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小西 一男 院長の独自取材記事

こにしクリニック

(川崎市宮前区/鷺沼駅)

最終更新日:2023/04/10

小西一男院長 こにしクリニック main

渋谷まで電車で20分というアクセスの良さに加え、季節ごとに新緑や紅葉が楽しめるなど、美しい街並みでも人気の住宅街・鷺沼。その拠点駅である鷺沼駅から5分ほどの所で2014年に開業したのが、内科・消化器内科・胃腸内科を専門とする「こにしクリニック」だ。小西一男院長は、大学病院で20年以上にわたって胃・大腸内視鏡検査を行ってきた消化器内科と胃腸内科の専門家。「大学病院レベルの胃・大腸内視鏡検査を街のクリニックで提供することで、地域に貢献していきたい」と開業を決断したという小西先生に、開業の経緯やクリニックにかける思いなどをたっぷりと聞いた。

(取材日2014年12月16日/情報更新日2023年3月6日)

大学病院レベルの内視鏡検査で地域に貢献していく

まずは開業の経緯をお聞かせください。

小西一男院長 こにしクリニック1

昭和大学医学部を卒業後、そのまま大学病院に入局し、日米のがん専門の研究機関へ留学していた時期なども含め、20年以上にわたって消化器内科および内視鏡検査の専門家として、主に胃や大腸の疾患を担当してきました。そこで培った経験や技術を、自身のクリニックを立ち上げることで地域に還元していきたいという思いから、開業を決断したんです。

鷺沼で開業されたのには理由があるのでしょうか?

まず考えたのが、病診連携を図るために母校の系列病院からアクセスの良いエリアに開業できればということでした。鷺沼の場合、旗の台にある昭和大学病院の本院だけではなく、横浜市都筑区にある横浜市北部病院や青葉区の藤が丘病院などにも近く、それ以外にも高度医療を提供している総合病院が周囲に複数あります。また、都心に近いベッドタウンとして人気がある街だけに人口も多く、消化器内科に対するニーズも高いと考え、鷺沼に決めました。ここは駅から徒歩5分ほどですし、ビル1階にあるため車いすなどを利用されている方でもアクセスしやすい環境になっています。

開業に際して、間取りなどでこだわった点はありますか?

小西一男院長 こにしクリニック2

受付と診察室を中心として、その周囲に内視鏡検査室や処置室、回復室などを配置しました。これは、いったん診察室や内視鏡検査室に入った後、診察や検査、検査後の回復など、すべての処置が終わって待合室に戻るまで患者さんのプライバシーを確保し、また移動をスムーズにするためです。受付を済ませた後、診察希望の患者さんはすぐ横にある診察室に入り、検査や点滴が必要な場合には診察室から直接処置室へ移動できます。内視鏡検査を予約した患者さんは、まず内視鏡検査室に向かい、検査後は回復室へそのまま移動して、最後に診察室で検査説明を受けます。今までの経験から、スペースに限りのあるクリニックで診察や検査がよりスムーズに行えるように、間取りを決める際にはその点にこだわりました。また内視鏡検査室は、かなりスペースにゆとりのある造りにし、検査中に患者さんが抱く圧迫感を少しでも減らせるように配慮しています。

検査や治療だけではなく、がんに対するサポートも実践

現在の診療内容を教えていただけますか?

小西一男院長 こにしクリニック3

風邪や生活習慣病などを扱う一般内科に加え、内視鏡検査を中心とした消化器内科、胃腸内科の診療を行っています。私の専門分野が消化器内科のため、胃・大腸の内視鏡検査を希望される患者さんも多く、年齢的には40~70代の方が、男女比でいえばやや女性が多いでしょうか。胃の痛みや腹痛、便通異常などの症状で受診される方も多いですね。また、がんを中心としたセカンドオピニオンのご要望にも対応しています。がんは、ほとんどの方にとって一生に1度かかる可能性がある重要な疾患です。ですが、病状の説明を受けても十分に理解できないという場合もあるでしょうし、さまざまな治療法がある現代では、どれが自分にとってベストなのか、患者さんご自身が判断を迫られることもあります。その中で、20年以上にわたって数多くの症例を診てきた経験を生かし、医学的な解説だけではなく、患者さんの立場に立ったアドバイスを心がけています。

内視鏡検査の設備についてお聞かせください。

大学病院と同レベルの検査を街のクリニックで提供したいという思いで開業しましたから、内視鏡検査の設備にはこだわりを持っています。開業以来、大学病院で広く使われている内視鏡を用いてきましたが、より高精度の診断を実現すべく、1年ほど前に内視鏡検査機器を先進のものへと新調しました。検査用モニターは4Kのもの。胃の内視鏡はとても細く、経鼻と経口どちらの検査にも対応可能で、大腸の内視鏡も同様に細径です。また胃・大腸の内視鏡ともに「狭帯域光観察」と呼ばれる、粘膜の微細な表面構造や毛細血管を細密に描出する機能を持ち、これまで見逃されていたような小さな病変もより詳細に捉えられます。さらに大腸内視鏡は拡大機能を搭載しており、検査中にポリープや大腸がんなどの病変を発見した際には拡大観察をすることで、より精密かつ正確な診断をめざせます。

検査機器以外の面でこだわりはありますか?

小西一男院長 こにしクリニック4

大腸内視鏡検査を行う際には通常、腸管へ空気を送り込む送気が必要。ですが、当院では空気の代わりに炭酸ガスを使用しているため、検査後の送気による腹部の膨腹感が少ないのが特徴です。先ほどお話しした設備面についてと同じく、こうした検査・診療に関する技術や知識も、常にアップデートするよう努めています。そして、安全な検査のためには機器の衛生管理も欠かせません。そこで当院では検査機器を洗浄するための機器も新型機種を導入し、衛生管理を徹底しています。また大腸検査において、もし検査中にポリープが発見された場合には、形態や存在部位にもよりますが、日帰り内視鏡手術も行っています。

検査時間はどのくらいでしょうか?

検査のときに実際に内視鏡を挿入している時間は、胃であれば5~10分、大腸検査でも10~20分程度です。患者さんのニーズにもよるのですが、胃の内視鏡検査で鎮静剤を用いた場合は、検査後に約60分は回復室で休んでいただきますので、検査開始から終了まで1時間半程度で終了します。鎮静剤を使用しない場合には回復室での時間が短くなるので、45分程度です。大腸検査の場合には、検査前に下剤を飲んでいただき大腸内を洗浄する処置が必要になりますが、それをご自宅で済ませてから検査にいらしていただくので、検査から回復までを含めて1時間程度です。大腸ポリープの日帰り手術の場合、検査時間はそれよりも多少長くなります。

40歳を過ぎたら定期的に内視鏡検査を受ける習慣を

先生が医師をめざしたきっかけを教えていただけますか?

小西一男院長 こにしクリニック5

ちょうど将来の進路について真剣に考え始めた高校生の頃に祖父母が入院し、お見舞いなどで病院を訪ねていたのですが、その時に医療の仕事を目にして興味を持ったのがきっかけでした。その中で消化器内科を希望したのは、消化器の疾患は多岐にわたり、患者さんからのニーズも高いことから、より多くの人の健康に貢献できると考えたからです。例えば、近年は食事の欧米化で肉類を食べることが増えた影響などがあり、特に大腸がんが増加傾向にあります。また、ピロリ菌の検査を定期的に行い、必要があれば除菌治療することで、胃がんのリスクの軽減が期待できることもわかってきました。

大学病院の勤務医というと多忙な印象ですが、開業されてからはいかがでしょう。

大学病院に勤務していた時には臨床のほかにも研究や学生への講義などもあって非常に忙しく過ごしていたので、開業してからはオンとオフの切り替えをつけて、家族と一緒に過ごせる時間を少しでも増やせたらいいなと思っていました。ただ、開業した頃には上の子はもう大きくなって、部活などで忙しく、私と遊んでくれることも少なくなっていましたね(笑)。なので当時は、下の子と近所の公園などに出かけて、よく一緒に遊んでいました。

最後に読者の方にアドバイスをお願いします。

小西一男院長 こにしクリニック6

検査で胃がん、大腸がんが見つかる患者さんは多数いらっしゃいます。しかし、胃の不快感や下痢、便秘など多少の自覚症状があっても、内視鏡検査を受けることに不安があり、検査を受けるかどうか迷っている患者さんも少なくないのが現状です。ですので、内視鏡検査は大きな苦痛を伴う検査ではないこと、時間もそれほどかからないことを知っていただきたいですね。万が一腫瘍があった場合には、なによりも早期発見が大切。内視鏡検査ならば直接病変の有無を確認でき、腫瘍が発見された場合にはその場で組織採取の検査を行ってスピーディーに診断をつけられます。40歳以上になったら、ぜひ胃や大腸の内視鏡検査を定期的に受けることをお勧めしたいですね。

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