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柏村 琢也 院長の独自取材記事

オーク内科クリニック

(富士見市/ふじみ野駅)

最終更新日:2022/01/17

柏村琢也院長 オーク内科クリニック main

「大地に根を張って立つ樫の大木のように地域に根差し、地域の医療に貢献したい」。「オーク内科クリニック」の院名には、院長・柏村琢也(かしむら・たくや)先生の、そんな思いが込められている。院内に流れる耳に優しいクラシックやジャズ音楽は、音楽が好きで自らピアノ演奏もする柏村院長のセレクト。大学病院では長く血液腫瘍の分野で力を注ぎ、後に一般内科、産婦人科における内科の診療を重ねた経験を生かし、小さな子どもや高齢者、妊婦、授乳中の母親まで幅広く診療を行っている。「開業時から大事にしてきた“一人ひとりを丁寧に診る”ことを、これからもしっかり貫いていきます」と、穏やかな口調で、けれど力強く話す柏村院長に、クリニックのことや地域医療にかける思いを聞いた。

(取材日2021年8月20日)

一人ひとりの患者を丁寧に診たい

広々として居心地の良い待合室ですね。

柏村琢也院長 オーク内科クリニック1

圧迫感がないようにソファーや椅子の配置を考えたら、結果的に広くなりましたね。椅子を縦列に並べると患者さんの目がみんな受付に向くでしょう。診察室では思いの丈をすべて話してほしいので、なるべく話を途切れさせずに患者さんの言葉を聞くようにしているのですが、すると診察時間はどんどん長くなる。ですから、「まだですか?」という視線が受付に集中せず、分散するような配置にしました(笑)。本や雑誌は、何軒かの本屋さんを時々巡って選んでいます。最近、この辺にも海外出身の方が住まわれるようになったので、言葉がわからなくても楽しめるように、旅の本を多めにしていますね。待合室に飾ってある2枚の絵はどちらも、趣味で絵を描くグループに入っている患者さんたちの作品です。ここが、グループの方々の作品発表の場になっているんですよ。毎月違う絵が見られるのを楽しみにしている患者さんも多いです。

とても丁寧に診療をしていると伺いました。

診察ではもちろん聴診なども行いますが、最も多くの時間を占めているのは会話です。診療の8割は会話で成り立っている、と私は考えています。その会話の中で、症状や悩み、患者さん自身気がついていないけれど治療のヒントになるような情報を拾い上げることが、治療の鍵になると思います。そのためには、こちらがある程度予測して質問し、答えを引き出すのでなくて、患者さんから自発的に出る言葉を待つことも必要です。診察では、患者さんの言葉を遮らずに受け入れることを大事にし、なるべく胸の内を話してもらえるようにしています。3~5分ほどで答えが見つかることもありますが、時には一人の患者さんに30分以上かかることもありますね。

患者さんの待ち時間は、長くなりませんか?

柏村琢也院長 オーク内科クリニック2

どうしても長くなってしまうことが多いのですが、受付の時に、「どれくらい待ちますか?」と聞いていただくと、例えば2時間ぐらいなど目安をお伝えしますから、順番を取っていただいた上で、買い物や食事に出たり、家に近い方なら自宅で過ごしたりして時間をお使いいただければと思います。そして、ご自身の診察の際には、時間を気にせず思いの丈を伝えていただきたいですね。1回で答えを出せなければ2回、3回と来ていただいてでも答えを見つけたいと思っていますし、その結果、必要であれば専門の先生もご紹介します。とにかく、一人ひとりの患者さんを丁寧に診療したいという思いですので、待ち時間は長くなりますが、そこは、最終的にお会計をして帰る時に、支払った金額以上の価値を感じていただき、来て良かったと思ってもらえるように努めていますので、ご理解をいただきたいと思います。

妊婦や授乳中の母親の診療にも対応

診療の際に心がけていることは?

柏村琢也院長 オーク内科クリニック3

治療や検査の内容を、なるべくわかりやすく説明するようにしています。診察室で私たち医師が話したことと、患者さんが受け取ったことには、少なからず差異が生まれるものです。病気の説明には薬や症状における専門用語もありますし、患者さんは具合が悪い状態で医師の話を聞いている場合もあります。ですので、わかりやすい言葉を選んだり、耳だけでなく目で見て理解していただいたりすることも大切だと思い、よく処方する薬に関しては実物を見てもらえる自作の説明用パネルを使うなどして、なるべくお互いの認識に差異が生まれないように伝える意識を持っています。また、検査でも無理強いはせず、こういう選択肢がありますよと、メリットとデメリットもお伝えします。いくつか治療法がある場合は、優先順位はつけますが、その中で選んでもらうこともあります。納得してもらうことが大切だと考えています。

妊婦さんや授乳中の方の診療もしていると伺いました。

以前、産婦人科の病院で内科を担当していた経験があって、そこの先生方と話をしているうちに、妊婦さんや授乳中の方の内科的不調の診察にも対応できるようになりました。妊婦さんと授乳中のお母さんの主な心配は、薬を服用しておなかの子どもに影響があったら、母乳に移ったらということですが、妊婦さんの場合、薬に注意しなければいけない期間を把握した上で、ポイントを押さえておけば問題は起きにくくなります。授乳中のお母さんには、「薬を飲んで2~3時間以内は母乳を与えない」など、いくつかのポイントがあるのでお伝えし、情報がまとまっているサイトもお知らせしています。妊活中の男性にも、例えば痛風の薬の中で精子に影響を及ぼすものがあるので、注意して薬をお出ししていますね。また子どものワクチン接種は、診療時間内ならいつでも受けつけています。小児科クリニックの指定された時間に行くのが難しい方などは、ぜひご利用ください。

特に記憶に残っているエピソードはありますか?

柏村琢也院長 オーク内科クリニック4

ある、急性骨髄性白血病の女性の患者さんのことですね。ご家族や周囲の方も協力してくださっていたため、良い関係で治療を進めていました。その後、女性のご兄弟がドナーになり骨髄移植まで行ったのですが、移植後にひどい合併症が出て、結果的に亡くなられてしまったんです。苦しんで痛がる彼女を励ましながら必死に治療を続けていた、その時の悔しい思いは、いつまでたっても忘れられませんね。

がん治療の経験をもとに、内科診療で患者を支える

医師を志したきっかけを教えてください。

柏村琢也院長 オーク内科クリニック5

子どもの頃はよく風邪をひいていて、近くの小児科に行っていました。その先生が、本当に人柄もよくフレンドリーな人で、何でも話せて、いろいろな話を私にしてくれました。私の父は会社員で、医師の話を聞く機会はほとんどなかったので、すごく新鮮に感じました。ある日、「先生のおうちの庭はすてきですね」と言ったら、先生は笑いながら「頑張って医師になればこういうお庭のある家が持てるようになるよ」と言ってくれて、いつかこの先生みたいに優しく子どもと何でも話せる大人になれたらいいなと思い、気がついたら医師をめざしていました。今も、特に子どもを診る時には、その先生のようになるべく心を開いて接するようにしているつもりですが、なかなか及第点とはいきませんね。

医師になってからは、どのような道を歩んできたのですか?

大学を卒業した後、白血病や悪性リンパ腫などの血液腫瘍を専門とする血液内科からスタートして、骨髄移植などもたくさん行っていました。大学院に行ったので、研究をしながら臨床や教育もしていたのですが、どれも楽しくて、このまま大学で頑張れたら良いなと思っていましたね。ただ、患者さんはがんの方が非常に多いので、結果としてその患者さんを救うことができない場合も多々あるのです。がん治療というのは、治療がうまくいく方についてはお互いに喜び合える一方で、残念な結果になると私たちも精神的にかなりつらい。患者さんと苦しみを分かち合うのは大切なことだけれど、なかなか厳しいのも事実なんです。それで、がんは早期発見と早期治療が大切ですから、一般内科の診療の中でそのための医療をするというのも医師として進むべき道の一つじゃないかという気持ちが芽生え、開業へとつながっていきました。

地域の方々へメッセージをお願いします。

柏村琢也院長 オーク内科クリニック6

患者さんのお話をすべて聞いた上で、当院で完結できるか専門の医師に紹介するかを判断しますので、「これは違うかな?」「こんなことを言ってはいけないのかな?」などとは思わずに、なんでも話してみてください。それがヒントになることもありますので、些細なことでもいいですから、思っていることをできるだけ全部、伝えていただきたいですね。そして、当院の間口は広く開いていますので、体調が悪くてつらいとか、困ったなという時は、いつでもどうぞいらしてください。

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