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相川 潔 先生の独自取材記事

名古屋血管外科クリニック

(名古屋市千種区/今池駅)

最終更新日:2019/12/23

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今池駅7番出口より直結の「名古屋血管外科クリニック」。院内は血管をイメージした赤と青の鮮やかな色合いのソファが並べられた明るい雰囲気で、窓からは街が一望できて開放感抜群だ。シャント治療のトラブルで苦しむ患者さんを楽にしたいという思いから、血管外科に精通した医師5名が集まり2012年に開院。他院から紹介されて愛知県内外から来た数多くの患者が通う。また下肢静脈瘤の日帰り手術にも対応。今回は時折見せる笑顔が印象的な相川潔先生に話を聞いた。開院に至った経緯や、シャント治療、下肢静脈瘤の手術などについてたっぷりと聞いた。
(取材日2016年6月27日)

シャントで苦しむ患者を一人でも多く救いたい

シャント治療専門の医院として開院されたそうですね。

人工透析は血流量が豊富な血管を必要とするため、動脈と静脈を縫い合わせてシャントを作ります。使いやすく長持ちするシャントを作るためには、血管の治療に精通した医師が携わるのが理想ですが、シャントを専門とする医師が少なく、シャントトラブルをかかえた患者さんが多く、医療スタッフも苦労していました。そこで十数年前に、当院櫻井恒久院長が昭和区のかわな病院で専門的な技術でのシャント治療を始めました。年々患者さんは増え、対応できないくらいの患者さんが訪れるようになり、2012年に櫻井恒久院長を筆頭に血管外科の医師5人で独立したシャント治療専門の当院を開院しました。開院後はさらに需要は増え続け、県内だけでなく東海地方の多くの病院からも紹介された患者さんが来院しています。

血管外科を専門にした理由を教えてください。

高校生の時に腰の病気で大手術を受け、医師という職業の素晴らしさに触れ、自分もめざしました。名古屋大学医学部を卒業後、桐生厚生総合病院の一般外科で研修し、がんから血管までさまざまな治療に携わりました。その後大学院に入学した際、櫻井院長(当時名古屋大学第一外科助教授)に血管外科の大切さを説かれて血管外科を専門にしました。アメリカ留学もし当時の最新治療を学び、その後名古屋第一赤十字病院、大垣市民病院に勤務し、大動脈瘤や動脈硬化などの治療をメインに更なる血管外科手術の経験を積みました。当時、多くの血管外科の医師は透析シャントの治療は二の次といった感じでした。しかし実際シャントで苦しむ患者さんが大勢おり、その治療に十分な理解のない医師でもシャント治療に携わらざるを得ない現状がありました。そこで、櫻井院長とともに血管外科の医師として専門的に携わろうと現在に至っております。

良いシャントとはどんなものですか?

針が刺しやすく、透析に十分な血流量がとれ、さらに心臓への負担が少ないものが良いシャントです。血管を上手につなげても、シャントについて十分な理解がなければ良いシャントは作れません。また、シャントは自分の血管で作る場合と人工血管で作る場合がありますが、前者の方がトラブルが少なく、長持ちするのが一般的です。しかし中には自分の血管でできるものを人工血管で作られてしまうケースや、専門外の先生が手術してうまくいかず何度も手術を繰り返されるケースなどもあります。使える血管の数も限られており、シャントは透析導入時から長期的な治療計画を立てて作られるべきです。当院では患者さんにとってなるべく苦痛の少ない最善の方法を提案するようにしています。

血管に精通した外科医師として、治療に専念する

血管外科としてやりがいを感じるのはどんな時ですか?

消化管の手術は多少つなぎ方に問題があっても体の自然治癒力で何とかつながることもありますが、血管はそうはいきません。血液が漏れないようにつながないと手術を終われません。つまり、結果が早く、そこに外科医師としての面白味を感じています。櫻井院長の下で血管外科手術の基本技術を学び、治療経験を積んできました。細すぎて無理とされていた血管同士をつなげても、時にシャント内の血流が良くなりすぎて手先に血が回らなくなって合併症を起こすこともあります。以前シャントをつぶしてその治療をしていたのを、最近は血流を制御するような手術も行っております。このように日々最善の治療法を開拓しています。手術後、患者さんが喜んで帰られる姿にうれしくなり、やりがいを感じます。

合併症などうまくいかないケースもあるのですね。

動脈硬化の患者さんにシャントを作る場合や、シャント血管が発達し過ぎる場合、手の循環が悪化してしまうことがあります。シャントの治療は一筋縄ではいかないところがあります。そのせいか治療がうまくいった時よりも、うまくいかなかった時の方が記憶に残ります。その都度、治療計画は適切だったか、手技は適切だったかなどよく考え、その経験をその後に生かすようにしています。

下肢静脈瘤の治療も行っているそうですね。

下肢静脈瘤は足の静脈がこぶのように腫れてしまう病気です。妊娠や出産、加齢や体質、あるいは長時間の立ち仕事などの生活行動も原因になって発症します。治療はレーザー手術が主体ですが、大きな病院ですと今でも入院が必要なことが多く、患者さんの中には入院できないからとつらいのを我慢して、悪化させてしまう方も少なくありません。しかし、麻酔の進歩により現在、手術は日帰りでも可能となりました。血管外科の医師として、当院の利点を生かして、下肢静脈瘤で苦しんでいる患者さんを一人でも多く楽にしてあげたい、その思いから下肢静脈瘤の日帰り治療を専門とする部門を院内に立ち上げました。今ではシャント治療と下肢静脈瘤の日帰り治療が当院の2本柱です。私は後者の責任者として務めています。

子育て世代でも受けやすい下肢静脈瘤の日帰り手術

下肢静脈瘤はどんな患者が来院するのでしょうか?

下肢静脈瘤の方は、妊娠、出産を契機に発病した子育て世代の女性など若い方からご年配の方までいらっしゃいます。女性の患者さんが多く、当院では女性スタッフを中心にきめこまやかな対応を心がけています。もちろん男性患者さんもいらっしゃいます。むしろ症状が悪化してから来院されるのは男性の方が多いです。一般的に男性は見た目を気にしないせいか、足が変色したりしても気にしないためかもしれません。ホームページや雑誌掲載記事を見て来院される方もいれば、皮膚科や内科、整形外科などからの紹介の方もいます。日帰り手術を希望して、大学病院、総合病院から紹介されて来院される方もいらっしゃいます。どの患者さんに対しても個々に合わせた治療法を提供しています。

治療後の患者の反応はいかがですか。

下肢静脈瘤の手術は局所麻酔です。患者さんにリラックスしてもらえるよう音楽を流しながら行います。あっという間に終わって中には驚かれる方も。下肢静脈瘤は命に関わる病気ではありませんが、悪化して潰瘍になることもあります。足の血管がこぶのように膨らむとか、皮膚が変色する以外に、足がつる、むくむ、疲れやすいなど、日常誰にでも起こり得るような症状の原因になっていることもあります。検査は超音波検査なので、簡単にできて痛みの心配もありません。足がパンパンになるのはいつものこと、疲れやすいのは歳のせい、などと言わずに少しでも気になることがあれば、まずは検査を受けてください。

最後にメッセージをお願いします。

当院は血管外科に精通した医師が、厳選した医療機器を使い、その患者さんにあった治療に最善を尽くします。シャント治療の患者さんは他の病院からの紹介で来る方がほとんどです。もし身近にシャントで悩んでいる患者さんがいましたら、ぜひご相談ください。下肢静脈瘤に関しては、気になる症状があれば気軽に検査を受けてほしいです。検査の結果、何もなければ安心、たとえ下肢静脈瘤でも治療をすれば気持ちもすっきりすると思います。違う病気が判明する可能性もあります。当院開院のきっかけにもなっていることですが、症状で苦しむ患者さんに治療を受けて良かったと思ってもらえることが、医師をはじめスタッフにとっても一番うれしいことです。全員で一丸となって良い医療をし、多くの人に喜んでもらえるように取り組んでいきたいと思っています。

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