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小島 昌也 院長の独自取材記事

桜台診療所

(野田市/野田市駅)

最終更新日:2023/11/06

小島昌也院長 桜台診療所 main

千葉県野田市桜台のコージークリニックモールにある「桜台診療所」は、地域に根差した、かかりつけとして患者が通う診療所だ。誰もが気軽に通えるよう院内はバリアフリーの造りで、待合室も診察室もゆとりがあり、桜色と木目を組み合わせた温かみのある雰囲気が特徴。「家族を診るような気持ちで診療を行っている」と話す小島昌也院長は、流山市の東葛病院や野田市の診療所で経験を積み、2010年に同診療所を開設。小島院長に日々の診察にかける思いなどさまざまな話を聞いた。

(取材日2023年9月6日)

かかりつけ医として「病気」ではなく「人」を診る

まずこちらの特色について教えてください。

小島昌也院長 桜台診療所1

当院には0歳から100歳を超える方まで、地域にお住まいの幅広い層の患者さんが来院されています。乳児検診や予防注射、小児アレルギーの治療、酸素吸入をされた呼吸器疾患や糖尿病、生活習慣病など、幅広く多彩な症状・疾患に対して私が責任を持って診療を行っています。中には、診察とは関係のない「他院で処方された薬をチェックしてほしい」「家族の病気について教えてほしい」といったご相談もありますが、そういったご相談を伺うこともかかりつけ医の務めだと思っています。自分の考えがあっているのか、背中を押してほしい、というお気持ちも中にはあるでしょう。いろんな意味で患者さんに安心感を持ってもらえるような、誰もが気軽に来て、気軽に相談できる、地域のホームドクターでありたいと思っています。

診療において意識されていることは?

患者さんが何に困っていて、何を求めているのかをきちんと見極めたいと思っています。同じ症状、同じ疾患であっても、患者さん一人ひとりが求めていることは違います。痛みを取り除いてほしいのか、病気に対する不安を解消したいのか。その見極めは難しいのですが、患者さんの表情や言葉、しぐさにヒントが隠されていますので、患者さんの訴えに耳を傾け、何を欲しているのかを感じ取ってベストな診療を行うよう努めています。「病気」に目を向けるのではなく「人」を診る姿勢が大切ですね。患者さんの求めることにできる限りお応えしたいと思っています。そして安心感を得て家に帰っていただきたいです。

日々の診療におけるポリシーはありますか?

小島昌也院長 桜台診療所2

自分の家族を診るように患者さんを診察することです。そういう目線で接していると、簡単に診察してとりあえず薬を出せばいいというわけにはいきません。検査もできる限り痛みや苦痛のないように工夫したいと思いますし、病気に対する不安を抱えていないか気になります。治療を行ううえでは、できるだけ治療費がかさまないような合理的な方法はないか、点滴をしてほしいのか、それともできるだけ早く帰りたいのかなど多角的な視点で考えます。治療に対するお考えや、生活スタイルなどにも思いが及びます。当院を頼ってくださっている地域の患者さんは私の家族だと思い、きめこまやかな対応をしたいですね。「あの診療所に行けば安心」「桜台診療所が近くにあって良かった」と思ってもらえたらうれしいです。

地域の人々に喜ばれるような医療の実践を

ご開業から13年。患者さんの移り変わりのようなものはありますか?

小島昌也院長 桜台診療所3

この地域は比較的多世代でつながりのあるご家庭が多いような気がします。同じ家には住んでいなくても、近所に祖父母世代から孫世代まで住んでいる、昔ながらの大家族のような。祖父母世代を子どもや孫たちが連れてきたりすることも多いイメージです。ですが、患者さんが年月とともに歳をとられて、お越しになれない方も増えてきましたし、さみしいことながらお見送りする方もいらっしゃいます。私は、患者さんの生きてきた証として最期をどのように迎えられたいか、お元気なうちに希望をくみ取りたいと思っています。できる限りご自宅にいたい方もおられれば、病院で先端の医療をとことんまで受けられたい方もいる。ご本人だけでなくご家族のお考えもあるでしょう。絶対的な正解がないからこそ、患者さんとたくさんお話しして理解したいと思っています。

院長が考える地域に喜ばれるような医療とはどのようなものですか?

私は開業時から「地域に喜んでいただける医療」の実践を一番に考え診療にあたっています。地域にいつでも安心して気軽に行けるクリニックがあるというのは、患者さんにとって心強いものだと思います。ですから、患者さんには「気になることがあったらすぐに来て」と伝えています。初期のうちに対処できれば外来診療の範囲で治療でき、入院に至らずに済むことも多いのです。患者さんも心配事を抱えるよりも医師に相談したほうが気持ちも楽になるでしょう。診察して何もなければそれで安心できますからね。当院に来てくれた患者さんには私ができる限りの診療をして、外来診療だけで完結できれば、それが理想です。その一方で、地域の診療所でできる範囲は限られます。病状によっては病院へのご紹介も、地域医療に携わる医師の大切な役割です。より高度で専門的な治療が必要な場合には、適切なタイミングで専門医師のいる医療機関をご紹介するようにしています。

患者さんとのうれしかったエピソードはありますか?

小島昌也院長 桜台診療所4

以前勤めていた医院で診ていた患者さんがふと、当院に来てくれたときはうれしいですね。遠慮会釈がなく気軽に来てもらえる関係性を築けているのだなと、医師と患者の関係だけではなく人間同士のつながりを実感できます。また、病状が進行しているにもかかわらず来てくださった患者さんがいて、「先生に診てほしい」と他院から当院に移ってきたこともありました。「医師だから」というのではなく、一人の「人」として私を頼って来てくれたんだなと、人と人とのつながりを感じました。そこが地域医療の良いところだと思います。

穏やかに豊かな人生を過ごして欲しい

どうして医師をめざしたのですか?

小島昌也院長 桜台診療所5

私が高校生のとき、家族が喉の病気で闘病していました。食べられないし飲めない。呼吸も苦しそうでうめき声もあって、つらい場面を目の当たりにしました。総合病院できちんと治療を受けていたのですが、なんで最期にこんなに苦しそうな状態になってしまうのか、なんとか安らかな最期を迎えることはできないものかと思ったんです。そして、そのためには死ぬ間際だけでなく日々健やかに生きるような健康管理が必要だという考えに至りました。そのような経験から医師をめざすようになり、より身近に人の健康づくりに携わることができる地域医療に興味を持つようになりました。

休日の過ごし方を教えてください。

子どもがまだ小さいので、できる限り子どもと関わるようにしています。長いように思えて、実は親が子どものそばにいられる期間は短いんです。10年か15年かといったところではないでしょうか? 自分自身の趣味はいつでもできますから、今はできるだけ一緒にいて、大きくなってからも何でも相談してくれるような関係を築きたいです。特別に何かをするわけではないのですが、一緒にいて話を聞く、寄り添う、同じ空間にいるということが大切だと思っています。親子の関係も、患者さんとの関係と似ています。常に「いつでも何でも話を聞くよ」「いつもそばにいるよ」という姿勢でいることが、相手に安心感を与え信頼してもらえることにつながると思います。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

小島昌也院長 桜台診療所6

健康の秘訣は、できるだけストレスを感じずに穏やかに過ごすことだと思っています。怒りの感情はすべてを台無しにしてしまいます。しなくてはいけない、ということを思いすぎないで欲しいのです。そして人と比べないこと。自分の置かれた立場でできるだけのことをする。それが大切だと思います。またぜひ信頼できるかかりつけ医を見つけてください。住んでいる地域にいつでも何でも話せる医院があると、もし体のことで不安なことがあっても安心して頼ることができます。高齢になった時に、体のことに関して安心して相談できる場所があるというのはとても大切なことです。私はこの地域の患者さんにとって安心して頼ってもらえる存在となり、地域の皆さまに喜んでいただける医院づくりをしたいと思います。

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