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木暮 悦子 院長の独自取材記事

木暮クリニック

(川崎市高津区/溝の口駅)

最終更新日:2021/10/12

木暮悦子院長 木暮クリニック main

溝の口駅南口から徒歩5分、高津区役所正面のメディカルモール3階にあるのが「木暮クリニック」だ。パステルカラーで色調が統一され、優しいクラシック音楽が流れる居心地の良い雰囲気の同院は、木暮悦子院長が専門である内視鏡検査で消化器のがんを早期発見、早期治療することで、一人でも多くの命を救いたいと考え開院。現在は、先進の内視鏡検査システムを用いた経験豊富な女性医師による検査を受けることができると広い地域から、多くの患者が訪れている。「死因の1位が大腸がんである女性に、大腸内視鏡検査を受けてほしい」と語る木暮院長に、同院のことやこれまでの歩みを聞いた。

(取材日2020年4月22日)

内視鏡検査による消化器のがんの早期発見に力を入れる

こちらは、どのようなクリニックですか?

木暮悦子院長 木暮クリニック1

当院が最も力を入れているのは、内視鏡検査による消化器のがんの早期発見と早期治療です。その中でも私の専門は、大腸内視鏡検査と治療なのですが、女性の死因の1位は大腸がんで、それで死なないためには、早期発見と早期治療しかないんです。そこで当院では、痛みなどできるだけ患者さんへの負担が少なく、精度が高い内視鏡検査に努めることで、がんを早期発見し、治療につなげることに取り組んでいます。当院では、大腸内視鏡検査に関わるのが、私を含めてすべて女性と、女性の方にも検査を受けていただきやすい環境を整えています。また、肝臓や胆嚢、膵臓を含む消化器内科、かかりつけ医として風邪や高血圧、脂質異常症、糖尿病、花粉症などの内科一般の診療も行っています。

このような情勢ですが、院内の感染症対策についてはいかがですか?

患者さんに安心して来院いただくため、お一人診察する毎に、診察室のドアノブや机・椅子・血圧計等の器具を全て消毒し、施設内の共用部分も定期的に消毒を行っています。また、スタッフ含め入場時や処置前後に手指消毒を行い、院内の換気も徹底しています。もし、発熱や感染症の疑いがある患者さんには事前にご連絡をいただき対応をします。診察も一般診療とは時間帯を分け、診療を別所にて行い、導線も完全に分けているため、一般診療で来院された患者さんが感染の疑いがある患者さんと院内で接触することは一切ありません。また、必要に応じて防護服を使用し、設備としても考えうるすべての取り組みをし、誰もが安心して受診していただけるようにしています。

負担の少ない大腸内視鏡検査とは、具体的にどのようなものでしょうか?

木暮悦子院長 木暮クリニック2

大腸内視鏡検査の痛みは、内視鏡を腸の奥へ進める時に、腸が引っ張られて伸びることで感じます。そこで当院では、少量の空気を入れながら大腸を伸ばさずに、ほぼ直線的に奥まで挿入する「軸保持短縮法」で検査を行っていますので、痛みを感じることは、ほぼないと思います。さらに、必要に応じて鎮静剤を使うので、患者さんは、ほとんど眠っているような状態で苦痛を感じないように検査を受けることができます。また、大腸ポリープを切除する必要があるときには、比較的小さなものであれば、切除後の出血が少ない「コールドポリペクトミー」という方法で行い、検査後の腹部膨満感が少なくなるよう検査には炭酸ガスを使用するなど、少しでも患者さんへの負担が少なく、安心して検査を受けることができるように工夫をしています。

大腸がんは、早期発見できれば治療が可能

ほかに工夫していることはありますか?

木暮悦子院長 木暮クリニック3

検査結果の説明を検査だけなら翌日、ポリープ切除を行った場合には、その病理検査の結果が出る10日目以降にしています。当日中に結果の説明を受けられるクリニックも少なくありませんが、検査が終わって、鎮静剤の効果がなくなるのを待ってから説明をしようとすると、特に検査をする人数が多い日は、患者さんを長時間お待たせてしまうことになるんですね。それに、一定時間が経過しても鎮静剤の影響が残り、説明を受けても内容を忘れてしまう患者さんもいますから、緊急を要する場合を除いては、後日にゆっくりと、モニターで実際の画像を見せたり、絵を使ったりして使ってわかりやすく説明したほうが、患者さんにもしっかりと理解してもらえると考えています。

先生の熱意と真摯さに、きっと患者さんも安心されるのではないでしょうか。

そうだといいんですけどね。私は患者さんと一緒に、ずっとがんと闘ってきました。医師としての今日までを振り返ると、いろんな思い出が甦ってきますが、今でも決して忘れることができない出来事があります。勤務医時代ですが、ある末期がんの男性患者さんを担当していました。その患者さんは、がんが見つかった時点でかなり進行しており、入院されてから1ヵ月で旅立つことになりました。その方には3人のお嬢さんがいたのですが、そのうちの一人が、私がその子の父親を献身的に治療している姿をみて、「私も先生みたいなお医者さんになりたい」と言ってくれたんです。そして彼女は医学部への進学をめざしました。それは本当にうれしかったですね。めざすべき医師像が、こんな私でいいのかしらと思ったぐらいです(笑)。

設備にもこだわっていると伺いました。

木暮悦子院長 木暮クリニック4

常に先進のものを導入するなど、大病院に行かなくても同等かそれ以上の検査を受けられる体制をめざしています。現在は、特殊な光を当てることで組織表面の微細な血管を鮮明に表示でき、がんなどの早期病変が発見しやすくなるNBIが搭載された新鋭のハイビジョン内視鏡システムを導入しています。さらに大腸内視鏡については、最大で約80倍まで画像を拡大できる拡大内視鏡を使いますので、その病変が腫瘍なのか、腫瘍であればがんなのか、良性のものなのかなどを組織を採取することなく、その場で診断することが可能です。また、胃と大腸の内視鏡の両方に細径内視鏡と通常内視鏡を用意して、患者さんが希望をすれば経鼻内視鏡の検査にもできますし、胃と大腸内視鏡の同時検査も可能です。

経験豊富な教授のもとで大腸内視鏡の経験を積む

先生は、なぜ医師を志したのですか?

木暮悦子院長 木暮クリニック5

祖父は医師で父は歯科医師と、おそらく私の周りに医療に携わる者が多かったからだと思います。父は私に、好きな道に進めばいいと言ってくれましたが、それでもやはり私が興味を持ったのは医学の世界でした。それで医学部に進学し、いろいろな診療科を回ってみましたが、その中で内視鏡に特別に関心を持つようになったんです。内視鏡というのは、モニターを通して実際に病気そのものを見ることができます。処置すべき部分、さらに踏み込んで言うなら闘うべき相手がそこにしっかり映っているので、内視鏡の分野は大きなやりがいや興味が持てる分野だと思ったんです。

その後は、どのような道を歩んだのですか?

医師に限らず内視鏡手術や大腸がんに詳しい一般の方の中にも、工藤進英教授の名前を知っている人はいると思います。大腸がんの治療で、国内はもちろん世界的にも知られる教授で、私はその工藤教授のもとで経験を積むチャンスに恵まれ、秋田赤十字病院や昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡による診断と治療をご指導いただきました。尊敬する教授のもとで研修、研究、そして診療するわけですから、必死で勉強しました。今だからこんなに笑いながらお話しできますが、その頃はめちゃくちゃ体育会系というか(笑)、朝早くからのカンファレンスに、患者さんの検査や診察をして夜は研究と、本当にハードな毎日だったんですよ。ただ患者さんを診るだけでなく、大腸がんの研究も私に課せられた仕事でしたから、ほとんど病院に寝泊まりしている状態でした。生活のほとんどが内視鏡を中心にまわっていましたね。

今後の展望とメッセージをお願いします。

木暮悦子院長 木暮クリニック6

開院から数年がたち、川崎市内や田園都市線沿線にとどまらず、東京都内や千葉県からもわざわざ患者さんが来てくれるようになりました。そんな患者さんの期待に応えるためにも医療の知識や技術、そして設備も常にアップデートを欠かさずに、地域に貢献できるクリニックでいたいです。そして、特に地域を意識したわけではないのですが、私はスポーツ全般が、中でもサッカーが大好きで、地元のチームを応援しています。だからというわけではないですが、これまで以上に、地域に根づいたクリニックにもしていきたいですね。そして当クリニックは、精度にこだわった内視鏡検査を、体への負担や痛みを少なく行うことで病気を早期発見し、治療につなげることが第一の目標です。加えて、かかりつけ医としての内科一般の診療もしていますから、体の具合が悪いときには、気軽に受診をしてもらえるとうれしいですね。

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