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荒井 宏幸 院長の独自取材記事

Queen’s Eye Clinic

(横浜市西区/みなとみらい駅)

最終更新日:2021/10/12

荒井宏幸院長 Queen’s Eye Clinic main

新しい街で、新しい眼科医療を行いたいと「Queen’s Eye Clinic」を開設した荒井宏幸院長。木工職人の父から繊細な仕事に完璧をめざして取り組む姿勢を学び、防衛医科大学校に進み、自衛隊では離島勤務も経験したという経歴の持ち主だ。「目を失明から救う眼科医療も重要だが目はやはりよく見えることに価値がある」と屈折矯正手術を専門とし、裸眼でよく見えるように治療に積極的に取り組む。またスマートフォンやタブレット端末の普及による子どもの近視の増加にも「眼科医師の責任」として対策を模索する。海外の学会や講演などで活躍する一方、子どもや高齢の患者にも気さくに接し、わかりやすく説明する姿勢も印象的だ。そんな荒井院長にクリニックの特徴や眼科医療に対する思いを聞いた。

(取材日2019年6月10日)

新しい街で新しい眼科医療を行いたいと、開業した

まず、眼科医師を志したきっかけを教えてください。

荒井宏幸院長 Queen’s Eye Clinic1

医師や弁護士のようなライセンスのある、景気に左右されない仕事に就きたいと思い、防衛医科大学校に進みました。卒業後は、航空自衛隊に所属し、関連病院や基地で診療に携わっていました。眼科を選んだのは、木工職人の父譲りで手先が器用ですので、繊細な仕事が生かせる外科に興味を持ち、中でも眼科は、検査から手術まで自分一人で完結できること、そして手術が美しいことに惹かれました。顕微鏡やモニターで見ても眼球は美しいですし、白く濁った白内障の目が、手術が終わる頃にはきれいになることに感動を覚えたのです。

みなとみらいで開業されたのは、なぜでしょう。

眼科医師となった時からいずれは開業したいと考えていましたが、ずっと自衛隊にいて世間を知らなかったので、横浜の眼科クリニックに2年間勤務して、診療や、保険制度、経営などを勉強しました。医学の知識だけでは開業できませんからね。そろそろと思っていた時に、ちょうどここと出会ったのです。当時、みなとみらいはまだできたばかりでしたが、私は、レーザーを使って行う屈折矯正手術など新しい眼科医療に取り組みたかったので、「新しい街で新しい医療」というのがいいなと思いました。実際はまだマンションなどが建つ前で住民はゼロなので、まわりからは「やめた方がいい」と言われましたが(笑)。開業して半年後、8階に自費診療専用の「みなとみらいアイクリニック」も開設しました。

こちらのクリニックの特徴を教えてください。

荒井宏幸院長 Queen’s Eye Clinic2

診療面では、先進の設備を導入して、眼科医療の中で、外来診療として行うことのできるほぼすべての検査、処置、手術に対応することが特徴です。お子さんからお年寄りまで、さまざまな目の病気や不調、悩みをお持ちの患者さんが、市内全域はもちろん、神奈川県全体からも来られます。私は、屈折矯正手術という視力矯正の分野を専門としていますので、遠視、近視、老眼、白内障などの患者さんが多いですね。円錐角膜という角膜の中央部分の厚みが薄くなり、角膜が前方へ円錐状に突出する病気の患者さんが、病院などから紹介されてくることもあります。近視の進行予防も手がけていますので、いらっしゃる年齢層は幅広いですね。

「チーム荒井」としてスタッフのスキルアップにも尽力

診療をされる上で、どのようなことを大切にされていますか。

荒井宏幸院長 Queen’s Eye Clinic3

眼科領域は、眼内レンズなど新しい治療法が次々と開発され、日進月歩で進んでいますので、新しい治療、最新の眼科医療の提供ができるよう、積極的に海外にも出かけて学会などに参加し勉強しています。また欧米で行われている最新の治療の場合、日本では保険診療の枠組みの中では提供できないことが多く、世界の流れから遅れてしまっている面もあります。その中でも可能な治療法があれば導入して、なんとかして患者さんに提供できる環境づくりに努め、「よく見えるようになってほしい」というのが私の基本的な考えです。

スタッフの皆さんの対応を見ていると、行き届いている印象ですね。

患者さんは何か困ったことや不調があって来院されるわけですから、スタッフには、そこをくみ取って優しく接してほしいと考えています。また、開業したときに、スタッフが自分で学びアップデートしていくシステムづくりをしました。よく「チーム荒井」と言っていますが、長く一緒に働いているスタッフばかりなので、普段の私の診療をつぶさに見て、きっと私ならこう考える、こう説明するということを理解して進んで対応してくれるんです。もちろん最終的な判断は私が行いますが、これだけのスキルをスタッフが身につけてくれていると、私も信頼して任せられますし、患者さんが何を聞いてもスタッフが答えられるようになっていますから、患者さんの安心感も増していると思います。

開業して20年を経て、どのような感想をお持ちですか?

みなとみらいエリアは、マンションもたくさん建ち、人口も増え、当院も地域に浸透してきたと感じています。勤務医時代と異なるのは、事務仕事などが多いこと(笑)。診療だけしたい、手術だけしたいという思いもありますが、開業医は、経営者としてもエネルギーを使わないとクリニックが成り立たないと改めて感じています。20年を経て、自分の経営スタイルもある程度できてきたので、これからはそれを充実させていくという感じですね。

印象的なエピソードがあればお聞かせください。

荒井宏幸院長 Queen’s Eye Clinic4

若いのに重症の白内障になった方の手術をした時のことですね。ご本人も覚悟をもって手術を受けられたのだと思いますが、手術後、泣いて喜んでくださって。私も感動しました。あの出来事は忘れられませんね。また、自衛隊時代、離島にある診療所勤務も経験しました。自衛隊の医官はすべての診療科に対応する必要があるので、すべての科を研修します。離島に派遣された時などは、医官は一人ですから内科も外科も全部対応するんですよ。そのおかげで、今も、眼科以外の病気や治療のこともある程度わかりますし、他の診療科との連携もとりやすく、役に立っていると思います。

よく見える目で、安全で快適な質の高い生活をめざす

ところでお休みの日はどのように過ごされていますか。

荒井宏幸院長 Queen’s Eye Clinic5

休みはほとんどないんですよ。4階の当院と8階のクリニック、2ヵ所での診療を担当していますから、日曜日以外は診療日なんです。その日曜日も学会や講演に出かけることが多いですし。だから、休む時間がとれたら、家で映画を観ながら、ぼーっとしていることが多いですね(笑)。

今後の展望についてお聞かせください。

私は木工職人の父に、繊細な作業が求められる仕事に完璧をめざして取り組む姿勢を教わり、この器用な指を受け継ぎました。眼科医師という仕事はそんな自分によく合っている仕事だと感じています。今後はさらに、一人でも多くの方によく見えるようになっていただくために、新しい効果的な治療があれば積極的に学んで取り入れたいと考えています。クリニックとしては、白内障治療に加えて、緑内障や加齢黄斑変性など、加齢に伴い増えてくる目の病気への診療に重点をおきたいと考えています。またスマホなどの普及によって、子どもの近視の増加が世界的な問題にもなっています。子どものうちに強い近視になると、将来的に緑内障や網膜剥離を誘発しやすくなると言われています。早いうちに近視の進行を止めるような治療が必要なので、子どもの近視化を防ぐオルソケラトロジーなどの治療に力を入れるとともに、子どもの近視を予防啓発も行なっていきたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

荒井宏幸院長 Queen’s Eye Clinic6

私の専門は屈折矯正手術という、いかに裸眼でよく見えるようにするかという治療分野です。目を失明から救う眼科医療ももちろん大切ですが、やはり目は「見えてなんぼ」の器官です。地震や火災などの災害時には、裸眼で見えるかどうかが命にかかわることもあります。また、90歳や100歳まで健康でいても、目が悪ければ長生きを楽しむことはできません。よく見える目を維持するには、どうしてもメンテナンスは必要です。また眼鏡やコンタクトのわずらわしさを感じている方は多いと思います。今は、近視や乱視、老眼もかなり治せるようになってきているので、興味のある方はぜひご相談いただきたいですね。これからの長寿社会において、私たち眼科医師の果たす役割はとても大きいものになってくると思います。ぜひ多くの方に目の大切さを理解し、日頃から目を大切に感じていただきたいと願っています。

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