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乳がんのつらい経験も吹き飛ぶ
思わず触りたくなる乳房の再建術

セルポートクリニック横浜

(横浜市中区/馬車道駅)

最終更新日:2016/01/24

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女性にとって胸はシンボル。その胸を乳がん手術によって失い、ふさぎ込んでしまっている方に一縷の光をもたらす革新的な乳房再建術がある。それが、「CAL(キャル)組織増大術」だ。自分の体の一部を切り取って胸を形成する従来の方法とも違い、保険適用が開始されたシリコンインプラントのように人工物を胸に挿入する方法とも異なるという。東京大学附属病院と「セルポートクリニック横浜」が共同開発した次世代の乳房再建術について、院長の辻直子先生に伺った。なお、検診レポートのコーナーでは実際に同治療を受けた人の生の声を掲載しているので、そちらも必見!(取材日2014年9月24日)

なだらかで、きれいで、やわらかな胸を再び自分のものにできる革新的な医療技術

Qあまり聞きなれない言葉ですが、CAL組織増大術とは一体何ですか?
A
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▲高度美容外科専門クリニックだからこその技術

端的に言うと、脂肪注入による最先端の乳房再建術です。患者さん自身の脂肪を使うため異物反応がなくとにかく低侵襲。にもかかわらず、なだらかで、きれいで、やわらかいとても自然な胸を取り戻すことが可能です。ではなぜ、従来の再建術ではなし得なかったことをCALが実現できるのか。そのカギは「幹細胞」にあります。患者さんのおなかや太ももから吸引した脂肪を院内の細胞調整室で専門の技師が処理し、良質な幹細胞を取り出します。それを同日に吸引した脂肪に加えて幹細胞の密度を極限まで高めた状態にした上で胸に注入。そうすることで、一般的な脂肪注入術では15〜30%にとどまっていた脂肪の生着率を、50%以上にまで上げることに成功しました。注入した脂肪が体の一部としてしっかりと定着すると、やわらかくて走っても揺れる胸に仕上がります。

Q切除法が全摘手術でも温存手術でも、CALでの再建は可能ですか?
A
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▲脂肪注入の管は細いため、傷もわかりにくい

はい。いずれの術式にせよ自然な胸の形成が可能です。特に乳輪や乳頭を含め乳房を丸ごと切除する全摘術後の再建では、一般的な方法である「自家組織移植(通称、皮弁)」や「シリコンインプラント」とは大きな差が出ます。皮弁は自家組織を使うため適応性が高く、やわらかい胸を作れるメリットがある一方で、おなかや背中から肉の塊を切り取り血管をつないで移植するので、大きな傷ができ入院も長期におよびます。またシリコンインプラントは固さがあり、インプラント自体の形も決まっているので左右差ができやすく、人工物ですから破れや合併症が起こることもあり、将来的に入れ替えの必要が出てきます。その点、CALは人工物ではありませんから異物反応もなく、日帰りでできますし、脂肪の吸引・注入時に使う細い管や注射針程度の小さな傷で済みます。

Q乳がんの切除手術後、CALでの再建はどのような流れになりますか?
A
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▲手術後は回復室にて休むがその日のうちに帰宅が可能

温存手術を受けられた方の場合、腫瘍があった部分のみが切除され乳輪や乳頭は残っている状態ですから、乳房再建の際には、切除されて局所的にへこんでいる箇所を改善することがポイントになります。脂肪を注入し、左右差を見ながらボリュームを出し、なだらかな形を再現。欠損の少ない方なら1回で終わることもあります。温存手術の方は放射線治療をされていますので、術後1年ほど開けてCALを行うことになります。全摘手術の方の場合は、乳房全体がない状態なので、温存手術に比べて脂肪を入れる総量が多いことと、1回で胸に注入できる量に限界があることから、数回に分けて行います。脂肪が生着し自分の胸の一部になると新たに注入可能なスペースができますので、3、4カ月を目安に来院いただき注入していきます。左右差がなくなるまでボリュームが出たら、最後の仕上げとして乳輪と乳頭を形成して完了です。

Q他院で再建済みでも、CALでより自然な胸にしてもらえますか?
A
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▲辻院長の元には多くの女性患者が相談に訪れる

そういう患者さんはけっこう多いですね。例えば、自家組織移植で形成してもらったけど形がいまひとつとか、少しボリュームが足リないという方もいらっしゃいますし、シリコンインプラントが入っている方なら、インプラント部分の段差や不自然な固さが気になるといったお悩みで来られる方も。そうした違和感を改善するのにもCALは非常に役立ちます。ボリュームの足りない箇所に脂肪を追加して左右差をなくしていくようなこともできますし、シリコンインプラントが入っている状態のまま脂肪を追加して段差を埋め、なだらかな状態にしていくといったケースもあります。なかには、もともと入っていたインプラントはやめてCALに置き換えたいという方もいます。その場合、挿入されているシリコンインプラントを抜いて、そこに脂肪を注入していきます。

QCALはシリコンインプラントとの併用もできるということですか?
A
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▲患者のニーズに合わせて様々な選択肢を用意している

そうなんです。CALには、完全に脂肪のみで行う「Step-CAL」と、シリコンインプラントと組み合わせる方法の2種類があります。例えば、とても痩せていて乳房を再建するのに必要な量の脂肪が確保できない方や、もともとグラマーで作るべき胸のサイズがすごく大きい方だと、すべて脂肪だけで行うとなると手術回数がかなりかかってしまいます。1回に生着する量にも限界があるので、術前診察の段階で4回以上かかりそうだと判断したら、インプラントとCALの併用をお勧めしています。その場合、まずエキスパンダーと呼ばれる器械を胸に入れて半年ほどかけて皮膚を拡張。その後、インプラントを入れ反対側の胸に合わせて必要な高さを作ります。次に、シリコンインプラントの周辺を脂肪で覆い段差をなくし、触り心地も重視しながらバストを作っていきます。人によっては、単に脂肪だけで形成するより併用するほうがより自然な形になるケースもあります。

ドクターからのメッセージ

辻 直子院長

今現在、乳がん手術では温存手術と全摘手術が6対4ほどの割合なんですが、術後の状態に満足されていない方って非常にたくさんいるんだな、と常日頃感じています。なんとなく胸が変形してきた?と感じたり、左右のバランスが気になったりという方も多く、その大多数が気になりながらもそのままにしている現状です。また、2013年7月にシリコンインプラントによる乳房再建術が保険適用となり、以降、乳房再建への関心は徐々に高まってきていますが、それでもまだ再建できることすら知らない方もたくさんいます。知っていてもこれ以上体に傷がつくのはちょっと……とためらって前に進めない方もまだまだ多いですね。でも、今回紹介したCAL組織増大術を含め、乳房再建の方法は多様で、それぞれに長所・短所がありますから、そこを正しくご理解いただいた上で、状態やご希望に合った一番良い方法で手術を受けてほしい。「胸がないと、見る度にどうしても乳がんのつらい経験を思い出してしまうけど、再建されるとつらかったことも忘れられる」患者さんからよくそんな話を聞きます。ぜひぜひきれいに作って乗り越えて、元気に過ごしてほしいですね。

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