医療法人社団楓の風 在宅療養支援クリニックかえでの風

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宮木大院長

頼れるドクター

医院トピックス

チームであたる在宅医療の意義
患者のさまざまな痛みに対応する

医療法人社団楓の風 在宅療養支援クリニックか
えでの風

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がんの末期などで通院が困難になった患者が、自宅でも緩和ケアなどの医療サービスを受けられるようサポートする在宅医療。患者が支障なく日常をすごすためには、医師や看護師だけでなく、薬剤師、ソーシャルワーカー、ケアマネージャーといったさまざまな職種のスペシャリストが組んで支えていくことが重要になる。医療の現場でよく聞かれるようになったチーム医療だが、こと在宅医療ではまだまだなじみがない。そこで、「患者の想いを中心にしたチーム」で地域から厚い信頼を得ている「在宅療養支援クリニックかえでの風」の宮木大院長、ソーシャルワーカーとして相談員を務める佐藤俶子さん、内科医師として日々、患者の痛みと闘っている近藤英樹先生に、それぞれの目線からチームによる在宅医療について話を聞いた。(取材日2017年2月17日)

各専門家だけでなく患者とその家族もチームの一員となってともに考え、心身・社会的な痛みを和らげる

在宅でのチーム医療とは、どのようなものですか?

1 ▲理事長の宮木先生 【宮木院長】病気で通院が困難になった方がご自宅で過ごすためには、医師、看護師、薬剤師、相談員、ソーシャルワーカー、ケアマネジャーなど、さまざまなメンバーがチームとなって支えていきます。というのも、患者さんは、身体的な痛みだけでなく、精神的な痛みや、仕事ができないなどの社会的な痛みを抱えていることが多いからです。身体的な痛みだけなら、医師だけで十分に対処できます。しかし、その他の痛みについては、看護師やソーシャルワーカー、ケアマネージャーのほうが得意かもしれません。そのため、さまざまな専門分野を持つ人がチームを組む意義があるわけですし、必ずしも医師がリーダーになる必要もないと思っています。

こちらのチーム医療の特色を教えてください。

2 ▲抜群のチームワークでクリニックを運営する 【宮木院長】私どもの特色を1つだけあげるなら、患者さんやそのご家族と、共創関係を作ることを主目的にしている点です。一般的には、さまざまな職種の人たちが患者さんを囲むサークルを作る、というのがチーム医療のイメージだと思います。ただ、そうすると、医療を提供する守る側と、医療を受ける守られる側という関係ができてしまうんです。しかし実際の患者さんは、命についてとことん考える強い人間で、守られるべき弱い存在ではありません。ですから当院では、患者さんの「想い」を中心に、それを実現するため、患者さんやご家族にも、私どもと同じ立ち位置から、ともに考えていっていただくというスタンスをとっています。

相談員である佐藤さんはどのような役割を果たしているのですか?

3 ▲相談員の佐藤さん 【佐藤さん】いろいろありますが、コーディネーター役だと私は思っています。在宅医療では、さまざまな職種のメンバーが患者さんに関わりますが、チーム全体を仕切るのはどのメンバーにとっても難しいんです。相談員がいれば、例えば病院から訪問診療の連絡があった時、訪問看護はどこで、ケアマネジャーはどうすると、患者さんのご要望をもとにコーディネートをしていきます。前に立って音頭を取るわけではありませんが、患者さんが安心してご自宅で過ごせるための、あらゆる連携の調整をするハブのような役割、それが相談員だと思います。もちろん、相談窓口として、患者さんやご家族とファーストコンタクトを取るというのも大きな役割です。

佐藤さんはディグニティセラピーに取り組んでいるそうですね。

4 ▲患者のささいな要望にもなるべく応えるように努力する 【佐藤さん】これは、終末期患者の心理的・社会的・実存的な苦悩への対処を目的にした、精神療法のことです。患者さんが人生をご自身で振り返りながら、ご家族や大切な人に伝えたいことを私に語っていただき、録音した音声を文字に起こして、皆さんに知っていただくというもの。目の前の死や病気のつらさばかりが頭の中を占めている患者さんに、人生が輝いていた時期を思い出していただき、自分の人生は無駄ではなかったと再認識してもらうのが目的です。話していく中で、自分自身の言葉に患者さんは癒やされていきます。もう1つの目的は、記録に残すことで、お子さんやお孫さん世代に、患者さんの成し遂げたことを伝えていくことです。

近藤先生のチームでの役割と、ご専門を教えてください。

5 ▲救急科出身で患者の変化にも臨機応変に対応する 【近藤先生】医療面に関しては、やはり私たち医師がコントロールする場面が多くなります。しかし、医師だけではケアできないことも多く、訪問看護師や訪問薬剤師がいなければ、在宅医療を成り立たせるのは難しいでしょう。ただ、医療スタッフだけでなく、事務的な部分でも支えられているなと感じることは多いですね。病院なら医療としての正しさが絶対的に優先されますが、在宅医療は患者さんの希望が最優先で、そういった面が影響しているのかもしれません。私の専門は、もともと救急科で、当時の技術が役立つことはあまりありませんが、さまざまな患者さんに臨機応変に対応するという意味では、救急の経験は役立っていると思います。

ドクターからのメッセージ

宮木大院長

医療のチームというと、医師がコントロールするものと思われがちですが、在宅医療のチームは、医師ではなく、あくまでも患者さんの想いがメインであるべきだと考えます。それを実現するために、チームの一員として、医療のプロである医師、看護のプロである看護師と同じように、患者のプロとして患者さん、介護のプロとしてご家族が、みんなで一緒に考えるのが自然な姿ではないでしょうか。それぞれ立場が違いますから、当然、摩擦はあります。しかし、「患者さんの想い」という共通の目的のためなら、患者さんやご家族とも摩擦があってもいいと思います。ぶつかりながらも、やるべきことを共有し続ける。それが、理想のチームです。

記事更新日:2017/03/10
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