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森 直人 院長の独自取材記事

森内科クリニック

(吹田市/千里山駅)

最終更新日:2020/04/01

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起伏の多い千里山の閑静な住宅街のクリニックモール内にある「森内科クリニック」。院長の森直人先生がめざすのは、地域に密着したかかりつけ医だ。診療ではとりわけ糖尿病や高血圧、高脂血症といった生活習慣病の予防や啓発活動に力点を置いた診療を行っている。インタビューでは、生活習慣病の予防や、クリニックでの診療の合間を縫って取り組んでいる訪問診療について詳しく聞いた。地域に密着したクリニックであり続けたいと考えている森先生の真摯な姿勢が垣間見える取材だった。
(取材日2017年10月2日)

生活習慣病の予防に力を注ぎたい

医師として心がけていることは何ですか?

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日々、患者さんを診ているといろいろな相談をされるんですね。「高血圧って言われたけど、何から気を付けたらいいんでしょう」「糖尿病とどう付き合っていくのが賢い?」「食生活を改善しなくちゃいけないのはわかってるけれど……」などなど。だから、生活習慣病に関する相談は、私たちのように地域に密着したホームドクターにとって最大の課題といってもいいかもしれません。そこで私が気を付けているのは、患者さんと同じ目線でいることです。私自身、大学病院の医局にいましたし、専門知識もあります。でも地域のホームドクターにとって大事なのは、患者さんが相談を持ちかけやすい医師でいることなんです。「あの先生、怖い」と思うと、患者さんだって相談しにくくなりますからね。

どのような診療でこられる患者さんが多いですか?

生活習慣病で来られる患者さんが特に多いですね。中でも糖尿病の方も多くいらっしゃるのですが、糖尿病は三大合併症といわれる「糖尿病腎症」や「糖尿病網膜症」「糖尿病神経障害」を引き起こします。当院は、インスリン自己注射の導入を、入院できない人のために外来で導入していますのでなにかあれば一度ご相談ください。また、禁煙治療で来られる方も最近はいらっしゃいます。喫煙はがんの発生確率を高めるだけでなく、心筋梗塞や脳梗塞、動脈硬化による疾患との関連も深いんですよ。禁煙治療は、ニコチン依存症の影響もあって、自分の意志だけではどうにもならないことも多いんです。だから、薬の使用も含めて、しっかりサポートしていきたいですね。

では、クリニックでは生活習慣病予防にどう取り組んでいますか?

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生活習慣病の代表的なものといえば「高血圧」「糖尿病」「高脂血症」ですよね。高血圧は脳梗塞の最も大きな原因といわれております。また、高脂血症は動脈硬化を誘発します。そして糖尿病は全身の血液が悪くなり、合併症を引き起こしやすくなります。いずれも検査の数値で兆候をとらえることができますが、具体的に体の不調や痛みとして実感しづらいのが難点。実感しづらいのに生活を改善していくのはすごく苦しいと思います。ですから、生活改善の指導だけでなく、薬も用いながら治療を続けていくのがベターだと考えています。糖尿病と診断されてしまったら、治療はインスリン注射しかないというのが一般的なイメージだと思いますが、症状によっては内服薬でもいいものがあるんですよ。

さまざまな患者とふれあう中で、診療のスキルを磨く

先生が医師になったきっかけは何だったのですか?

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小学2年生の時に急性腎炎で2ヵ月入院した時のことです。そこで見た医療の現場に影響を受け、後に医師を志すきっかけとなりました。香川医科大学(現・香川大学医学部)を卒業してからは、腎臓の疾患や糖尿病やリウマチ、膠原病などが総合的に学べる大阪市立大学の代謝内分泌病態内科学・腎臓病態内科学教室を選びました。しかしそこで芽生えたのは、腎臓疾患の専門家になるというよりも幅広い分野で経験を積みたいという強い思いでした。だから、医局を経て、いろいろな病院で臨床経験を積めた事は僕にとって大きな糧となりました。そこで培われた多彩な経験がこの吹田市で開業してから5年余りの間、とても役に立っていると思います。

多彩な経験とは、具体的にどのような経験だったのでしょう。

30代の頃に勤務していた天神橋筋にある商店街近くの総合病院では、内科でいらっしゃる外来患者さんのほか、夜間に不調を起こしたり、ケガをしたりして運び込まれて来る救急患者さんも診るハードな仕事環境でした。高齢者が多い地域ということもあって、倒れて運び込まれて来る患者さんも脳卒中の方が多かったんですね。その原因の多くはやはり高血圧や高脂血症、糖尿病。この経験から、開業医として生活習慣病の予防に力を注ごうという姿勢が生まれたんだと思います。その総合病院ではいろいろな患者さんとしっかりコミュニケーションを取るスキルも学びました。下町なのでいろんな患者さんがいらっしゃいましたから。ここで一緒に働いていた仲間はみんな開業医として独立。今でも折に触れ連絡を取り合う頼りになる仲間です。

医師経験の中で印象に残ったエピソードは?

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内科の患者さんで、よく呼吸器系の発作を起こして運び込まれてくる男性がいたんですね。屋台の鉄板でもくもくと煙を上げながらお好み焼きを焼くのがその男性の仕事でした。仕事でも煙を吸い込むし、タバコもよく吸う方だったんです。呼吸器系の炎症を起こしているのは火を見るより明らかでした。長い付き合いの中で、私も幾度となくタバコをやめようよと説得していたんですけど、なかなかやめてくれない。それがある日「もうタバコやめたわ」と言うんです。本当にきっぱりと禁煙したようでした。すると、あれだけ起こしていた発作も起きなくなったんですよ。もちろん、私の言葉だけでタバコをやめたわけではないと思います。でもうれしい経験でした。

地域を見守るドクターとしての責任とは

診療の合間を縫って訪問診療にも出向いているそうですね。

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勤務医として、開業医としても経験を積んできた中でめざしているのは地域を見守るかかりつけ医ですね。地域の皆さんに頼りにしていただくために訪問診療に力を入れています。当院は、24時間患者さんの診療提供が可能な体制を確保している在宅療養支援診療所です。更にがんの痛みを和らげるための緩和ケア研修会を修了しています。体が不自由だったり、足が弱くなったりして通院が難しい患者さんの自宅で診療をしています。緊急時に呼ばれる往診とは違い、1週間に1回とか、隔週でとか日程を決めて、計画的に訪問するんですが、私の場合クリニックでの診察もあるので、スケジュール管理が難しいんです。午前と午後の診療の間に自転車で、また遠方ならクリニックでの診療が終わってから夜間や休診日に車で行きます。体力的に厳しいんですが、私の訪問を心待ちにしてくださる患者さんがいるということはうれしいですね。

訪問診療のほか、重視している分野はありますか?

訪問診療とともに重視しているのが看取りです。「死」は、現代社会ではタブー視される側面が大きいのですが、人間が生きていく上で絶対避けられないことですよね。患者さんから「先生に死に水を取ってほしい」と頼まれることはホームドクターとして本望ではないでしょうか。患者さんにとっても今まで長年付き合いのある医師に看取ってもらうほうがいいはず。訪問診療を続けていることで、必然的にこの課題にたどり着きました。在宅での看取りなら、家族と過ごす時間もより充実したものになりますからね。その意味でもこの課題には真摯に向き合っていきたいと考えています。

将来の展望についてお聞かせください。

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将来的に力を入れていきたいと考えているのが「スマホ通院」。自宅にいながらスマートフォンやパソコンを使って診療が受けられる「遠隔診療」ですね。生活習慣病に最も気を付けないといけないのが、生活が不規則になりがちなオフィスワーカー。その中には日々の仕事で病院にいく時間が取れないという方も多いと思います。そういった方々の健康相談に積極的に応じるためにもさまざまなツールを柔軟に使っていきたいですね。このエリアで開業して5年以上になりますから、地域の保健所などで開催される健康セミナーで、お話をさせていただくことも多くなってきました。訪問診療やスマホ通院など多角的に診療し、なおかつ健康セミナーで生活習慣病について考えていただくことで、地域の方々の健康に寄与していきたいと考えています。

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