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山田 一人 院長、小西 義克 先生の独自取材記事

やまだリウマチクリニック

(松山市/道後公園駅)

最終更新日:2022/02/09

山田一人院長、小西義克先生 やまだリウマチクリニック main

松山市樽味町にある「やまだリウマチクリニック」。院長の山田一人先生は、日本リウマチ学会リウマチ専門医、日本整形外科学会整形外科専門医として整形外科全般の診療に対応しているが、特に関節リウマチや変形性関節症の専門的な診断から治療に積極的に取り組んでいる。2020年4月より、山田先生と同じく日本リウマチ学会リウマチ専門医、日本整形外科学会整形外科専門医の小西義克先生を迎えた。2人はともに松山赤十字病院リウマチ科で研鑽を積んできた経験から、息がぴったり。超高齢社会を迎えた今、健康寿命の要ともいえる関節疾患に対する「老化への戦略を」と意気込む2人に、リウマチ治療への熱い志や患者への想いなどを話してもらった。

(取材日2020年8月25日)

リウマチ診療に特化したクリニック

開業までの経緯から教えていただけますか?

山田一人院長、小西義克先生 やまだリウマチクリニック1

【山田院長】松山赤十字病院のリウマチ科で13年勤務した経験をもとに、診断から治療、リハビリテーションまで、トータルで診ることのできるリウマチに特化したクリニックをつくろうと考えました。当院では、関節リウマチや変形性関節症に対する人工関節治療や薬物療法、リハビリテーションを中心に取り組んでいますが、全身の関節を傷める関節リウマチの治療をベースとして、膝や股関節といった単関節の疾患まで幅広く診ていけたらと思っています。

小西先生がこちらに勤務されることになったきっかけとは?

【小西先生】山田先生とは、私が医師としてまだ駆け出しの頃、松山赤十字病院のリウマチ科で3年ほど一緒に仕事をさせていただいた間柄でして、その後も公私ともにお世話になっていました。それから済生会西条病院や愛媛県立中央病院、愛媛県立今治病院などで整形外科専門医、リウマチ専門医として勤務をしてきましたが、山田先生からお誘いいただき、またご一緒できることになりうれしく思っています。

お二人が研鑚を積まれた松山赤十字病院は、全国的にも早くからリウマチ診療に取り組まれていたそうですね。

山田一人院長、小西義克先生 やまだリウマチクリニック2

【山田院長】松山は全国的にもリウマチ治療が進んでいるといえる地域なのですが、その礎を築いたのが、関節リウマチや人工関節の分野で知られる、私たちの師匠である山本純己先生。松山赤十字病院にリウマチ科を開設したのは山本先生なんです。当時は他の県にリウマチに特化した施設がなかったので、中四国から多くのリウマチ患者さんが訪れていました。だから愛媛って、リウマチの患者さんにとってはうれしい県だと思いますよ。私たちのように、松山赤十字病院のリウマチ科で経験を積んだ先生がたくさん開業しています。

こちらはどんな患者さんが多いのでしょうか?

【山田院長】けがなどの外傷による患者さんも来られますが、主に関節リウマチや変形関節症などの慢性的な疾患がメインですからご高齢の患者さんが多いですね。関節リウマチの発症は40代〜50代に多いので、壮年期から患者さんが増えてきます。ただ、若年性のリウマチや70代〜80代で発症するケースも増えているので、割と年齢層は幅広いです。女性の場合、更年期や出産後にリウマチを発症するケースが多いのですが、これは女性ホルモンが関係していると考えられています。リウマチは自己免疫疾患なので、ホルモンの変化が一因だともいわれているのです。また、リウマチはまだ完治が難しい疾患ですから、勤務医時代に診ていた患者さんともいまだにお付き合いがあるんですよ。香川や高知から通院されている患者さんもいらっしゃいます。

治療からリハビリまでトータルマネジメント

関節リウマチの治療について教えてください。

山田一人院長、小西義克先生 やまだリウマチクリニック3

【山田院長】これまでの薬物療法では治りにくかった患者さんにも効果が期待できる、通称バイオと言いますが「生物学的製剤」が開発されたことで、薬物療法は劇的に進化しました。当院での治療においても、関節破壊の進行を抑えるために積極的に採用しています。ただ、関節破壊が進行している患者さんには手術による人工関節の治療も視野に入れて、お一人お一人に適切な治療をご提案。そして当院では、クリニックとして薬物療法、手術、リハビリテーション、そして心のケアという4本柱で患者さんをトータルマネジメントすることをコンセプトとしています。

患者さんと接する際に心がけていることを教えてください。

【山田院長】関節リウマチは一生付き合っていく疾患ですから、私も一生面倒みますという気持ちで患者さんと向き合っています。リウマチの痛みは本当につらいもの。今日も痛い、明日も痛いという日々に疲弊し、リウマチ性のうつ病を発症する方もいらっしゃいます。皆さん最初は治るのかという不安を抱えて来られますから、まずはそういった痛みや悩みを全部お聞きすることから始めます。そしてリウマチという疾患と関わる中で患者さんとの信頼関係を築き、薬物療法や手術により患者さんが疾患とうまく付き合っていけるよう努めています。
【小西先生】私は人工膝関節や人工股関節の手術を専門としていますが、薬物療法も含め患者さんにとって最適な治療をご提案するため、まずは正確な診断に注力しています。そして、なるべくわかりやすい言葉でご説明すること、当たり前ですが思いやりを持って丁寧に接することは常々心がけています。

やりがいを感じるのはどんなときでしょうか?

山田一人院長、小西義克先生 やまだリウマチクリニック4

【小西先生】関節リウマチや変形関節症の診療においては、診察から治療、リハビリまで、一貫して1人の医師が責任を持って診られることですね。例えば内科系の疾患ですと、内科医師が内視鏡などで検査・診断をして外科医師が手術を行う。術後は薬物療法を行う場合は再び内科医師が担当する……という流れが一般的ですが、リウマチに関してはトータルで診られることに特にやりがいを感じます。
【山田院長】患者さんの笑顔。これに尽きますね。患者さんから返ってくる笑顔を見られることが一番幸せな瞬間です。リウマチは本当につらい病気ですから、最初は暗い表情で来られる方が多いのですが、通院治療を通してだんだん表情が明るくなっていくプロセスには、なんとも言えぬ喜びがありますね。

したたかに老いる、老化への戦略をサポート

患者さんとの印象的なエピソードを教えてください。

山田一人院長、小西義克先生 やまだリウマチクリニック5

【小西先生】これまでたくさんの患者さんを診てきましたが、一番苦労したのは愛媛県立中央病院時代、関節リウマチにより他院で股関節に人工関節を入れた患者さんが感染を起こし大変な状態で来られた時です。人工関節を抜去し、感染に対処した後再置換手術を数回行い、なんとか治療することができました。その後どうなったかなと気に留めていたのですが、偶然にも当院に通院されていたんです。それで私が勤務を始めたのを機に、再び担当させてもらえることになりました。本当に良かったなと、医師冥利に尽きる再会でした。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【山田院長】関節リウマチは、一つの関節のみならず、多関節に障害を来す疾患です。私は、長らくリウマチの患者さんと接する中で、多関節機能障害を克服し、うまく日常生活をこなしていく様子に学び、逆に励まされてきました。私は運動器疾患の治療においては、多くの関節を患うリウマチをベースとして考えて良いのではないかと考えています。リウマチの治療デザインをユニバーサルデザインとして、患者さんの関節を健やかに活動させるために生かすことができればと思いますので、膝や股関節など、関節に痛みが生じている場合は、気軽に受診いただけたらと思います。超高齢社会を迎えた今、したたかに老いるための戦略を一緒に考え、モチベーションを高めながら老化に立ち向かっていきましょう。

小西先生もメッセージをお願いします。

山田一人院長、小西義克先生 やまだリウマチクリニック6

【小西先生】診察から治療、リハビリテーションまで、初診から一貫して患者さんとお付き合いできるというのは基幹病院にはない強みだと思いますし、そこにクリニックとしての存在意義があると実感しています。私は今まで主に人工関節や肩などの関節外科、四肢骨折を中心に整形外科の研鑽を積んできましたので、当院でも関節リウマチや変形関節症による股関節や膝の痛みはもちろん、骨粗しょう症に伴う骨折外傷など幅広い分野での整形外科的治療を行っていきたいと考えています。四肢関節の痛みに困っておられる方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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