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小林 武史 院長の独自取材記事

小林眼科

(鈴鹿市/平田町駅)

最終更新日:2021/10/12

小林武史院長 小林眼科 main

大型ショッピングモールのイオンモール鈴鹿1階にある「小林眼科」は、近鉄鈴鹿線の平田町駅から徒歩約15分。地元・三重県出身の小林武史院長が奈良県内の大学病院勤務などを経て、2013年に開院した。待合室はコンパクトだが、白いソファーがあり、明るく清潔感の感じられる雰囲気。場所柄、土曜・日曜・祝日も診療する。小林院長は、阪神・淡路大震災の体験を機に、工学部から医学部へ転身したという経歴の持ち主。現在も「目はものすごい精密機械みたいなもの」と語り、画像検査や診断などに工学的素養を生かす。笑顔で、なんでも率直に話してくれる小林院長に、同院で多いコンタクトレンズのトラブルと眼科診療に対する思いを聞いた。

(取材日2020年5月26日)

阪神・淡路大震災を契機に、工学部から医学部へ転身

院長は最初、医師志望ではなかったそうですね。

小林武史院長 小林眼科1

はい、パソコンや機械いじりが好きだったので、神戸の大学で工学部に学んでいましたが、1995年に阪神・淡路大震災に遭遇してしまったんです。早朝の大きな揺れで、下宿の屋根が崩れ落ちてくるほどだったんですが、たんすでできた隙間からなんとか抜け出すことができました。大学もしばらく休みになって、それからボランティアなどを体験するうちに、医学の道に進んで、社会に貢献するのもいいんじゃないかと考えるようになったんですね。それで進路変更をして、医学部を受験し直して、実家の三重県名張市から通学しやすい奈良県の大学へ進学しました。

眼科を専門にされたのはなぜですか?

眼科って、かなり機械を使うんですよ。ちょうど僕が進学した頃は、コンピューターがものすごく進化して、新しい検査や治療法がどんどん導入されてきた時期でした。ほかの診療科では、機械が進化しても、診療の内容自体はそんなに劇的に変わることはないと思うんです。でも、眼科は何から何まで変わりました。僕はもともと工学が好きな人間ですから、とても面白いなと興味を持ちました。考えてみれば、目は機能が細分化されている、すごい精密機械みたいなものだと思うんです。それを検査機を使って測定して、診察や治療に生かすという眼科の分野は、僕には合っていると思いました。

その後、こちらに開院されたきっかけを教えてください。

小林武史院長 小林眼科2

卒業後は、大学病院を中心に勤務していましたが、患者さんは重症の方ばかりで、僕は主に角膜やぶどう膜の炎症や感染症を診ていました。そのような経験を経て、今度は重症になる前の患者さんを担当してみたいという思いも湧き、もともと医療で地域に貢献したいという思いもあったので、2013年にこちらへ開院させていただきました。ショッピングモール内にあり、立地もいいので、幅広い年代の方がいらっしゃいます。やはりコンタクトレンズ処方を希望される患者さんが一番多いですが、白内障・緑内障などの一般的な症例にも、土日祝を含めて診療対応させていただいています。

コンタクトレンズ眼障害の診療に注力

先生が現在、気になっている病気や症状はありますか?

小林武史院長 小林眼科3

当院はコンタクトレンズを使用する患者さんが多いので、コンタクトレンズ眼障害でしょうか。これはコンタクトレンズの長時間の装用やレンズの汚れによって、ドライアイ、アレルギー性結膜疾患、感染症などを引き起こすものです。特に感染症は、これまでの薬が作用しない耐性菌も増えていますので、そのあたりは特に注意をはらって診察し、患者さんに説明するようにしています。感染症を起こすと、大抵は痛みが出ますので、それで来院される方もみえますね。重症の場合は、大学病院などをご紹介しますが、まずはコンタクトレンズを長く使いまわさない、雑に扱わない、消毒をきちんとすることなどを心がけていただくようにお話をさせてもらっています。

眼科では、検査も大切ですね。

そうですね、目の病気だけではなく、ほかの病気が隠れている場合もありますので。脳腫瘍や鼻の腫瘍がある場合は、近くを通っている目の神経を圧迫して、急に目の前が真っ暗になったり、目が見えなくなったりすることもあります。そういった場合は、視野検査をするとある程度はわかるんです。ほかには、網膜の断面図を得るOCT(光干渉断層計)検査を、加齢性黄斑変性などの診断に役立てています。また当院では、角膜の内側にある内皮細胞の厚みや形状を測るスペキュラーマイクロスコープも用意しています。

角膜の内皮細胞からどのようなことがわかるのですか?

小林武史院長 小林眼科4

角膜の内皮細胞は、加齢によってすり減っていきます。例えば、白内障や網膜剥離の手術をする場合は、角膜の内皮細胞がある程度厚くないと、手術の強度に耐えきれないことが考えられハイリスクになります。だから手術前には必ず検査をします。ところが加齢だけではなく、コンタクトレンズの長期間装用によっても、内皮細胞が酸欠状態になり減少することがあるんです。角膜には血管がないので、直接、酸素を取り入れているんですが、レンズがそれをブロックするんですね。もちろん急に減少するわけではありませんが、一度減ったら元に戻りませんし、なにより怖いのは自覚症状がほとんどないことです。コンタクトレンズの方には半年に1度以上の定期検診をお勧めしています。

土日祝も診療し、さまざまな目のトラブルに対応

先生が診療する上で大切にされていることはなんですか?

小林武史院長 小林眼科5

基本的には、なるべく気楽に受診していただけるようにと留意しています。僕はなんでもはっきり言うほうなので、そういうのが嫌な方もいらっしゃると考えて、患者さんに圧迫感を与えないように、なるべくわかりやすく、詳しく説明するように心がけています。先ほども言いましたが、眼科は画像検査が発達していて、当院でもすべての画像をパソコンに取り込んでいるので、患者さんには直接、必ず検査画像を見ていただいて、説明するようにしています。当院でできることは限られているので、なるべくきちんと説明した上で、できることはやり、必要な場合は他院を紹介させていただくということです。

こちらは土曜・日曜・祝日も診療されていますね。お休みはどうされていますか?

当院の休診日は木曜日だけですが、僕自身は月2回、奈良県の大学病院の外来診療にも赴いていますし、勉強会などもあるので、不定休でお休みをいただいて、知り合いの先生に代診をお願いしています。スタッフにも話し合って交代で休みを取ってもらい、なるべく本人の希望を尊重してもらうようにと思っています。休日の過ごし方は、どちらかと言うとインドア派なので、機械いじりをしたりプラモデルを作ったりすることが多いですね。いろいろなものを作って、「できた!」というのが楽しいわけです(笑)。

今後の展望をお聞かせください。

小林武史院長 小林眼科6

今までどおり、しっかりと診療に取り組んでいければと思っています。ここは便利なショッピングモール内にあり、土日祝の診療もしていますので、目のトラブルがある人は誰でも診るという感じで、基本的には幅広く対応しています。また、大学病院での重症の患者さんと、ここの一般症例の患者さんの両方を診る診療体制も、続けていきたいと思っています。そして、新しい検査法や治療法が導入されたら、勉強していくこともこれまでと変わりません。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

コンタクトレンズやカラーコンタクトレンズを雑貨店などで自分の判断で買うと、合っていないためにトラブルの原因になることが多いです。角膜は、精密機械のようなものなので、ぜひ大切にしてください。感染症は、滅多に起こるものではありませんが、起こってしまうと大変です。後で後悔しないためにも、無理な使い方はしないようにしていただきたいです。もし、何かトラブルがあったら、当院は土日祝も診療していますので、どうぞお気軽に来院してください。

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