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水野 史門 院長の独自取材記事

水野眼科

(いなべ市/麻生田駅)

最終更新日:2021/10/12

水野史門院長 水野眼科 main

三岐鉄道北勢線・麻生田駅より徒歩10分、三重交通バスでは新麻生田停留所より徒歩2分。駐車場も45台分備え、多くの交通手段で通院可能な「水野眼科」は2011年開業。広い敷地に、曲線を取り入れたやわらかな印象の建物。中に入ると広い待合室は吹き抜けの天井で開放感にあふれ、大きな窓から光が差し込み心地良い。名古屋市出身の水野史門(しもん)院長は開院前、いなべ総合病院で6年間診療。「地域の人が優しく、医師として育ててもらった、いなべで開業したい」と決意し、高齢者が多いこの地で「患者の生活に寄り添いながら、白内障の手術を行える施設をめざした」という。穏やかな笑顔と語り口が印象的な水野院長に、診療への思いや、こだわりの設備などについて話を聞いた。

(取材日2019年10月7日)

医師として育ててもらった地域で診療を続けたいと開業

初めに、この地域で開業された経緯について教えてください。

水野史門院長 水野眼科1

私は名古屋市の出身なのですが、地元の名古屋市立大学医学部を卒業し、母校の大学病院などに勤務後、いなべ総合病院に赴任しました。眼科の医師として病院での経験を積んでから10年くらいたった頃、そろそろ開業医として診療をしていこうかなと思い始めました。他院への移動や、名古屋に戻って研究職を、などの話もあったのですが、地域の方々がとても優しく温かく、医師として育ててもらったこの地域で引き続き患者さんを診ていきたいという思いが強くなったのです。この辺りは自然豊かでキャンプ場もあって、2011年の開業当時、一番上の子どもは3歳でしたが、子育てにもとても良い環境だと感じています。

敷地も院内も、広々としていますね。

この地域は以前からお住まいのご高齢の方が多く、車で来院される方が多いので、駐車場を広く取っています。開業当時の20台分から拡張し、現在は45台分。車いす専用の駐車場もあります。また、眼科はどうしても検査に時間がかかるため、ストレスなく待ち時間を過ごしていただけるよう、待合室はゆったりとした温かみのある空間にしたかったんです。広くスペースを取り、天井は吹き抜けにして圧迫感をなくし、大きな窓から自然光もたっぷり差し込むようにしました。院内はすべてバリアフリー仕様なので、ベビーカーや車いすでもスムーズに移動できます。やはり街中と違って、広いスペースが取れるので良かったです。

オブジェや絵画なども飾られていて、リビングにいるようにリラックスできそうですね。

水野史門院長 水野眼科2

患者さんにもそう思っていただけていたらうれしいですね。実はこの絵は、患者さんが描いてくださったものです。冬は雪山の景色など、四季折々の絵を頂いたのですが、眺めていると私自身も心が癒やされますね。壁にかかっている目の形をした時計は、スタッフが開業5周年の記念にプレゼントしてくれたものなんです。どこで探してくれたのか、とても珍しい形で、まさに眼科の医師にぴったりですね。

クリニックの診療の特徴について教えてください。

開業するにあたってまず考えたのは、主に白内障になりますが、眼科の手術を患者さんが住む地域で行える施設をつくりたいということでした。この辺りで眼科の手術ができる医療機関となると、四日市市や桑名市、菰野町まで行かなくてはならず、名古屋まで出なければという方も多かったんです。大きな都市なら困らないかもしれませんが、ここは県境の町。ご高齢の方が多く住む地域でもあるので、住んでいる地域で手術ができる施設ということにこだわっています。大がかりな検査や手術などが必要な場合は、大規模病院を紹介しています。患者さんは、ご高齢の方はやはり白内障を患う方が多いですね。お子さんは弱視や斜視で受診される方も。毎週、視能訓練士が大学病院から来て、検査や指導を実施しており、小児眼科にもしっかり対応しています。

地域格差のない医療のためにも設備機器に投資

設備機器にも力を入れているとお聞きしました。

水野史門院長 水野眼科3

検査や手術の質を高め、患者さんの負担も軽減するため、設備機器への投資は惜しまないようにしています。開業医となって、自分で納得する医療機器を選んで導入することができるのも、やりがいの一つですね。今後も勉強を欠かさず、常により良いものを取り入れていきたいです。少し専門的な話になりますが、具体的には、無散瞳で網膜中心から周囲まで高画質で撮影できる走査型超広角眼底カメラや、造影剤を使わずに撮影ができる3次元眼底像撮影装置などがあります。また白内障手術の際に使用する支援システムは、多焦点眼内レンズの挿入を正確かつ精密に行うため使用しています。手術前の検査データをもとに、手術中の顕微鏡にガイドを表示してくれるので、精度の高さにこだわって手術を行うことができます。

白内障の手術について、さらに詳しく教えていただけますか?

白内障の手術では、水晶体の袋の中の濁りを超音波で吸い出し、残った袋の中に眼内レンズを挿入します。挿入する眼内レンズは、保険診療の単焦点レンズ、乱視用眼内レンズのほか、先進医療の多焦点眼内レンズがあります。当院は先進医療実施施設ですので、先進医療の多焦点眼内レンズを使用した白内障手術に注力していますが、患者さんにとってそれが最適な選択とは限りません。レンズには見え方、費用を含めそれぞれ違いがありますから、患者さんの目の状態と生活スタイルに合ったものをお勧めしています。手術は基本的には日帰りで行い、術後はリカバリールームのリクライニングシートでゆっくり休んでいただけます。また、必要がある方には眼鏡をクリニックで作れるようにも体制を整えています。

他院との連携で入院も可能になったそうですね。

水野史門院長 水野眼科4

いなべ総合病院と連携を取り、当院で手術をした後の入院を受け入れてもらうという取り組みを始めました。送迎もしてもらうことができます。ご高齢や既往症などで体力のない方、一人暮らしで術後の生活に不安がある方、術後の通院が難しい方などにもとても良いシステムだと思っています。希望される方は多数いらっしゃいますし、患者さんやご家族の方も安心してくださいますよ。

スタッフを大切にしながら、さらなる医療の充実を

医師をめざしたきっかけ、眼科を選ばれた理由について教えていただけますか?

水野史門院長 水野眼科5

専門を選ぶ際に考えたのは、手術には関わりたい、ということです。その中で、眼科や耳鼻科などはチームでなくても少人数で行えるので、最初から最後まで患者さんと関わることができ、結果が見えるのが良いと思いました。当院の白内障の手術でも、患者さんが翌日「ありがとう」と喜んでくださるのでとてもうれしいですし、やりがいを感じますね。火曜の午後が手術日なので、水曜日が楽しみです。見え方に変化があると、皆さん明るくなりますね。これからも白内障手術の質を上げることに力を入れていきたいです。

設備の充実だけでなく、スタッフさんもたくさんいらっしゃいますね。

スタッフの人数は、個人経営の眼科医院としては多いほうかもしれません。医療事務が8人、視能訓練士が常勤1人、非常勤2人。検査機器がたくさんあるので多くのスタッフが必要なんです。看護師は常勤3人、非常勤2人。手術を行うので、やはり多く必要です。新しい検査機器がどんどん増えているので、それに対応するため、スタッフにも研修を受けてもらったり、毎週大学病院で勉強をさせてもらったり。スタッフも大変ですよね。スタッフの頑張りに対して私ができることは、休みが取りやすいようにするなど、環境を整え、楽しく仕事に取り組めるようにすること。それは、いずれ患者さんにも還元されると思っています。楽しくないとピリピリした雰囲気になり、患者さんにも伝わってしまうと思いますからね。

そうした配慮が、クリニックの雰囲気を一層明るくしているのですね。

水野史門院長 水野眼科6

治療や手術の場ではシビアになりますが、風通しの良い関係を大切にしています。白内障手術後の簡単な眼鏡を当院で作れるようにしたのも、実はスタッフの提案だったんですよ。昔、眼鏡店に勤務した経験のあるスタッフがいたので学んでもらったのです。術後は見え方がしばらく安定しないので、そのための仮眼鏡です。私一人ではこのクリニックは回らないですから、スタッフあっての水野眼科です。これからも、医療の質を上げること、地域で必要とされる医療とは何かを常に考えながら、右往左往しながら(笑)、これからも頑張っていきたいと思います。

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