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梅田 佳樹 院長の独自取材記事

うめだクリニック

(伊勢市/伊勢市駅)

最終更新日:2023/01/19

梅田佳樹院長 うめだクリニック main

国道23号から南へ入った伊勢市小木町、「うめだクリニック」は数多くのクリニックや大型ショッピングモールが建つ街にある。日本泌尿器科学会泌尿器科専門医である梅田佳樹院長は、2010年に地域に根差したクリニックをめざし開業。三重県立志摩病院と伊勢赤十字病院と市立伊勢総合病院で、膀胱がんや前立腺がんの治療に多く携わってきた経験を生かし、クリニックで対応可能ながん患者のフォローアップや排尿管理に尽力している。精度の高い検査と患者に寄り添った治療方針を大切にする梅田院長に、注力している治療や可能な検査についてなど幅広く聞いた。

(取材日2022年9月15日)

地域に根差しがんのフォローと排尿の悩みを解決へ導く

医師をめざされたきっかけを教えてください。

梅田佳樹院長 うめだクリニック1

小学生の時に祖母が入院したことがきっかけだと思います。ちょうど津市にいた頃で、その後私が通うことになる三重大学に祖母が入院していて、よくお見舞いに行っていました。そこで実際の治療の様子や医師の姿を見て、自分も患者さんを治したいと医師に対する憧れを抱き、また医師という職業への敬意を感じました。その時から医師という職業を意識し始めたのです。医師の道を進み始めてからは、手術をする科へ進みたいという思いを持ち、加えて全身管理ができる医師でありたいという思いから泌尿器科を選びました。手術や化学療法による治療から終末期医療まで幅広い対応をしていく中で、全身を診ることができるようになりましたし、選んで良かったなと思っています。

皮膚科にはどのような患者さんがいらっしゃいますか? 訪れる方に特徴はありますか?

皮膚科は常に症状がある場合が多いので、生活する上で非常に嫌な病気が多いです。そのため「できるだけ早く解決する」を第一に考え、常に最短での治療法を探ります。患者さんは幅広い世代の方が来院されますので、昼間に働いていらっしゃる方も多く、土曜日の来院も多いので、土曜午後まで診察できるようにもしています。皮膚科は病気自体を治すことと、症状を緩和することを同時に考えます。例えば皮膚の状態は良くなっても、かゆみが残っているとストレスは解消されませんので、今後の発症を抑えるため、スキンケアなども含め、根本的な改善方法などをお伝えし、良い皮膚の状態を管理していただくよう指導もしています。

このクリニックの、地域での役割はどのようなことだとお考えでしょうか?

梅田佳樹院長 うめだクリニック2

当院に来る患者さんは、ほかにも疾患を抱えていて内科の治療をメインで受けている方が多いのです。そのため、患者さんのかかりつけ内科のクリニックとは、密に連携を取りながら治療をしていく必要があります。当クリニックだけで患者さんのお悩みをすべて解決するのは難しいので、自分の専門性を生かして患者さんの健康づくりに関わっていくことが地域での役割だと思っています。具体的な症状を挙げるなら、循環器や消化器の治療、在宅医療を受けている患者さんにあっても排尿関係で悩んでいる方は案外多いので、そこを解決に導くことは求められているのではないでしょうか。そのほかには、手術後の全身管理や排尿管理があります。今後は高齢化によって通院できなくなってくる方がだんだん多くなってくると思いますので、在宅でもフォローアップできる体制を整えていきたいと考えています。

豊富な知識を生かし、膀胱がんの早期発見に努める

治療方針をお聞かせください。

梅田佳樹院長 うめだクリニック3

できるだけ早く患者さんが抱えている問題を解決することです。そのために話をしっかり聞いて、必要な検査を高い精度で行うことを大切にしています。まずは「困っていることは何だろう」と考えてそのストレスを軽減していきます。そして、検査をした上で状態を見極めて、当クリニックで対応が難しい場合は、総合病院を紹介するという決断もなるべく早く下します。とにかく患者さんが早く悩みから解放されるように考えます。泌尿器科の疾患は、完治が見込めるものもありますが、基本的にはうまく付き合ってコントロールしていかなくてはいけないものが多いです。その上で、治療のエンドポイントを理解してもらう必要があります。例えば、夜4回トイレに起きてしまうことを0回を目標としてしまうといつまでも治療がうまくいかないとストレスを感じてしまいます。1~2回を当面の目標にするなど、エンドポイントを高くしないことも悩みすぎないために重要です。

どのような治療に注力しているのでしょうか?

注力している治療というと、がん患者さんが多いのでがんのコントロールでしょうか。前立腺がんと膀胱がんの方が多いので、内視鏡は先進のものを導入して検査の精度を高めています。前立腺がんはほかのがんと比べて進行が緩やかなので、治療方法を選択する時には、患者さんの体のことを考えた適した方法を選べるようにしています。私も勤務医時代には、前立腺がんと膀胱がんの治療に多く携わってきましたので、その経験を生かしてがんのフォローアップを適切に行うようにしています。総合病院が安心して任せられる体制を整えて、地域のクリニックとして連携することも大切ですね。

このクリニックで行える検査について教えてください。

梅田佳樹院長 うめだクリニック4

当クリニックでは、超音波検査と膀胱カメラ、レントゲン透視設備による検査が可能です。超音波検査では、腎臓の状態や残尿量などを診ます。膀胱カメラは胃カメラと同じように、膀胱の中の状態が一目瞭然でわかります。超音波ではわからないような病変も、膀胱カメラなら気づくことができますので、適切な検査を行うことで、最もあってはならないがんの見逃しを防ぐように努めています。実際、膀胱がんが疑われる方や健康診断で血尿が出た方が膀胱カメラの検査でがんが発見されるケースというのは多々あります。膀胱よりさらに上部の尿路の検査対処には造影検査を要することもあり透視設備で対応できるようにしてあります。皮膚科に関してはダーモスコープという特殊なスコープでの診断にも対応します。

患者目線で、些細な変化にも気づけるように

スタッフについて教えてください。

梅田佳樹院長 うめだクリニック5

スタッフは全部で9人、看護師5人、事務が4人です。当クリニックは検査が多いので、看護師にサポートしてもらうことが多いです。教育方針として掲げているのは、患者目線で接するようにということです。診療室にいると、待合室はまったく見えないので、事務のスタッフには患者さんの些細な変化にも気づけるように、いつも見ていてほしいと伝えています。患者さんの7~8割は高齢者なので、院内でケガをすることがないように入ってくるところから出ていくところまで、目を離さないようにしてもらっています。泌尿器科の経験がある看護師もいますので、お悩みを理解した上でのコミュニケーションも上手で、高齢者との接し方も慣れているスタッフが多いです。

患者との印象的なエピソードはありますか?

勤務医時代に担当した患者さんが印象的でしたね。前立腺がんを患っている患者さんで、腰椎に転移があり、それが神経を圧迫して立てない状態でした。入院当初には下半身まひで、ご自身でベッドから起き上がることすら難しかったのですが、ホルモン療法と放射線治療を頑張って受けておられました。ご本人の人生観も長い闘病生活の中で変わっていき、減量に成功してすごく生き生きしていたのをよく覚えています。「前向きな気持ちを忘れず、状況に屈することなく病気に向き合っていく」という強い気持ちが伝わってくるすてきな患者さんでした。

最後に読者の方へメッセージをお願いします。

梅田佳樹院長 うめだクリニック6

皆さんに伝えたいのは、やはり排尿に関することですね。頻尿や尿漏れで悩んでいる方は多いのですが、泌尿器科に行きにくいと感じる方はまだまだ少なくありません。しかし、尿が漏れる、我慢できなくなるというのは薬でのコントロールをめざす時代なので、ぜひ一度相談しに来てほしいです。症状が改善したら、尿のストレスや不安が軽減されます。行く先々でトイレを探さなくてもよくなるかもしれません。適切な検査をしながら、専門的に診させていただきます。特に女性の方は、妊娠や出産を経ると、どうしても骨盤の下の筋肉が緩みやすくなります。泌尿器科はハードルが高いと感じられるかもしれませんが、怖がらずに来てほしいですね。

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