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加藤 瑞規 院長の独自取材記事

加藤内科小児科医院

(大田区/武蔵新田駅)

最終更新日:2021/10/12

加藤瑞規院長 加藤内科小児科医院 main

東急多摩川線の武蔵新田駅から徒歩約3分。加藤内科小児科医院は、1968年の開院から長く地域医療に貢献してきた。外科医師の父、小児科医師の母を見て育ち、自身も内科と小児科の医師として日々の診療に注力する加藤瑞規院長は、大学卒業後、大学院に進み内科の医学博士を取得。「大人も子どももきちんと診れてこそ本当のかかりつけ医」という思いから、大学病院の内科で腕を磨いた後、小児科医師として日本小児科学会小児科専門医の資格も取得。その経験から、検査の重要性やきめ細かいアドバイスで地域住民の健康を見守るベテランドクターだ。穏やかな語り口が印象的な加藤院長に日々の診療や地域医療への思いを聞いた。

(取材日2018年8月6日/再取材日2021年1月30日)

内科、小児科に精通し、幅広い年齢層の悩みに寄り添う

開院から50年以上と伺いました。

加藤瑞規院長 加藤内科小児科医院1

前院長である僕の母親が先輩医師から小児科医院を継承し、1968年に開業しました。母は今も非常勤として手伝ってくれていて、昔から診ている患者さんに請われて訪問診療も行っています。患者さんは生まれたての赤ちゃんから100歳を超える方まで幅広いですが、長く通われている方が多く、3世代にわたって診させていただいているご家庭や、母との会話が楽しみで来られる方も少なくないですね。診療面では、風邪はもちろん、高血圧や糖尿病といった生活習慣病、喘息や呼吸困難などの呼吸器疾患の患者さんも多くいらっしゃいます。もともとこの辺りには工場と中小企業が多かったのですが、次第にマンションに変わり若い家族が増えてきました。当院も僕が院長になってから患者さんの年齢層が幅広くなってきていますね。

先生が着任されたのはいつですか?

2003年から副院長としてこちらで診療するようになり、2014年に母の意思を引き継いで院長に就任しました。それまでは大学の関連病院に勤務していましたが、勤務医時代と異なり、開業医は患者さんの生活背景にも配慮する必要があると痛感しました。例えば、患者さんにとって検査や薬がどのくらい経済的な負担になるかを考え、長く治療が必要な生活習慣病の場合は、ジェネリック医薬品を出すことも。ただ、それらは先発医薬品と作用がまったく同じでない場合もあるので、これまでの診療の経験と薬に関する変遷を見てきた知識から、患者さんに合う薬の見極めを行っています。最近では、総合的な診療が注目されていますが、そもそも昔は、内科の医師は総合診療をすることが当然でしたし、その時代に診療を行ってきたことは良い経験になっていると思います。

先生の診療方針を教えてください。

加藤瑞規院長 加藤内科小児科医院2

患者さんの訴えの中に、診断のヒントとなるようなことが隠されていないかを聞き出すよう心がけています。例えばお母さんは、お子さんの咳がひどくなった時期だけをおっしゃる傾向にあります。咳が長く続いている場合、風邪以外の他の病気の可能性も考えられます。診断には予診がとても重要なので、お母さんはお子さんをよく観察して、「ひどくなった」時だけではなく、その咳は「いつから」始まったのか、を教えていただきたいです。患者さんの話が複雑な場合でも、質問を重ねて1本の筋を導き出し、原因となる病気を見極めることが内科医師の原点です。また、患者さんの痛みや苦しさを少しでも和らげることも心がけています。自分自身が病弱な子どもでつらい思いをしてきたので、特にお子さんに関しては迅速に対応しています。

長年にわたりさまざまなかたちで地域医療に貢献

先生のこれまでの経歴を教えてください。

加藤瑞規院長 加藤内科小児科医院3

大学病院や関連病院では、呼吸器疾患を中心に内科全般における研鑽を積みました。いずれは当院を継ぐことを考えていましたし、「子どもも大人もトータルに診られる医師」こそが真のかかりつけ医だという思いがあり、その後は小児科も勉強すべく内科医局から小児科医局に移りました。小児特有の病気や年齢変動による症状の変化など、内科の医師では判断の難しい点が多くあります。逆に小児科の医師では生活習慣病や大人のがんの発見は難しい傾向があります。大学病院の医局では内科と小児科の両方を学び、内科の医学博士号とともに日本小児科学会小児科専門医の資格を持つ医師はそれほど多くはないと思いますので、そこが僕の強みですね。

豊富な診療経験をお持ちなのですね。

旧・東邦大学大森病院や、旧・東邦大学医学部附属大橋病院の小児科、個人病院などに勤務し、内科でも小児科でも医長を務めました。また不思議と珍しい症例の患者さんを診ることが多く、後輩に「先生が当直する日はいつもバタバタしますね」などと言われていました(笑)。神津島にドクターヘリで飛んだことも、コレラ菌感染症の患者さんを診たこともあります。ふらつきで来院した患者さんの心臓病を発見したり、重い貧血で精密検査が必要と診断し病院に紹介したところ、大きな子宮筋腫が見つかった患者さんもいました。こうした経験を積み重ねたおかげで、どの年齢でも、また多様な症状の患者さんにも自信を持ち対応できるようになりました。また、患者さんのお体だけでなく、一人ひとりのお気持ちに寄り添うことも大切にしています。心身ともに健康になっていただくことが目標です。

夜間診療にも貢献されていらっしゃるそうですね。

加藤瑞規院長 加藤内科小児科医院4

夜間の救急は大学病院に集中してしまい、当直の先生方はごはんも食べられないような状況になりがちです。特にこの地域は小児を診る病院が少ないため、東邦大学医療センター大森病院が1次救急から3次救急まですべて診なくてはいけません。当院ではその負担を少しでも緩和できるよう夜8時から11時ぐらいまでの、毎月救急が集中しやすい時間帯に小児科をお手伝いしていたこともありました。

先生は東京都の診療報酬明細書審査にも携わられているそうですね。

いろいろな仕事を引き受けているんです。社会保険診療報酬支払基金の審査委員として診療報酬明細書を審査する業務を東京都から委託されて行っています。池袋まで赴き、1日6時間から7時間パソコンの画面上で審査を行います。ほぼ1日かかる作業なので、平日の診療後では時間が足りないため、土曜日、日曜日に集中して行っています。父親も携わった業務なので、自分もその意志を引き継ぎ長年続けています。

豊富な診療経験に基づいたきめ細かいアドバイス

最近の診療で気になる傾向などはありますか?

加藤瑞規院長 加藤内科小児科医院5

地域の学校医と園医を務めているので、検診の時に子どもたちの1週間の排便をチェックするのですが、毎日排便があるという子どもは全体の半分しかいません。便秘の子どもが増えているなと感じています。僕の母親の時代には、「朝ごはんを食べてこない子はプールに入れないよ」と言って、朝ごはんをしっかり食べてくるよう促していたようですが、僕は早寝、早起き、朝ご飯に加えて、朝トイレも加えたいですね。朝は忙しいと思いますが、それぐらい余裕を持ってもらいたいと思います。子どもの頃からの便秘は大人になっても続くことが多いので、子どもの頃から改善を心がけることが大切です。

子育て中のお母さんやお父さんへのアドバイスがあればお願いします。

例えば、予防接種の時にお父さんが赤ちゃんを連れて来られるのですが、あまり抱き慣れていないせいか、抱っこの仕方がよくわからない場合があります。赤ちゃんは注射をするとビクンと動きますから、それに対処できないことがあるのですね。予防接種の時こそ、普段から抱き慣れているお母さんが抱っこするほうが安心なのではないかと思います。お母さんとしては、お父さんにも育児体験をという思いがおありなのでしょうが、「少し危険が伴いますよ」と、お伝えするようにしています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

加藤瑞規院長 加藤内科小児科医院6

人生100年時代ですから、検診を受けて病気の早期発見、早期治療につなげることが大切です。ロコモティブ症候群や寝たきりになってしまっては大変ですから、良質なたんぱく質を取り、筋肉をある程度つけて散歩することを推奨しています。当院の患者さんには、1日30分3キロ、歩き慣れていない人は遠くまで行かず家の周りをぐるぐる周り、疲れたら家の中に入りましょうとお話しします。4キロ歩けるようになったらスピードを上げて、間食や糖の多い飲み物は控える。目安40代になったら検診を受けて、病気の早期発見、早期治療を心がけてください。ご家族皆さんの一生のかかりつけ医として当院を選んでいただけることが何よりうれしいことですから、これからも地域医療に貢献できるよう日々の診療に取り組んでいきたいと思います。

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