砧ゆり眼科医院

砧ゆり眼科医院

中山百合院長

頼れるドクター

医療トピックス

「見る力」の可能性を育む
小児弱視・斜視は早期治療が大切

砧ゆり眼科医院

172661 mt 1 title 1441352671

「子どもには末永くよく見える目でいてほしい」と願う親は多い。しかし言葉をあまり話すことができない小さな子どもが「こっちの目が見えないよ、ママ」と自らの症状を訴えることは難しいのでは。2000年に信州大学を卒業後、神奈川県立こども医療センターや国立成育医療研究センターに勤務し、研鑽を重ねてきた「砧ゆり眼科医院」の中山百合院長は「子どもの目の病気は、治療をせずにいると視力の成長が伸び悩む原因にもなります」と注意を促す。小児眼科のエキスパートであり小児眼科学会賞の受賞歴もある中山院長に、小児の弱視と斜視について、原因や治療法を取材した。 (取材日2015年8月7日)

視力に大きな影響を及ぼす弱視や斜視。子どもの健やかな成長のためにも早期治療を

小児の弱視や斜視は、どのようなきっかけで受診する人が多いですか?

172661 mt 1 q1 1441352671 ▲ヒーリングアートが施された待合室 お子さんの目線が合わなかったり、寝ぼけている時の目の位置がそろっていなかったりと、日常のふとしたことから親御さんが気付いて医院を訪れるケースが多いです。「写真で子どもの顔を見て、あらためて気になった」という方も最近は増えていますね。保育士さんが目線のずれに気付き、治療のきっかけとなることもあります。お子さんが斜視、もしくは弱視かもしれないと感じたら、まだ小さい子どもであっても「検査が可能な年齢になってから受診しよう」と判断せず、医院を訪れてください。斜視の原因が網膜芽細胞腫という悪性腫瘍の場合もありますし、小児眼科は一般眼科とは診察方法や治療に用いる器具なども異なりますので、なるべく早く小児眼科専門の医院で受診することが大切です。

斜視とはどのような病気なのでしょう?

172661 mt 1 q2 1441352671 ▲目の各機能を検査する検査室 斜視とは、片方の目の視線がずれている状態のことをいいます。視線がずれる方向によって症状も異なり、外斜視・内斜視・上斜視・下斜視といった種類に分けられます。その中でも、常に斜視である状態を恒常性、たまにずれる状態を間歇性(かんけつせい)といいます。目が内側に寄ってしまう内斜視には、遠視が主な原因である「(部分)調節性内斜視」のほか、赤ちゃんの時期に発症する「乳児内斜視」もあるので、生まれたばかりのお子さんを持つ方は注意が必要です。また、人間の目は両眼視といって、文字どおり両方の目で見ることによって遠近感をつかみ物を立体的にとらえていますが、斜視になると両眼視の能力が発達しづらくなってしまいます。このように、斜視の影響で物を見る目がどちらか片方に偏ってしまい、使っていない目の視力が正常に成長しなくなる斜視弱視といった症状もあります。

斜視にはどのような治療法がありますか?

172661 mt 1 q3 1441698312 ▲クリニックには珍しい斜視の検査機器 疾患ごとに治療法は違うので一概には言えませんが、両目の見る力が特に下がっていなかったり、たまに小さな角度でずれる程度であったりする場合は、手術治療になることはありません。(部分)調節性内斜視の場合は、適切な遠視度数の眼鏡をかけ、視点の位置を真っ直ぐに調整するといった治療法をとります。一方で、たとえ1歳未満の赤ちゃんであっても、診断が確定した時点で早めに斜視手術を受けたほうが、両目で見る力の発達が良好になる場合もあります。斜視の治療手段はさまざまで、手術をしたほうがいい基準や、手術を受けるべき時期も異なりますので、医師の説明をよく聞いてくださいね。

弱視とはどのような病気か教えてください。

172661 mt 1 q4 1441698312 ▲小児の斜視・弱視治療に造詣の深い中山院長 生まれたばかりの赤ちゃんの視力は、光の明るさがわかる程度といわれています。 その後さまざまなものを見ることで発達し、だいたい5歳くらいで1.0に達するとされています。弱視とは眼鏡やコンタクトレンズを使用しても、すぐに視力が十分に出ない状態のことをいいます。「裸眼での視力は0.1だけど、眼鏡やコンタクトレンズをすれば視力が1.0になる」といった場合は弱視とはいいません。弱視にもいくつか症状があり、例えば片方の目だけ遠視や乱視が強いため視力が発達していない不同視弱視や、両目の強い遠視や乱視が原因で発症する、屈折異常弱視などがあります。また生まれつきの白内障や眼帯の使用などによって、目に光がきちんと入らなくなり、視力が発達せずに発症する形態核遮断弱視といったものもあります。

弱視にはどのような治療方法がありますか?

172661 mt 1 q5 1441698312 ▲検査結果を踏まえ治療計画を立てたり、経過を診る診察室 適切な度数の眼鏡をかけて、視力が伸びてくるのを定期検査で確認していきます。もし左右の視力で差が明らかに生じている場合は、視力が良いほうの目を覆い、弱視になっている目で決められた時間「しっかりと見る」というトレーニングをご自宅で行ってもらいます。これをアイパッチと呼んでいます。アイパッチを1日何時間すべきかは、年齢や弱視の状態によっても変わりますので、必ず医師の指示に従ってください。こうした訓練で、より質の高い見え方を子どもが獲得できるようにしていきます。視力の発達は3歳頃から急激に伸び、およそ8歳半ばで途絶えてしまうことが知られています。弱視治療は小学校の低学年を過ぎると行えなくなってきますので、お子さんの受診や治療を先延ばしにしていると、適切な治療時期を逃してしまうリスクがあります。

ドクターからのメッセージ

中山百合院長

斜視や弱視には子どもの視力や両目で見る機能を伸ばすために、丁寧な診察と成長に応じた定期検査が必要です。見る力の発達は残念ながら8歳半ばを過ぎると止まるといわれています。おかしいなと思ったら、先延ばしにせず小児眼科を受診してください。また私自身、子どもを眼科へ連れていくということが、どんなにお母さんたちにとって不安で大変なことであるかよくわかります。ですが視力検査は学力検査や知能テストとは違うものですし、私たち眼科医が診ているのはお子さんの「見る力」の可能性ですので、一人で頑張ろうとせず気軽に日頃の疑問を相談してください。以前当院に訪れていた4歳のお子さんは、とても強い遠視による弱視だったのですが、治療が進むにつれて明るく、よく笑うようになっていきました。見えるという安心感がこの子を変えたのではないかと私は思っています。自分から「見えない」と言えない子どもだからこそ、私たちはその力を大切に育て、見える喜びを守ってあげたいと思っています。

Access
Access
Access
Access
Access
Access
Access
Access
Access
Access
Access
ドクターズ・ファイルをご活用いただく皆様へ
使い分けよう!「総合病院」と「クリニック」
Promotion landing
外出先でもドクターズ・ファイル
Qr doctor

ドクターズ・ファイルの情報をスマートフォン・携帯からチェック!スマートフォン版では、GPS位置情報を利用した最寄りの病院探しができます。

書籍「頼れるドクター」のご案内

ドクターズ・ファイル特別編集ムック「頼れるドクター」を一覧で紹介します。 →全ラインアップを見る

Odakyu after
Musatama after
Chiyochu after
関連コンテンツ
採用情報『ドクターズ・ファイル』では編集部スタッフを募集しております。 詳細