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守谷 昭彦 院長の独自取材記事

グリーン内科

(藤沢市/長後駅)

最終更新日:2022/11/14

守谷昭彦院長 グリーン内科 main

江戸時代には宿場町として栄えた藤沢市・長後。古い町並みと新しい住宅街が混在する新旧調和の取れた街だ。守谷昭彦先生が院長を務める「グリーン内科」があるのは、長後駅東口から徒歩3分、高齢者住宅に併設されたクリニックモール内。明るく温かみの感じられる同院には、中学生から100歳近い患者まで幅広い層の患者が訪れる。院長が心がけるのは、患者の気持ちをくみ取りながら、わかりやすく丁寧な説明をすること。自らの闘病経験を生かし、相手の目線に立つことをとても大切にしているという。そんな院長に、診療方針から趣味についてまで、じっくりと話を聞いてきた。

(取材日2014年12月11日/更新日2022年6月27日)

医師としての原点は、学生時代の闘病生活

医科大学に進まれる前に、理工系の大学で学ばれたそうですね。

守谷昭彦院長 グリーン内科1

もともとは、応用化学を学びたかったのです。ところが大学に入学した最初の夏休みに体調を崩し、自宅療養することに……。一番遊びたい盛りに、なんで自分がこんな目に遭わないといけないのだろうと思いながら、1ヵ月ほどひたすら部屋の天井を見て過ごしました。体の具合が悪いことに加え、気持ち的にすごくつらかったですね。ですがこの経験が、私の医師としての原点となりました。はじめは、薬の合成を通じて人の肉体的・精神的苦痛を取り除く仕事をしたいと考えていましたが、4年生になると「もっと直接患者さんと向き合って治療に携わりたい」という気持ちが強くなり、思いきって医学部を受験し直したのです。今でも初心を忘れないように、時折、自宅で天井を見て、不安でいっぱいだった頃のことを思い出しては、自分に喝を入れています。

それで佐賀医科大学に進学されたのですね。

私は5期生で、入学した時は全学年がそろっていませんでした。ですが、学生の年齢も出身地も実にバラエティーに富んでいて、独特な熱い雰囲気がありました。佐賀の人たちも初めは人見知りするけれど、慣れてくると家族のように接してくれるんです。私にとって初めての九州だったので、時間を見つけては小旅行をして、九州の四季折々の風景を堪能しました。豊かな自然に、おおらかな九州の風土と温かい人柄のおかげで、とても良い時間を過ごすことができましたね。

内科を専門に選んだきっかけを教えていただけますか?

守谷昭彦院長 グリーン内科2

卒業後は横浜市立大学附属病院の研修医になりました。研修中にとてもお世話になったある先生に誘っていただいて、内科の道に進んだのです。入局後には私が恩師と慕っている素晴らしい先生との出会いがありました。その先生は、特に自ら指示は出さないのですが、一挙一動が医師として人としての生きる見本のような方でした。例えば1日3回の回診では、朝は「おはよう、今日も一緒に頑張ろう」と患者さんに声をかけ、昼は「調子はどう? 君を忘れていないよ」と言って回り、夜には「今日も一日頑張ったね。明日も一緒に頑張ろう」と声をかけられる。不安を抱える患者さんのベッドサイドで、常に同じ目線に立って治療されていた先生の姿が今も目に焼きついています。医師とはかくあるべきと、その身で示してくださっていました。その先生を今も心の師として尊敬し、少しでも近づきたいという想いで日々診療をしています。

消化器内科の知識と技術を駆使しつつ、総合的に診る

勤務医としてだけではなく、研究や留学などさまざまにご活躍される中、長後で開業されたのはなぜでしょう?

守谷昭彦院長 グリーン内科3

大規模病院ならではのメリットもたくさんありましたが、経験を重ねるにつれ、すべてを自己責任で自分の思いどおりにやってみたいという思いが強くなっていったのです。これからの高齢化社会では、生活習慣病や悪性腫瘍、脳血管障害といったさまざまな疾患を抱えながら生活しなければならない人がさらに増えてくるでしょう。不安を抱えた方の身近にいて、その方のライフスタイルや人生観、価値観を共有し、そこに寄り添う、地域に根差した医療者になりたいと思うようになりました。そんな折に、こちらでの開業のお話をいただきました。湘南台病院に勤務していたので、長後なら土地勘もあるし知り合いの医師も多く連携も取りやすい。願ってもない場所だとご縁を感じました。振り返れば、私は人より回り道をしてきましたが、すべてが巡り巡って“今”につながっていると感じます。たくさんのありがたい“ご縁”に、心から感謝ですね。

先生が力を入れている医療についてお聞かせください。

まず1つ目は消化器疾患診療と内視鏡検査。ずっと専門でやってきたことなので、引き続き力を入れています。長引く胃炎も、内視鏡で“胃相”を見ればどのようなタイプの胃炎なのか把握できますし、どのようなリスクがあり、どのくらいの間隔でフォローしていけばいいのかをわかりやすくご説明できると思います。2つ目は「総合内科的な視点から診る」こと。出ている症状は消化器症状でも、原因は別の場所に隠れている場合もありますから、訴えの奥に別の疾患がないか常に気を配っています。3つ目は漢方です。西洋学的なアプローチで行き詰まってしまった患者さんには、漢方が合うケースがあるのです。そのため症状によって、西洋医学的なアプローチと東洋医学的なアプローチを使い分けるよう心がけています。

総合内科的な視点を大切にされているんですね。

守谷昭彦院長 グリーン内科4

病名では高血圧、糖尿病、脂質異常症や脳梗塞後、心疾患などの生活習慣病関連疾患や認知症の方、年齢的には中学生から100歳近い方まで、さまざまな患者さんを総合的な視点で診るように心がけています。お仕事されている方の健康相談をお受けすることもありますが、勤労者の健康診断の要再検査や体調不良の背景には、職場環境が影響しているケースがあります。そこを考慮しないと治療がうまくいかないこともあるのです。一つの専門分野にこだわるのではなく、自分の専門分野である「内科」「消化器内科」の知識と技術を駆使しながら、「総合内科」の視点で患者さん全体を診て、その方にとって最善の方法で提供していくことで、本当の意味での患者さん主体の医療を実現していきたいと思っています。

かかりつけ医として患者の不安と真摯に向き合う

かかりつけ医の役割について、どう考えていらっしゃいますか?

守谷昭彦院長 グリーン内科5

内科医になって以来、常にその方にとって最善の提案ができるよう、一人ひとりの患者さんと真剣に向き合ってきました。その中で気づいたのが、これからの時代は、“共生”という言葉が一つのキーワードになるということです。がんや生活習慣病などは、単にただなくそうとするだけではなく、ともに生きる術“共生”を模索していくことも大切です。こうした健康面での“共生”をサポートする上で、かかりつけ医の果たすべき役割は大きいと思っています。定期的に健診を受けてもらうことはとても大切ですが、自営業の方や主婦の方はなかなかそうもいかないと思います。でも長い間不安を抱えたままでいると、大きなストレス要因になってしまいます。そんな時は、どうぞご相談ください。必要に応じて、検査をしたり、より専門的に診られる医師や病院を紹介したりと適切に対応させていただきます。

先生のストレス発散方法は何ですか?

1週間の疲れをできるだけ翌週に持ち越さないよう心がけていて、どんなに忙しくても、趣味の楽器を弾いたり、絵画や映画鑑賞をしたり、読書の時間はできるだけ確保するようにしています。運動としては、エアロビクスを長年続けています。難しいステップができたときは、思わず「やった!」と心の中でガッツポーズ。余計なことは考えず、ひたすら無になってやっています。1時間もすると全身汗びっしょりになって、身も心もスッキリし、本当に気持ちが良いですよ。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

守谷昭彦院長 グリーン内科6

消化器疾患診療としては、内視鏡検査、ピロリ菌除菌の継続はもとより、除菌後胃がんの早期発見にも力を入れています。もちろん胃がん以外の悪性腫瘍の早期発見にも注力しています。また総合内科の視点では、当院で生活習慣病の治療を受けている方が、将来、狭心症や急性心筋梗塞、脳血管障害などの動脈硬化性疾患になるリスクを少しでも減らせるようサポートしていくことがとても重要だと考えています。当院はスタッフ一同、患者さんの気持ちを大切にした診療を心がけていますので、健康に不安があるときは気軽にご相談ください。当院のロゴマークにある「G」には患者さんの健康が良い状態に保てるようにというGoodの意味も込めています。かかりつけ医として、そして、一人でも多くの方に「Good!」と思っていただけるよう、今後もスタッフともども最善を尽くします。

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