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繰り返すスポーツ障害を防ぐには
活動量を上回る体力づくりが重要

むこがわ整形外科・スポーツクリニック

(西宮市/鳴尾・武庫川女子大前駅)

最終更新日:2021/03/02

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  • 保険診療

競技の第一線で活躍するアスリートだけでなく、プロ選手をめざす子どもたちや生涯スポーツを楽しむ市民など、今日では多くの人が日常的にスポーツに取り組んでいる。ただ、スポーツではけがや障害に見舞われることも多く、その程度によってはキャリアや選手生命、また日常生活にも大きな影響が生じる。長らくアスリートの診療に携わってきた「むこがわ整形外科・スポーツクリニック」の相澤徹院長は、「故障を治すだけでなく、故障しにくい体力を持つことが大事なんです」と力を込め、けがや痛みのメカニズムを知る重要性や、スポーツでの活動量を上回る体力づくりを提唱している。そこで今回は院長に、スポーツ障害の原因や予防に関する基本的な考え方を、詳しく解説してもらった。(取材日2020年12月7日)

必要な活動量に対応できる筋力と柔軟性を育てることが、スポーツ障害の予防となる

Qスポーツ障害とは、どのような疾患や症状を指すのですか。
A
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▲アスリートも多く診てきた相澤先生

スポーツでは、骨折や肉離れ、靱帯損傷などのように1回の衝撃でけがをすることがあります。これを「スポーツ外傷」と呼びます。これに対して同じ動作を繰り返すうちに徐々に痛みを感じるようになるのが「スポーツ障害」です。例えば腰痛、野球肘や野球肩、ジャンパー膝、サッカー選手に多いオスグッド病などです。繰り返し力、つまりストレスがかかる状態に対して、それを支える「体力」がないと、炎症を起こし痛みが出ると考えています。ただ、スポーツ障害はスポーツ外傷とは異なり症状が少しずつ進行するので、患者さんはなぜ痛みが起きたのか理解していないことも多く、その原因を突き止めて解消していくことが、根本的な治療になるのです。

Qスポーツ障害が起こる仕組みを、詳しく教えてください。 
A
2

▲筋力や柔軟性をつけることはスポーツ障害の予防につながるという

先ほど、「体力」がないから痛みが起こると言いましたが、ここでの体力というのは、筋力と柔軟性を意味しています。スポーツ障害は、運動での活動量がプレイヤーの筋力や柔軟性を上回った場合に起きやすいのですね。体力と活動量を天秤にかけて考えてみると、体力が活動量を十分に上回っていれば、自分の重みや動作を支えられますので、不具合が起きることは少ないでしょう。ただし必要とする体力は、競技やポジション、動作によって大きく異なります。そこで当クリニックは、痛みの解消を図ると同時に、各患者さんが必要とする活動量を上回る筋力と柔軟性をつけることに注力しています。実は、仕事や家事などの日常動作でも同じことがいえます。

Q筋力と柔軟性をつけるためは、どうすればよいのですか?
A
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▲理学療法士のスタッフは患者の痛みと不安に丁寧に寄り添う

まず、自分の体の組成についてよく知ることが大事です。痛みがあると「減量が必要では?」と思いがちですが、減量よりも筋肉量が必要になることが多いのです。その指標になるのが体組成のバランスであり、体脂肪率です。高いレベルでスポーツをしている方でも体脂肪率が高いと、故障しやすい。体脂肪率を下げるには、低脂肪・高タンパク・低カロリー、できれば低糖質の食事を意識し、筋力トレーニングで体を適度に引き締めます。さらに柔軟性を高めるためのストレッチが非常に重要です。例えば野球の投球動作では、肘だけでなく肩、腰、膝、足と全身を使いますよね。各関節が広くしなやかに動けば、腕にかかる力を上手に支えやすくなります。

Qこちらの診療やリハビリテーションについて教えてください。
A
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▲一人ひとりに合ったオーダーメイドの計画を立てる

痛みのある部分では炎症が起きているので、そこは痛まないように過ごし、もし使った場合には20分だけアイシング。同時に運動指導を中心とした運動器リハビリ、具体的には患部だけでなく全身の筋トレとストレッチを、理学療法士とともに行います。また、食事や休養についても繰り返し指導して患者さんの行動変容を促し、体組成の改善へとつなげていきます。当クリニックのDEXA法骨密度測定装置では、脂肪量、非脂肪量、骨量などの体組成を体の部位別に測定しますので、リハビリや食事による体組成の変化を数値で厳密に確認できます。十分な筋力強化と柔軟性の向上を図り、スポーツ障害を再発しない体づくりをめざします。

Q日常生活では、どのようなことに気をつければよいでしょうか。
A
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▲日々の健康的な生活習慣も予防には重要であると語る相澤先生

まずは食事の変容を試みることです。最近では加工食品に栄養成分表示が義務づけられていますので、自分で脂肪の量を確認して選ぶことができます。また、参考程度ですが体脂肪率を測る機能のついた家庭用の体重計も増えているので、体重と体脂肪率を毎日同じ時間に測定し、手帳やスマホに記録します。こうすると日々の増減が目に見えるので、皆さん食事内容が自然と変わってきますよ。私自身も1年以上続けて、成果が出ています。また、寝る前には20分以上入浴して体を温めて血の巡りをよくする、午後10時から午前2時の間は成長ホルモンが出やすいのでなるべく眠るといったことも、活動量や年代を問わず意識してほしいと思います。

ドクターからのメッセージ

相澤 徹院長

スポーツ障害は徐々に進行しますので、痛みが出たときにはかなり悪化していることもあります。例えば子どもの野球肘。肘は痛みが出にくい関節であり発見が遅れがちで、しかも成長期の間でないと治療は困難です。子どものスポーツ障害は、体格や運動能力の成長とも関わっていますので、保護者や周囲の指導者が正しい知識を持ち、日頃から子どもを注意深く見て、早期発見につなげてほしいです。また、日頃から筋トレやストレッチを行う習慣があれば、スポーツでも日常動作でも痛みや故障そのものが起こりにくくなります。ぜひ、自分の活動量や体組成、そして予防の重要性を知ってもらい、気がかりがあればなるべく早く相談してほしいですね。

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