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諸冨 夏子 院長の独自取材記事

あかねクリニック

(江東区/東大島駅)

最終更新日:2021/04/20

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地域の人が住み慣れた場所で長く幸せに暮らし続けられるよう、高齢者医療を中心に地域に根差した医療を提供する「あかねクリニック」。医療・介護・福祉・リハビリテーションを備えた複合施設「メディカルケアタウン東大島」の中にあり、入居者の健康管理のほか、高血圧・糖尿病・高脂血症などの生活習慣病や骨粗しょう症など一般診療、検診、訪問診療まで広く担う。院長の諸冨夏子先生は、山口県の下関市にある診療所の院長を経て、同院に着任。病診連携、在宅医療との連携を大切に、地域密着型の診療を行ってきた経験を生かして、「町のかかりつけ医」として地域の人の暮らしを支えている。「今を生きることの一助となりたい」と話す諸冨院長に、地域医療への思いや、クリニックの強み・特徴について聞いた。
(取材日2021年4月1日)

医療と介護がともにある、施設の中のクリニック

まずは、クリニックの位置づけから教えていただけますか?

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ここ「メディカルケアタウン東大島」は、山口県下関市を中心に昭和病院や診療所群による地域医療・介護サービスを展開する特定医療法人会茜会と、社会福祉法人暁会によって2014年4月に開設された医療福祉複合施設です。そして当クリニックは、この施設内にある特別養護老人ホームをはじめ、短期入所生活介護(ショートステイ)、介護専用型ケアハウス、都市型軽費老人ホームに入居する皆さんと、地域の皆さんの一般診療・訪問診療・健康管理を担う場として設置されました。メディカルケアタウン東大島は北棟と南棟があり、当クリニックがあるのは北棟の入り口を入ってすぐ右側。奥には地域の方たちが利用できるキッズコーナーや地域交流サロン、健康増進スペースがあります。

では、毎日たくさんの地域の人でにぎわっているのですね。

新型コロナウイルス感染症の影響で制限は設けましたが、普段は地域の人が気軽に訪れ、運動機能を保つためにトレーニングに励んだり、イベントやおしゃべりを楽しんだりする活気ある施設なんですよ。当クリニックは、そうして訪れる方のちょっとした不調を診たり、生活習慣病の管理をしたりしながら、できるだけ長く健康にこの土地で暮らし続けたいと願う方に寄り添う診療を行っています。開設した年は、東日本大震災から3年がたち、当時の反省をもとに医療と介護の連携の重要性が見直されていた時期でした。そうした連携に開業当初から着手し、診療を行ってまいりました。これからも変わらず、クリニックの患者さん、そして施設の利用者さんが「今を生きる」ための一助になれるよう尽力していきたいと思っています。

患者層は、やはり高齢の方が中心ですか?

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はい、基本的には高齢者医療が中心です。高齢になるとさまざまな疾患が併存している方が多いので、落ち着いている間は全人的にその方を診て暮らしをサポートし、いずれかの疾病でより専門的な治療が必要と判断した際は適切な医療機関へ速やかにご案内しています。この辺りには、江東病院、東京城東病院、寿康会病院、東京都立墨東病院など、幅広い診療科がそろう総合病院がありますから、入院や手術が必要であれば紹介する、手術が終わって日常に戻る際は受け入れてバックアップする病診連携が重要ですね。

受診したくてもできない人のために、訪問診療に注力

在宅医療にも力を入れていらっしゃると聞きました。

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長く通院していたけれど、年を重ねて通院したくてもできなくなる方や、老老介護や独居でそもそも通院が難しい方など、必要な医療を受けられない方が多くいらっしゃいます。こうした皆さんが地域で暮らし続けていくには、自宅にいながらにしてご自身に合った医療を受けられる在宅医療が欠かせません。訪問してご自宅を拝見することで初めてわかることもたくさんありますから、クリニックの診療を別の先生にお任せできる日は、積極的に患者さんのお宅を訪問しています。患者さんご本人のつらさや苦しみはもちろん、ご家族の不安に寄り添うこと、介護に関する適切な助言と指導も在宅医療の重要な役割の一つですね。

訪問して初めてわかることとは?

大きく2つあります。第一に、その方とご家族が暮らしている環境です。玄関やお風呂場にこのくらいの段差があるんだなとか、階段が意外と急だなとか、そのあたりはご自宅を実際に拝見してみないとわかりません。危険を感じる箇所については、ご家族をはじめ患者さんの療養生活を支える方にお伝えし、気をつけて介護をするなり、手直しをするなりしてケガを防ぎます。看護と介護の両方の観点から患者さんとその暮らしを支えていくために、必要な材料をそろえていくイメージですね。第二に、患者さんが積み重ねてきた長い人生の一端から見える、その方が大事にしているものです。病院という非日常ではなく、自宅という日常の延長に医師が介入することで、リラックスしていろいろな思い出を話してくださる方は多いんですよ。

そうした会話が診療の助けになることもあるのでしょうね。

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はい。患者さんがお好きな食べ物に、幼い頃のつらい思い出がひもづいていることに気づいたり、生きていく上で何を大切にされているかを理解したりすることで、患者さんとの向き合い方が変わってきます。例えば、健康のためには減らしていただくのが望ましい食べ物も、それを断つことが思い出を否定するようでつらいこともある。長く、より良い生を過ごしてもらうには、ご本人にとって苦痛が少ないご提案をしていく必要がありますから、お好きな食べ物は少しだけ自重していただくようにお話をして、そのほかのところでバランスをとるなどの対応を心がけています。

身近な町のかかりつけ医として、地域に寄り添い続ける

先生は、幼い頃から医師をめざしていらしたのでしょうか。

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両親がともに医療関係者で、幼い頃から医療は身近にありました。かつ、地域医療に携わっていましたから、私自身も自然と同じ道をめざすようになったのです。大学を出て京都第一赤十字病院で一通りの診療科を経験した後は、国立病院機構東京医療センターの血液内科に勤務。その後、現在の医療法人茜会の原点であり、両親が立ち上げた山口県にある吉水内科に勤務し、身近な「町のかかりつけ医」として地域医療に尽力してきました。そして、このあかねクリニックでも、開業当初から変わらぬ思いで診療にあたっています。

診療のモットーをお聞かせください。

患者さんが抱える疾病だけでなく、生活背景やご家族との関係を踏まえて、その方自身を見ることですね。痛くない、苦しくない肥満や高血圧では、ともすれば薬を飲むのを先延ばししたがったり、自己判断で薬をやめてしまったりする方が少なくありません。なぜそうなってしまうのかをご本人の立場に立って考えながら、将来起こり得る大きなリスクを低減するために飲んでほしいということを丁寧にお伝えし、理解していただくことをめざしています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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2021年12月に、当クリニックが属する特定医療法人会茜会のグループ法人である社会福祉法人暁会が特別養護老人ホームを杉並区に新たに立ち上げます。準備に追われて忙しくなりますが、ニーズの高い訪問診療はより手厚くしたいと考えて、新たに医師を迎え入れました。今後は、クリニックを診てくださる先生、そして訪問診療に携わってくださる先生とチームを組んで、これまで以上に患者さんとそのご家族に近い医療を提供していきたいですね。在宅医療では看取りに関わることもありますが、自分の足で来てくれた患者さんだけを診ていた病院勤務時代に比べて、「行きたいけど行けない」人のところへ自ら行って最期まで寄り添う今の診療の在り方は、医療の本質に近いように感じています。生活していく上での悩みや不安があれば、お気軽にご相談ください。

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