土井幹夫院長の独自取材記事

香里園レジデンス歯科・矯正歯科

(寝屋川市／香里園駅)

最終更新日：2024/02/20

京阪本線・香里園駅8番出口から徒歩約3分。「香里園レジデンス歯科・矯正歯科」は、駅前のタワーマンション2階にある。院長の土井幹夫先生は、「歯科治療は怖い」というイメージを払拭するため、痛みの少ない治療を心がけるなど、歯科が苦手な人も不安なく通える歯科クリニックをめざしている。患者一人ひとりに合った治療計画を立て、虫歯治療からインプラント治療、マウスピース型装置を用いた矯正までトータルに対応。新しい設備機器も積極的に導入して、より精密な治療、専門性が高い治療に努めている。土井院長に、クリニックの診療姿勢や力を入れている分野、新しい機器を使った治療などについて語ってもらった。

（取材日2023年3月14日）

患者の立場で負担の少ない治療を実践
新しい機器や治療法を積極的に導入
歯科診療の質と技術をいっそう高める

患者の立場で負担の少ない治療を実践

歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。

歯科医師をめざしたのは、実は会社員になってからです。幼い頃から研究者になりたくて、大阪大学大学院工学研究科で有機化学を学び修士課程を修了した後、創薬研究所の研究員として3年間勤務しました。ただ、会社員では人事発令で異動になることもあり、転職を考えるようになりました。当時は医療系の研究に関わっていたので基本的な知識があり、また、兄が内科の医師でした。私自身も中学生の頃から侵襲性歯周病で歯科に通っており、歯科の勉強をしてみたいと考えていたこともあって、愛知学院大学歯学部に編入しました。

現在の場所で開業された理由は？

出身地の大阪で開業したいと考えており、市内から少し離れた郊外で場所を探しました。ちょうどその頃、このタワーマンションが完成したので見学に行くと、天井が高く、開放感のある大きな窓が気に入りました。歯科クリニックは診療台が壁に向かっていることが多いですが、ここならガラス越しに景色を見ながら受診でき、駅からも近くて便利だと考えて現在の場所に決めました。

診療の際に心がけていることを教えてください。

歯科治療には、どうしても「怖い、痛い」というイメージがあります。このため、治療の際はもちろん、事前に麻酔をする際にも、できるだけ痛みに配慮した処置を実践しています。治療する側としては、麻酔は痛みを軽減するためのものなので気兼ねなく行ってしまいますが、実際に自分がされてみると「これは痛いな」と思うこともあり、常に患者さんの立場になって、されたくないことはしないように気をつけています。

患者さんの負担軽減に役立つ機器も導入されているそうですね。

治療を行う際、歯の型採りが必要になることがあります。従来は樹脂製の型採り剤をお口の中に入れていただき、型採り剤が固まるまで5分間ほど待つ必要がありました。この型採りが苦手という方も多いと思います。当院では口腔内スキャナーを導入しており、ネバネバした樹脂を使うことはありません。また、スキャナーは1秒間に6000枚の画像を撮影できるので、短時間でより精密な型採りが可能です。読み取ったデータをもとに矯正のシミュレーションが行え、誤差の少ない矯正装置や歯の詰め物、かぶせ物が作製できるのも強みですね。当院の場合、信頼できる歯科技工所と提携しているので、審美的なご要望に対しても経験を積んだ歯科技工士がしっかりと対応します。

新しい機器や治療法を積極的に導入

インプラント治療に力を入れておられますね。

歯を抜いた際の治療法には「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」の3種類があります。入れ歯は前後の歯を削らなくて済むのがメリットですが、プラスチックなので異物感があり、しっかり噛めないという患者さんが少なくありません。一方、ブリッジは固定されるのでご自身の歯のように使えますが、装着するには前後の歯を削らなければなりません。歯を大きく削って痛みが出てくると、神経を取る治療が必要になることもあります。これらに対してインプラントは、前後の歯を削る必要がなく、ご自身の歯のようにしっかり噛めるので、有用な治療法だと考えています。外科手術が必要で自費診療になるのでためらう方も多いのですが、入れ歯が合わない方やブリッジで痛みを感じる方にとってはメリットのある治療法だと思いますね。

インプラント治療の基本的な進め方を教えてください。

インプラントを埋め込むためには、顎の骨が十分にあることが必要なので、まずは歯科用CTを撮影して、骨の状態を3次元で確認した上でカウンセリングを行います。手術は基本的には虫歯治療と同じ局部麻酔で行い、1～2本であれば所要時間は1時間ほどです。骨の量が不足している患者さんの場合は、口腔外科の先生とのチーム医療で手術を行い、骨を増やすための処置を行います。

インプラント治療のための新しい機器を導入されたそうですね。

3次元画像ナビゲーションシステムを導入しました。整形外科が行う膝の人工関節の手術のような、精密さが必要な治療にも使われているシステムを歯科治療に応用したものです。さらに精密さが要求されるインプラント手術のために開発されたこのシステムを使うと、事前に計画したCT画像上でのインプラント埋入シミュレーションの手術計画に従って、どの箇所に、どの角度で、どれだけの深さまで骨に穴を開けてインプラントを埋め込めば良いのかをナビゲートしてくれます。従来は歯科医師の経験に基づいて行っていたことを、ナビゲーションシステムを用いることでより精密に行えるようになります。これまでも、手術の際にお口にはめるガイドがありました。しかし、ずれてしまうことがあり、装着していると骨を直接目で確認できない、つけ外しに手間がかかるなど問題点がありました。この3次元画像ナビゲーションシステムの導入でこうした悩みも改善されましたね。

4本のインプラントで義歯を支える治療にも対応しておられると聞きました。

4〜6本のインプラントを埋め込み、それで全体の歯を支えるという治療法です。お口の中に残っている歯が少ない、総入れ歯でうまく噛めない、歯は残っているものの歯周病でグラグラしてしっかり噛めないといった方が対象になります。取り外し式の入れ歯と違い、インプラントは顎の骨に直接埋め込むので、ご自身の歯のように噛むことをめざせるのが特徴です。入れ歯特有の違和感や痛みも少ないと思います。また、それまで歯の抜けや乱れがあった歯並びもきれいな状態をめざせるので、見た目にも変化が期待できます。一般的な入れ歯治療と比べて費用はかかりますが、この先、しっかり噛んで食べられたり毎日の食事をおいしく楽しめたりすることが期待できると考えると、検討する価値はあるのではないでしょうか。

歯科診療の質と技術をいっそう高める

マウスピース型装置を用いた矯正のメリットとは？

矯正については、実は私もマウスピース型装置を用いた矯正をした経験があります。歯並びを整えたいと思っても「今さらワイヤーはつけたくない」という方や、ワイヤー式の装置をつけることがコンプレックスになってしまう方もいらっしゃいます。近年はマウスピース型装置を用いた矯正の認知度も少しずつ上がってきましたが、まだまだ従来のワイヤー式矯正しか知らない方も多いので、積極的に広めていきたいと考えています。患者さんが幸せな生活を送るためには、お口の機能改善はもちろん、見た目も大切ですからね。

歯並びが整えられると歯そのものもきれいにしたくなりますね。

矯正で歯並びを整えた上で、さらに美しい口元にするために、希望によりセラミックのかぶせ物を作製する場合もあります。こうした治療の際は、もう少し丸い形が良いなど、患者さんごとの好みに合わせて、納得いただけるように調整します。ただし、かぶせ物が仕上がってから、患者さんの好みに従って修正することは難しいので、仮歯の段階で完成形に近い状態にまで仕上げて、歯科技工士にその仮歯を見本にかぶせ物を作成してもらいます。また、かぶせ物をつけるために歯を削ってしまうと、理想的な状態にできない、神経を取らなければいけないといったリスクも考えられるので、一人ひとりの患者さんに合わせた治療計画をトータルに提案します。

読者にメッセージをお願いします。

開院から10年近くが経過して、おかげさまで多くの患者さんに来院いただけるようになりました。私自身の目標は、クリニックをどんどん拡大していくことではなく、歯科診療の質や技術をさらに高めていくことです。広く浅く診るよりも、より深く専門的に診られるスキルを強化したいと考えています。今後も研鑽に励むのはもちろん、患者さんのメリットにつながる設備や機器を積極的に導入していくつもりです。