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佐中 孜 院長の独自取材記事

メディカルプラザ市川駅

(市川市/市川駅)

最終更新日:2023/09/25

佐中孜院長 メディカルプラザ市川駅 main

JR中央・総武線市川駅北口の目の前にあるスーパーマーケットの9階が、「メディカルプラザ市川駅」だ。450坪という広いフロアとエキゾチックで病院らしくない雰囲気が印象的な同院は、内科系を中心に幅広く、総合的な診療を提供することで、地域の人々の健康をサポートすることをめざしている。そんな同院の佐中孜(さなか・つとむ)院長は、東京女子医科大学医学部教授として長年、腎臓内科と透析医療の臨床や研究に尽力してきた腎臓病のスペシャリスト。同院でも、その豊富な知識や経験を生かし、腎臓病の進行を止めるための努力を意味する「ストップ慢性腎臓病」に力を入れている。そんな佐中院長に同院のことや腎臓病に対する取り組みなどを聞いた。

(取材日2023年4月17日)

内科系を中心に幅広く診療する総合クリニック

こちらの特徴は、どのようなところでしょうか?

佐中孜院長 メディカルプラザ市川駅1

一般的なクリニックは診療科が1〜2つというところが多いですが、当院はいわゆる総合クリニックです。内科や循環器内科、整形外科、リハビリテーション科、形成外科、泌尿器科、皮膚科、腎臓内科、人工透析内科などの診療科に加えて健診部門もあり、それぞれ専門とするベテラン医師が診療を行っています。さらに、当院とは直接は関係ありませんが、この建物の中は眼科と神経内科があります。つまり、耳鼻咽喉科と小児科、産科はありませんが、普段の生活の中で必要になることが多い診療科がほとんどそろっています。何か体調が悪いなどのときには、ここに来ていただければほとんどのことに対応できるのが、一番の特徴だと考えています。

先生の専門や力を入れていることは何ですか?

私の専門は腎臓病で、1973年からその臨床や透析療法の開発、普及に一貫して取り組んできました。現在の透析医療は、臨床工学技士などが安全性の向上を図っています。私自身も、長年にわたって透析療法に関するさまざまなことに取り組んできましたが、今から13年前の定年退職を機に、それまでにも研究してきた腎臓病の進行予防に取り組んでいこうと思ったんです。それが今、最も力を入れている「ストップ慢性腎臓病」と呼んでいる取り組みです。

ストップ慢性腎臓病の取り組みについて、詳しく教えてください。

佐中孜院長 メディカルプラザ市川駅2

これまでの慢性腎臓病の治療は、透析療法を回避することを目的に行われてきましたが、この場合の回避とは、透析になるまでの時間を延ばすという意味で、結局は透析になってしまいます。でも、私はとにかく腎臓病をそれ以上悪くしないことを目標にしています。例えば、腎臓の機能が1年間で10ずつ悪くなって減っていく患者さんがいるとすると、5年で50悪くなりますよね。そうすると、最初に50の機能で病院に来た患者さんは、5年でゼロになって透析が必要になってしまいます。そこで、50の機能で来た患者さんを5年たっても50のままにする。そういう状態をめざしているのがストップ慢性腎臓病なのです。そうは言っても試行錯誤ですし、100人いて100人というわけにはいきません。ですが、そのうちの10人でも実現できれば、患者さんに喜んでもらえると思って取り組んでいます。

腎臓病や透析医療、検診に力を入れる

具体的には、どのような治療をするのでしょうか?

佐中孜院長 メディカルプラザ市川駅3

本当に患者さんそれぞれです。例えば、慢性腎臓病の治療で食事はとても重要ですが、腎臓病は食事のせいで起こるわけではなく、あくまで悪化因子です。つまり、本質的なことはもっと総合的なところにあります。ですから、最初は原因と、次に合併症や併発症があるか、悪化する要因はあるかなどを考えます。次に治療に入りますが、最初に大切なのが食生活です。以前は低タンパク一本槍でしたが、今では適切な食生活ということで、患者さんの状態によって変えていきます。加えて、血圧や水分摂取、体重管理、排便習慣、睡眠習慣、薬剤使用、運動などを適切に管理し、運動や禁煙、口腔ケアにも取り組んでもらいます。そうやって定期的に通院していただいて、検査値を見ながら、悪くなったところを是正していくのです。この取り組みによって、腎臓病の進行抑制を図っています。

透析医療についても教えていただけますか?

最近では、特に合併症の治療が非常に進歩しています。例えば、透析患者の死亡原因の1位は心不全ですが、それに対する検査や治療薬が出てきました。最近では、検査上で心機能が悪くなくても、心不全になっている患者さんがたくさんいることがわかってきて、そういう人たちにきめ細かい対応ができるようになっています。また以前は、透析患者さんは絶対安静で、透析で通院する時以外は寝てもらっていました。ですが、それが良くないことがわかって、今では透析中に運動や、高齢者の場合は認知症予防のためにちょっと知的な会話をしてもらっています。透析患者さんの予後やQOL向上のためには、最初に透析になったときから、合併症を起こさないようにきめ細かく診ていくことが大切だと考えています。

ほかに力を入れていることはありますか?

佐中孜院長 メディカルプラザ市川駅4

2年ほど前になりますが、院内に健診部門をつくりました。こちらでは、自治体や企業の一般定期健康診断や生活習慣病検診、各種の人間ドックやレディース健診などを行っています。私の座右の銘は、「過去は変えられないけど、未来は変えることができる」。健診は、それにまさに当てはまるのです。健診で体の異常をできるだけ早く見つけて、遅れる前に適切に対処することは、とても大切だと考えています。健診の結果、異常が認められた場合には、当院の外来診療を受けてもらうこともできますし、より高度な検査や治療が必要であれば、グループの江戸川病院や連携している近隣の大学病院などでの対応も可能です。

患者あっての医療を心がける

診療の際に心がけていることを教えてください。

佐中孜院長 メディカルプラザ市川駅5

医師やコメディカルのすべてが、患者さんがいて成り立っています。つまり、「患者さんあっての医療」ということを絶えず念頭に置いて接することを大切にしています。そして、私としてはこれまで話したように慢性腎臓病の患者さんを透析患者にしないことをライフワークとしており、今後もそれは継続していきます。慢性腎臓病の患者さんを診ていて、透析を必要としない状態が続けば、非常にうれしく感じると思うのです。そして、患者さんを診ていないときも、いろいろと勉強して、考えて、工夫することで、治療内容がブラッシュアップする。私が実践している慢性腎臓病の治療は、1年前と今日とではまったく違って、どんどん進歩しています。進歩に遅れないようにするには大変なこともありますが、それを楽しんでいます。

先生が医師をめざしたきっかけは何でしょうか。

鳥取大学医学部に思いがけず合格し、それがきっかけといえばきっかけでしょうか。なぜ鳥取の大学かというと、父の実家が鳥取県の境港市なんです。なので、子どもの頃はほとんどの時間を鳥取で過ごしました。家のすぐ近くの海が遊び場で、真っ黒になるまで日焼けして、のんびり過ごしていましたね。さすがに受験を控えた高校3年生の時は東京にいましたが、ふるさとに帰るのもいいかなと思い、志望大学を鳥取大学医学部一本に絞って受験したのです。そしたら運が良いことに、英語の試験問題に以前読んだことがあったイギリス元首相のエッセイが出てきたんです。おまけに数学の問題も勉強したことがある内容が出て、どちらも解くことができました。本来私はあがり症で、本番には弱いのですが、そのまま医学部に受かってしまったのです。

最後に今後の抱負と読者へのメッセージをお願いします。

佐中孜院長 メディカルプラザ市川駅6

まず私自身としては、繰り返しになりますが、ストップ慢性腎臓病にこれからもさらに力を入れていって、透析にならずに済む患者さんを一人でも増やしていけるようにしていきたいですね。また、医療についても最近は、AIをはじめ新しい技術も出てきていますから、そういうものもできるだけ取り入れていきたいと考えています。このような医療機関が、市川駅の目の前という便利な場所にあることは、患者さんにとってもメリットは大きいと思います。健康の問題や悩みがあるときや健診を受ける際には、ぜひ当院もご利用いただきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

日帰り人間ドック/3万9600円、乳がん検診(マンモグラフィ)/7150円、子宮がん検診/5500円

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