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問題行動を抑えて長所を伸ばす
発達障害への対応と治療

南浦和駅前 町田クリニック

(さいたま市南区/南浦和駅)

最終更新日:2020/09/18

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  • 保険診療

「10人に1人」「クラスに1人」いるといわれるほど身近であるにもかかわらず、原因はまだよくわかっていない発達障害。以前は、病気や育て方のせいと誤解されていたが、現在は生まれつきの「個性」に近いものということがわかってきた。その個性は、社会生活を送る上で問題行動として他者に映ることが多く、本人は生きにくさを感じてしまい、自信をなくしたり自己肯定感が低くなってしまうことも。しかし逆に、適切な対応によって問題行動の頻度やレベルを下げれば、社会への適応が難しくなくなることも。その対応や治療とはどういったものなのか。大人から子どもまで発達障害で困っている多くの人をサポートしてきた「南浦和駅前 町田クリニック」の町田なな子院長に話を聞いた。 (取材日2019年11月16日)

検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!

Q発達障害にはどのようなものがありますか?
A

代表的なのはASD(自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群)やADHD(注意欠陥・多動性障害)、LD(学習障害)です。ASDは他人とのコミュニケーションがうまくできない、人に共感できない、こだわりが強いなどの特性があります。場の空気を読まずに発言して周囲から批判されるなどというエピソードが典型的。ADHDは、落ち着きがない、注意が持続しにくい、衝動性が高いなど。忘れ物が多い、学校で授業中に席を立って歩き回ってしまうなどの問題行動がよく知られています。LDは、知的遅れはみられないのに読解、算数、書き取りなど特定の勉強が極端に苦手という特性で、苦手なものが複数重なっている場合もあります。

Qこれらの障害にどのように取り組むのでしょう?
A

発達障害は、年齢とともに落ち着いてくることはありますが、根本から治すことはできません。生まれ持った特性であり性格のようなものなので、困っていることへの対応が治療の中心になります。症状を抑える薬の服用をはじめ、症状が出ても困らないよう環境を整える、本人ができるだけ適切に対応できるようトレーニングを受ける、などです。治せないと聞くとがっかりされるかもしれませんが、例えば薬で症状を軽減することで、人との関係性や学習の効果など、メリットが期待できるようになるかもしれません。薬をやめて困りごとがまた出ても、学習効果は残るわけですから、決して無駄にはなりませんよ。

Qこちらで行っている薬物療法について教えてください。
A

ADHDの薬物療法はよく知られていて、現在は3種類の薬が日本で認可されています。それぞれ特徴があり、患者さんの持病などにより使い分けられています。大人の場合、どうしても落ち着かないと希望されれば精神安定剤を、うつ症状が合併していれば抗うつ薬をそれぞれ少量プラスすることもあります。うつ症状やいらいらが強い、不眠があるというような時は漢方を処方する場合もあります。発達障害では薬物療法が適している場合も多いため、そうした症例で患者さんが希望されれば副作用の説明をしてから処方する、というのが当院のスタンスです。

検診・治療START!ステップで紹介します

1問診票への記入

まず定型の問診票に書かれた質問事項に回答。主訴や既往歴のほか、「発達の問題があると言われたことがあるかどうか」「不登校や引きこもりの経験はあるか」「休職の経験はあるか」など記載された各項目を埋め、その内容を基に看護師が問診を行う。子どもの場合は、同伴する保護者からも話を聞き出して内容を補完する。発達障害の可能性があれば、自己記入式のスクリーニングテストへと進む。

2検査から診断

エピソード聴取のほか、場合によっては数種類の自己記入式スクリーニングテスト、心理士と1対1で行う知能および発達に関する検査などを行うことも。ポイントはエピソード聴取で、出生時から就学前までの著明な出来事、学生時代の適応状況、友人との関わり、成績、注意集中力や感情制御、生活リズムの問題がなかったかどうか。社会人では人間関係や仕事のパフォーマンスなどを聞きとり、ほかのテストと総合して診断をつける。

3治療法を決めて、治療を開始

患者ごとのエピソードと困りごとを聴取し、本人・家族・同僚・上司・先生などの「誰が」「どのように」困っているか、それらの人は問題意識を持っているかを明らかにし、希望に添った治療法を探していく。同院での主な治療法は薬物療法だが、発達障害なのかを知りたいので診断だけつけてほしい、薬以外の方法で改善していきたいなどの場合は希望に合わせて対応。療育を希望する患者には、近隣の適切な施設を紹介してくれる。

4生活リズムを整える指導

発達障害があると、朝起きられない、夜眠れないなどで生活リズムが乱れ、ひどい場合は昼夜逆転をきっかけに不登校になってしまうことも少なくない。それを防ぐため、夜にスマートフォンを触らない、何時から何時まで寝たかを毎日記録するなど、医師による生活指導を受ける。ただし、中には単純な生活リズムの乱れではなく、病的な睡眠障害による睡眠不足というケースもまれにあるので、その場合は専門の医療機関と連携を図る。

5治療のモチベーションを高めるアドバイス

短所を指摘しても、発達障害の人は苦手を克服するのがなかなか難しいもの。繰り返しの指摘で自信をなくし「変わらなければ」と思っていることが多いので、逆に長所を見つけてそこを伸ばしていくように促すことが治療の継続にとって重要。できなかったことができるようになった、治療を続けられていることを認めるなど成功体験を積み重ね、「頑張っているね」と励ますことで治療継続へのモチベーションへとつなげていく。

ドクターからのメッセージ

町田 なな子院長

近年発達障害についてはマスコミでも繰り返し取り上げられ、患者さんが受診するハードルも下がりました。どこか人と違うのではないかと気になれば、あまり構えずにクリニックで相談してみてもいいかなと考える人が増えているのでしょう。実際、当院にも気軽に来院される方や、別件で受診し院内のパンフレットを読んで「これ、自分に当てはまるんですが」と相談されるケースも増えました。お子さんの場合、早期発見・早期対応によって将来的な社会適応が良いというデータもあるので、特に早めの受診をお勧めします。治療を希望せず、診断をつけて「こういう気質の子なんだ」と親御さんが受容するだけでもお子さんの気持ちは楽になると思います。

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