。腫瘍を専門としたのは、お世話になった恩師の影響が大きいです。手術に携わりたいと考えていた私はせっせと手術に取り組みました。

院長の元気の秘訣は何ですか?

もう15年以上、筋力トレーニングを続けています。パーソナルトレーナーのもとウエイトトレーニングをメインにワークアウトしているのですが、最初は週3回くらい、今でも週に1回は通い、体のちょっとした変化を無視しないようにしています。ヨガやピラティスにも取り組みました。食事の取り方、栄養学についても学んで日々の生活に生かしています。ですから、体を整えることが何よりのエネルギー源かもしれません。お料理も好きで、お野菜を刻んでいる時はスカッとしますし、今度は何を作ろうかと考えるのも頭の体操になります。また、茶道にも長く親しんでいます。何か考え事をしているとお点前はできませんし、茶道での経験を通して四季折々を感じることがが毎日の生活や診療の日々のアクセントになります。

読者にメッセージをお願いします。

柿木成子院長 いずみレディスクリニック6

女性はライフステージに応じて生活ががらりと変わり、体に変化を来すことが多いです。検査では明らかな異常がないのに不調を感じることも少なくありません。どんな時でも自分の体を丈夫に、自分を大切にすることを忘れないでほしいですね。くたびれた体と脳はネガティブ思考を生みます。そんな時は心身ともに元気になれるよう一緒に考えたいと思っています。日本産婦人科医会では、産婦人科の医師が女性の高血圧症、糖尿病や脂質異常といった生活習慣病も管理するべきという指針を掲げました。私自身も女性のかかりつけ医として婦人科にとどまらず診療、アドバイスできればと考えています。2022年4月から子宮頸がんワクチンの再推奨や、接種を控えていた方たちへのキャッチアップ接種も始まりました。私はワクチンで予防がめざせるものは、できる限り受けたほうが良いと考えます。気になることがあれば、まずは気軽に相談に来ていただければと思います。

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