中西勇一院長の独自取材記事

中西歯科医院

(福岡市中央区／天神駅)

最終更新日：2021/10/12

「中西歯科医院」は天神にそびえるアクロス福岡の4階にある。天神地下街から直結したアクセスの良いこの場所に、中西勇一院長が開院。以来、20年以上多くの人々に親しまれてきた。診療内容は一般的な歯科診療をはじめ、口腔外科、インプラント治療、歯周病治療、入れ歯治療、さらに審美歯科など幅広く、口の中を総合的に診てくれるのが特徴。その充実ぶりからも都会の中心地にしっかりと根づいている理由が感じ取れる。常に患者の立場になり、それぞれの状況に合わせた効率の良い治療を心がけてきたという中西院長。数ある中でも大きな強みとなるのは、多くの症例を診てきた口腔外科での経験から重篤な疾患も早期発見できること。そんな熟練した技術と知識を持つ中西院長に、口の中にまつわるさまざまな話を聞いた。

（取材日2020年6月2日）

口腔外科の観点から重篤な疾患も発見していくのが強み
近年は口の中に対する意識の高い患者が増加
「一人の患者を長く診ていきたい」という変わらぬ思い

口腔外科の観点から重篤な疾患も発見していくのが強み

小さな頃から歯科医師になりたいと思われていましたか？

思っていましたね。祖父の代から歯科医師をやっていましたので、なるのが当然というような感覚で、まったく違和感なく歯科医師の道に進みました。不思議なことに、ほかのことをやってみたいと思うこともなかったんですよ。実はこの場所に開院したのは、同じ天神で父が歯科医院をやっていたというのもあります。私が父のところで勤務していた時も、この近辺で働いている患者さんが多かったですし、同じような層の方に治療をしたいと思ったのがここに決めた理由ですね。交通の便も良いですし、地下街から直結していますので、雨の日も傘を差さずに来ていただけるのも良い点だと思います。

充実した診療内容ですが、得意分野は口腔外科とお聞きしました。

ええ。日本歯科大学を卒業したと同時に、佐賀医科大学（現・佐賀大学医学部）の口腔外科に4年ほど勤務しまして、その後も2年くらい週1回のペースで通っていました。口腔外科は一般の歯科開業医ができる領域ではないので、その分野もやってみたいと思いましてね。外科手術になりますし、通常ではできないような疾患も治療できますから、その点は強みでもあります。大学ではがんの患者さんたちも診ていたので、そういった疾患も口の中を診るとわかります。一般的な治療で来られた際にたまたま異常を見つけて、詳しい検査を受けてもらうために紹介状を書いたら、がんだったというケースもいくつかありました。自覚症状がない早期のうちに発見でき、非常に感謝されたこともありますので、そういう点も口腔外科での診療経験が強みになっていると思います。

歯周病についてもお聞かせください。

歯周病というのは完治が難しいので、長く付き合っていかないといけない病気なんですね。上手にコントロールして、無理のないように続けていくというのが大切になります。具体的には、まず歯茎の検査をし、必要に応じてエックス線写真を撮ります。そして最終的なゴールをめざすための計画を立てて、スタッフと連携して治療を行っていくという流れになります。歯周病は虫歯の治療で来られた際に見つかる場合もありますし、症状が出て来られる方もいます。自覚症状が出ている場合は進行した状態ですから、そうなる前に歯科医院で定期的にメンテナンスを行うことが大事です。当院では基本的に毎回同じ歯科衛生士が担当していますので、患者さんの人柄や口の中の状態も把握した上でスムーズに進めることができます。そしてコミュニケーションも大事ですから、そういう点でも担当制のメリットは大きいと思いますね。

近年は口の中に対する意識の高い患者が増加

お子さんから高齢の方まで、それぞれの年代の患者さんに心がけておられることは何でしょう。

小さなお子さんに関しては無理に治療しないということですね。嫌な思いをさせてしまうと、それがトラウマになってしまいますから。成人の患者さんに関しては、近くでお勤めされている方などは仕事の合間に来れられることが多々ありますので、手早く効率良く治療を行うことを心がけています。ここはオフィス街というのもあって、高齢の患者さんの割合は少ないのですが、高齢の方が来られた際は持病などの有無も含め、しっかりと問診をした上でその方に応じた無理のない治療を行うことを大切にしていますね。

インプラント治療もされていますが、需要についてはいかがですか？

需要はあるのですが、インプラントは骨の状態なども見て判断する必要がありますから、まず歯科用CTで骨の状態を確認します。年齢は40代から60代の方が多く、数本歯が欠損しているけど、入れ歯はしたくないといったような場合が多いですね。ただ、必ずしもインプラントで、ということではなく、患者さんの意向も踏まえた選択肢をすべてお伝えします。欠損部を補うのは見た目を良くするだけではなくて、ほかの歯を守るための予防という役割もあるんですよ。例えば真ん中の歯がなかったら、奥の歯が倒れてくることにもつながりますから。ですので、欠損部はインプラントもそうですし、義歯ででもブリッジででも、補ってあげることが大事なんですね。それから、入れ歯の治療で来られる方もおられますが、入れ歯に関しては歯をかぶせたりするのと違い、調整をどれだけうまくやれるかが重要になってきます。

患者さんの来院理由で多いものは何ですか？

虫歯治療や、歯のクリーニングですね。場所柄もあると思いますが、皆さん口の中に対する意識の高い方が多いと思います。虫歯にしても状態の良い段階で来られる方が多いですね。そういったことからも、今は昔と比べるとデンタルIQの高い方が非常に増えたと思います。ただ噛めればいい、ただ白ければいいというのではなくて、見た目に関する要望が増えてきていますね。それは審美歯科にも言えることで、「より自然に」というのが求められていますからね。そのために、窓の外からたくさん自然光が入ってくるように診察台の向きも合わせて、微妙な調整をしながら外で見ても自然な色味の歯になるように心がけています。

「一人の患者を長く診ていきたい」という変わらぬ思い

妊婦や乳幼児の歯科検診もケアの一つですね。また、便利なインターネット予約の利用者も多いのでは？

当院にも妊婦の方が検診で来られますね。乳幼児の健診に関しては、私が保健所に出向いています。今は虫歯のある子がいません。それは、定期的にフッ素を塗りに行かれたり、お子さんの歯のメンテナンスに関して意識の高いお母さんが多いのが理由だと思います。ですので小学生も虫歯のある子は少ないですね。学校でフッ素を取り入れた指導をしているところもありますし、そのようなことも影響していると思います。インターネット予約に関しては3～4年前から導入しているのですが、やはり利用される方が多いです。空き状況もわかりますし、診療時間外でも予約できますからね。ネット社会ですので、今後はそういう方向にもより力を入れていきたいと思っています。

読者に向けてアドバイスをお願いします。

もし口の中にトラブルがあれば、簡単な治療で済むうちにできるだけ早く受診してほしいということと、年に2回はメンテナンスをしに来ていただきたいということですね。歯周病は糖尿病や血栓にもつながってきますので、早めの治療が重要です。しっかり噛める歯を維持することは脳を活性化させ、認知症予防にもなりますからね。今のお子さんは固い物を噛まなくなったことから顎が小さくなっていますので、しっかり噛むことを大事にしていただきたいと思います。あと、新型コロナウイルスは舌で菌が増殖するともいわれていますので、舌磨きも大事です。つまり、口の中を整えることがさまざまな病気の予防になるということをお伝えしたいですね。

最後に、院長ご自身が健康面で気をつけられていることや、今後の目標もお聞かせください。

もともと健康なのですが、毎日家から20分くらい歩いて通勤しています。やはり自分が健康でないと患者さんを診ることができませんからね。開院当初も今も変わらず目標に掲げていることは「一人の方を長く診ていきたい」ということ。25年もやっていると、開院当初は小さかったお子さんも今は立派な大人になっているわけですよね。そして「子どもが生まれました」と、見せに来てくれたりすることもあるんですよ。だから、多くの世代を長く診るためには健康であることもそうですし、新しい技術も出てきますので勉強することも必要です。ですので、この先も現状に満足することはないでしょうね。常に勉強し続けることが目標です。