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野村 祐久 院長の独自取材記事

産婦人科 野村クリニック

(名古屋市緑区/鳴子北駅)

最終更新日:2020/06/24

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名古屋市緑区にある「産婦人科 野村クリニック」は、滝ノ水中央公園より少し北へ向かった、閑静な住宅地の中にある。入院設備が整った分娩もできる産婦人科だ。フリースタイルでの出産にも対応しており、産み方も妊婦が希望するかたちに沿ってくれる。院内はクリーム色とオレンジ色のツートンに彩られ、温かみのある雰囲気だ。最近、開業以来使用していたベッドとマットレスを新調し、より快適な環境づくりに取り組んでいる。今回は、産婦人科医師として、とりわけ出産に情熱をかたむける院長の野村祐久先生に取材をしてきた。
(取材日2016年5月19日)

自らの闘病経験から医師をめざし、命が誕生する現場へ

医師を志され、産婦人科医師の道を選ばれた理由はどのようなことだったのでしょうか?

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幼い頃、先天性の心室中隔欠損症という心臓の病気を持っていて、16歳の時に手術をしました。担当医の皆さんが本当に良い方々で、手術が終わった後のケアもこまやかで、必ず毎日病室に来て話し相手になってくれたんです。その時、私も先生たちのような医師になりたいと思いました。私の父も開業医だったということもありますが、最終的に後押しされたのはそういった経験があったからですね。産婦人科医師になることを決めたのは、大学5年生の実習で出産を見学したことがきっかけです。それまで命が誕生する瞬間に立ち会う機会もなく、赤ちゃんが産まれる光景は、学んだ知識の中だけの、漠然としたものでした。でも実際にその現場に立ってみると、母親がどれだけ大変な思いをして赤ちゃんを産むのか間近で目にすることができて、想像以上の感動と衝撃を覚えたのです。あの実習で受けた衝撃は今でも忘れられないものですね。

こちらに開業されたきっかけをお聞かせください

医師になって20年目の頃、このまま勤務医を続けるか思い切って独立するかを悩んでいましてね。そんな時にたまたまご縁があり、こちらで開業しないかという話をいただいたんです。自分の理想の医療を提供していきたいという希望がありましたし、ここならば母校の大学病院も近いので決断をしました。一人で出来ることには限界があるので、いざという時には妊婦さんも赤ちゃんも含めて全面的にバックアップしてくれる場所が近いというのは重要です。やはりその後ろ盾がないと、緊急時にすぐに対応ができず、患者さんに危険が及ぶ恐れもありますから。帝王切開の手術などに関しても、お手伝いをしていただける先生をすみやかに派遣してもらえますしね。あとは、学生の時に通っていたエリアなので土地勘があったというのも大きいです。

勤務医時代のご経験の中で印象深い出来事などはありますか?

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藤田保健衛生大学卒業後、長野県下伊那赤十字病院や聖霊病院などで勤めていましたが、特に聖霊病院での勤務時代は1日に4件ほど手術が入る日もあり、非常にハードでしたね。聖霊病院では救急の搬送を受け入れていたので、重篤な高血圧症候群の患者さんが運び込まれたり、なかなか出血が止まらない患者さんなど大変な状態の方にもたくさん対応してきました。また、腹腔鏡下手術も数多く行っていましたので、手術に関しても深く勉強をさせていただきました。激務ではありましたが、乗り越えられたのはやはり赤ちゃんを取り上げるたびに感動があり、励みになったからでしょうね。

全力でじっくりと時間をかけて。患者と真摯に向き合う

診療の際に心がけていらっしゃることをお聞かせください。

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まずは患者さんの話をじっくり聞くことですね。ドクターは“診療時”の患者さんのことしか知ることができません。私にとって患者さんの話を聞くことは、前回の診療から今回の診療までの期間を、線で結ぶためのもの。その間にあったことを話す中で、隠れた異変に気づくきっかけにもなります。ですので、ささいなことでも話してもらえるよう配慮しています。ご家族の協力も欠かせませんね。当院ではご家族にもできる限り診療にご同席いただき、赤ちゃんやお母さんの変化を感じてもらうことで、家族全員で出産を支える気持ちを持ってもらいたいと考えています。何より、ご家族と信頼関係を結ぶためには、診療時や出産時の光景を目にしてもらうのが一番ですしね。他にも時間予約制をなくし新規の方や緊急の患者さんを受け入れやすい体制にしました。待ち時間が長くなり申し訳ない気持ちもありますが、臨月の妊婦さんに限り、できるだけ早く診るようにはしています。

たくさんの患者さんがいらっしゃる中で、先生お一人というのは大変なのでは?

まったく苦ではないです。何人かの医師で受け持つというのは確かに医師にとっては比較的楽なことではありますが、検診の先生が毎回違う、出産の際にはまた違う先生となると不安に思うのではないでしょうか。それは私のほうも同じで、カルテの情報だけでは感じ取れない、患者さんの妊娠・出産に対する気持ちを知らないままでは、何かあったとき、説明に自信が持てませんし説得力にも欠けてしまいます。ずっと私一人で診ていれば、お付き合いをしてきた中でお互いの人柄もわかり、もしご希望の出産プランなどに添えなくなった際でも、こちらの話を受け入れやすいと思うんです。確かに負担が大きいですが、私自身はこのスタイルを貫きたいですね。

出産に関して、どのような点に重きを置いているのでしょうか?

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妊娠初期のマタニティ相談でご自分のバースプランを立てていただき、それに沿ったかたちでお手伝いをしていきます。フリースタイルで産みたいという方にはマザールームをご用意していますよ。ただ、理想があっても経過によってはかなわない場合もあるので、どんな状況になっても臨機応変に対応できるよう準備はしています。

より良い医院へ。小さなことでもできることから

こちらでは、スタッフ全員で外来と病棟を受け持っていると伺いました。

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以前より看護師は外来だけ、助産師はお産だけ、と分けることに対して疑問がありました。もちろん範囲を決めることで仕事の効率が上がりますが、臨機応変さに欠ける面もあります。開業するなら垣根をつくらず、お互いが得意分野を生かして、クリニック全体を支えられるスタッフを育成したいと考え、このような体制にしました。スタッフ全員が患者さんと接する機会が増えるので、患者さんからも「スタッフの皆さんの顔がわかるので安心」という声をいただいています。出産において、助産師と妊婦さんの関係は特に重要です。過去に助産師さんに怒られたことで、次の出産に自信が持てなくなってしまう妊婦さんもいますので、当院では患者さんの意思を尊重できる助産師をそろえるようにしています。定期検診から入院、出産、退院までの流れをスタッフ全員が理解し、配慮しあえる風通しの良い関係を築けたことは、当院の財産ですね。

出産後もさまざまなサポートをしているそうですね。

出産後にお渡ししている、乳歯入れは歯科技工士である私の弟が作ったものなんです。赤ちゃんの頃から持っていれば、乳歯が生え変わるごとに保存しやすいので喜ばれていますね。歯科医院でも取り扱っているそうなのですが、歯科医院でそれを目にする頃には、すでに何本か乳歯が抜けていることが多いんですよね(笑)。他にも患者さんからご好評いただいているものといえば、スタッフの発案で取り組み始めた骨盤教室やおっぱいケアといった各種教室。すべて当院のスタッフが講師を担当するので、患者さんから「安心感がある」と好評をいただいています。

最後に、今後取り組んでいきたいことや読者へのメッセージをお願いします。

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おかげさまで患者さん同士のつながりによって、地域の患者さんに頼られる存在になれたのかな、と感じています。今後も患者さんに頼られる存在として、現在の“一人で最初から最後まで全部診る”という姿勢を貫きたいですし、それができるよう私自身の健康づくりにも気をつけていきたいですね。最近は、残念ながら子どもをつくらないという選択をする方も多いですが、新しい命がやって来て、家族が増えるって素敵なことですよ。私も産婦人科医師としてできる限りのお手伝いをするので、産むことをためらわないでほしいです。

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