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根木 陽一郎 院長の独自取材記事

ねぎ整形外科・リウマチクリニック

(枚方市/牧野駅)

最終更新日:2022/06/09

根木陽一郎院長 ねぎ整形外科・リウマチクリニック main

枚方市を走る幹線道路、枚方高槻線沿いに開院する「ねぎ整形外科・リウマチクリニック」。15台分の専用駐車場を備えた医療モールの一角にあり、地域の患者はもちろん、遠方から通ってくる患者も多いクリニック。「一年中、半袖のユニフォームで走り回っています」と笑う院長の根木陽一郎先生は、大学病院や地域の基幹病院で数多くの手術や症例に携わってきた、関節リウマチと骨粗しょう症治療の専門家。自身の診療のみならず、理学療法士、作業療法士も常勤させ、質の高いリハビリテーションにもこだわっている。患者の体の痛みに寄り添う根木院長に、診療のポリシーから地域医療にかける思いまでをじっくりと聞いた。

(取材日2022年2月15日)

一般的な整形外科疾患治療からリウマチの治療まで

こちらに開業されたきっかけ、そして地域の特徴を教えていただけますか?

根木陽一郎院長 ねぎ整形外科・リウマチクリニック1

ここは自宅から近いんですよ。勤務医の頃、通勤に時間がかかり大変でしたので、開業する際には自宅から近い場所を、と考えて場所を選びました。クリニックは2014年開業ですので今年で8年目になりますが、枚方での在住歴は17年ほどになります。この辺りは農家の方も多いんですよ。そのため古くから住んでおられるご年配の方、そして新興住宅地に来られた若い方の両世代がいらっしゃいます。ですから当院に来院される患者さんの年齢層も幅広く、その症状も肩凝り、腰痛、膝の痛みなどさまざまです。枚方は医療が充実している地域で、関西医科大学附属病院、星ヶ丘医療センター、市立ひらかた病院、佐藤病院など、大きな病院がたくさんあります。そういった近隣病院との連携にも力を入れています。

看板に整形外科・リウマチクリニックと書かれていますね。リウマチ疾患が専門だとか。

関節リウマチは原因がまだ解明されていない疾患ですが、ここ数年で劇的に治療法が変わりました。昔はステロイドなどで痛みを抑えるための方法しかとれませんでしたが、今では寛解をめざせる疾患になったんです。これまで他の薬で効果がなかった患者さんも、コントロールがめざせる可能性が広がってきています。リウマチは早期に治療を始めることが大切です。早めに診断、早めに治療することで骨の変形を防ぐ手立てを講じることができます。私はリウマチ治療が変わっていく時期に勤務医時代を過ごしてきました。これまで培ってきた経験、そして治療法をクリニックにも生かしたいと考えています。

クリニックを訪れるさまざまな患者さんに対して、診療の際に心がけておられることはありますか?

根木陽一郎院長 ねぎ整形外科・リウマチクリニック2

患者さんの話をよく聞く、ということです。一口に膝が痛いと言っても、痛みで歩くのに困っているのか、膝を曲げることができなくて困っているのか。痛みを止めるだけなら投薬で済みますが、膝を曲げられるようにすることが目標であればリハビリテーションが必要ですし、体重をかけることで痛みが出るのであれば靴の中敷きを作ることで痛みの緩和を図ることも可能です。患者さんの目標によってアプローチが変わってくるので、より詳しく質問して患者さんの話を引き出すように心がけています。時折、内科的なことなども質問されることがあります。ちょっとした体の変調やご家族のことで相談されるということは、患者さんにとって話しやすく、かかりつけ医として信頼してくださっているということかな、とうれしく思いますね。

機器を備え、患者に寄り添った新しい治療法を

骨粗しょう症治療のために、骨密度測定のできる全身型の測定器を導入されているとお聞きしました。

根木陽一郎院長 ねぎ整形外科・リウマチクリニック3

二重エネルギーエックス線吸収測定法、DEXA(デキサ)法と呼ばれるもので、腰椎並びに大腿骨の骨密度を測ることのできる全身型の測定器です。骨密度は最近ではドラッグストアなどでも測ることができますが、超音波などによる骨量測定はDEXAに比べるとやや感度が低いんです。骨粗しょう症は長期の治療を必要とする疾患です。短期間の投薬で終わるというものではなく、何年もかけて治療していく疾患なんです。そこで大切になるのは治療中の効果判定で、半年に一度検査をして、結果につながっていれば今の治療法を続けることになりますし、そうでなければ別の治療法に変えることになります。患者さんに合った治療法を考える上でも、患者さんのモチベーションを上げる意味でも、精密な骨密度測定が重要なんです。

リハビリテーションにも力を入れておられるそうですね。

設計時には「このぐらいの広さがあれば十分」と言われていたリハビリテーション室を、もっと広くしておけば良かったと思うほど、患者さんにお越しいただいています。当院では、けん引や低周波治療機器を用いる物理療法はもちろんですが、運動療法にも力を入れており、現在3人の理学療法士と作業療法士が活躍してくれています。腰の疾患ならこの理学療法士、手や肘などの上肢は作業療法士、などそれぞれに得意分野を持っています。基本的なことは任せながら治療の進捗に合わせた個別カンファレンスや、月1回の勉強会で連携する体制をとっています。勉強会では私を含めた5人それぞれが、自分の興味のある領域についてまとめて発表を行います。中にはプレゼンテーションの得意なスタッフもいて、和気あいあいと楽しい雰囲気です。

新しい機器の導入にも積極的だと伺いました。

根木陽一郎院長 ねぎ整形外科・リウマチクリニック4

治療法についてもそうですが、私は新しいものに興味を持つようにしていて、当院規模のクリニックでは導入しているところは少ないような機器も、たくさんあります。導入の際には、スタッフたちと相談して、お互いに「良い」と判断すれば取り入れます。最近導入したのは、テニス肘や足底筋膜炎などの付着部炎に対して使用できる拡散型衝撃波治療器です。テニス肘というのは、上腕骨の外側に指や手首を伸ばす腱がついて、そこが引っ張られる時に痛みが生じます。足底筋膜炎はかかとについた腱が、炎症を起こすことで痛みが出て、歩くのもつらくなる人がいらっしゃいます。ストレッチに難渋するケースも多く、この拡散する衝撃波が症状改善に期待できます。多くの方は手術することをためらわれますので、手術以外の選択肢の一つだと思います。

「病診連携」で今後も地域医療の貢献をめざす

整形外科の医師になろうと思われたきっかけは何でしたか?

根木陽一郎院長 ねぎ整形外科・リウマチクリニック5

父が医療系の研究者だったので、子どもの頃から医療というものに接する機会が多かったんです。それから高校の頃バイオサイエンスがはやっていたこともあり、大学は医学部か農学部へ進もうと考えていました。医学部に決めたのは、実際に自分の手で病気で困っている人を助ける仕事がしたいと思ったことです。自分自身がラグビーをやっていたこともあり、当初はスポーツ整形に関心があり、医療でプロアスリートの活躍の手助けをする医師をめざしていたんです。しかし大学病院で勤務をしていた頃、腫瘍やリウマチなど違う分野にも興味を持ちました。特にリウマチに関しては、ここ数十年で劇的に治療法が変わり、そういった変遷の時代とともに私自身も育てられた感があります。今では関節リウマチ、骨粗しょう症の治療は私のライフワークとなっています。

今後のビジョンをお聞かせ願います。

国の医療保険制度の問題ですが、リハビリテーションを長く続けたいという患者さんが多くいらっしゃるにもかかわらず、クリニックでは高齢者で介護申請している方の長期リハビリができないんです。そこで150日のリハビリを越えた患者さんのための受け皿として、当院でも通所リハビリテーションをしています。制度も頻繁に変わりますので、適宜柔軟に対応していくことが必要だと思います。高齢化社会のニーズに向けて、今後新しく通所リハビリのできる場所を提供したいという思いはあります。そのためにはスタッフを増員するなど課題をクリアしていかなければなりませんね。

最後に読者へメッセージをお願いいたします。

根木陽一郎院長 ねぎ整形外科・リウマチクリニック6

どんな病気でも早期診断、早期治療が大切です。何か困ったことがあれば、専門の医療機関を受診してください。女性に多い骨粗しょう症に関しては、閉経に近い年齢の方は一度検査を受けられることをお勧めします。また当院では手術を希望されない方には別の方法など、一人ひとりに適した治療方法をご提案させていただいていますので、気軽にご相談ください。近隣の医療機関と連携し、皆で輪になって地域の方を支えられる、地域に愛されるクリニックでありたいと思っています。

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