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保険適用のうつ病治療
総合病院で受けるrTMS療法

荏原病院

(大田区/洗足池駅)

最終更新日:2020/12/29

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  • 保険診療

薬物療法では十分な効果が認められない成人のうつ病患者への治療法とされるrTMS療法は、アメリカ、イギリス、カナダを中心に研究が進められ、日本では2017年に承認された新しい治療法だ。治療を行う医療機関にも施設基準などがあることで、治療を受けることのできる医療機関が限られているが、2019年に保険適用となり、今後ますます広まっていくことが予想される。そこで、アメリカで10年間この治療について研究を重ね、帰国後、日本国内のうつ病で苦しむ人の力になりたいと積極的に治療に取り組む荏原病院精神科部長の成島健二先生に治療の概要を聞いた。(取材日2020年9月14日)

薬物療法で効果が認められないうつ病にアプローチ。2019年から保険適用に

QrTMS療法とはどんな場合に用いられる治療法ですか?
A
1

▲rTMS療法の治療対象かどうかを診察

中等症以上のうつ病と診断された人で薬による治療法では十分な改善が認められない場合に行う治療法です。専門家が処方した薬であっても効果が得られない場合、ほかの薬を使ってみたり、認知行動療法や電気けいれん療法(ECT)などを行いますが、薬は「効果が出るまで時間がかかる」、認知行動療法は「専門家が限られている」、ECTは「強い治療」というイメージがあることから、その隙間を埋める治療が求められていました。2008年にアメリカで承認された後、日本では2017年に承認、2019年には保険適用となり、一定の条件を満たす患者さんに対して治療が可能になりました。

Q具体的な治療法を教えてください。
A
2

▲治療期間は経過を見ながら進めていく

rTMS療法は頭に特別なコイルを当てて電流を流し、磁気エネルギーを介した電気刺激で頭蓋内を刺激するという治療法で、うつ病と関係が深いとされる脳の一部を活性化させ、うつ症状を抑制していきます。ECTと違って麻酔もいらず、強いエネルギーを使わなくてもうまく頭蓋骨を避けて脳を刺激していくことが可能です。具体的には、1秒あたり10回の刺激を連続4秒間、30秒ごとに75回を繰り返して1日に3000回の刺激を与える治療を週に5日間行い、それを最大6週間続けます。改善の程度によって治療期間は増減しますが、治療に反応しない場合は早期に終了することもあります。

Q治療における注意点はありますか?
A
3

▲磁気エネルギーを介した電気刺激で頭蓋内を刺激する

治療中の音が大きいため医師も含めて耳栓をする必要があります。頭にコイルをぴったりと押し当てて直接頭の筋肉を刺激するため、ピクピクしたりヒリヒリするような頭痛や筋肉痛が起こることがあります。また、重篤な副作用としてけいれん発作が起こることがありますが、これは非常にまれなケースと言っていいでしょう。副作用がまったくないとは言い切れませんが、過剰に心配する必要はないと考えています。この治療は18歳未満の人、頭部に金属が入っている人、心臓ペースメーカーを使用中の人、てんかんやけいれん発作の既往がある人、妊娠中や重篤な身体疾患がある人などは受けることができないため、まずは医師にご相談ください。

Q治療を受けたいときはどうすればよいですか?
A
4

▲rTMS療法を受けられる施設は都内でも数少ない

現在、rTMS療法を保険診療で行うためには、厳しい基準を満たす病院での6週間の入院加療を前提に、定められた研修を受けた精神科専門の医師によってのみ行うこととされているなど、いくつかの条件が定められているため、治療を積極的に採用している医療機関は多くないのが現状です。都内の病院では当院のほか、慶應義塾大学病院、東京慈恵会医科大学附属病院などでも対応していますので、治療を希望される場合や興味がある方は、まずは対応している医療機関に連絡することをお勧めします。

ドクターからのメッセージ

成島 健二先生

当院では、まだ保険適用外だった2017年からrTMS療法を開始しました。精神科の先進かつ専門的な治療ですが、ご存じのように当院は地域に密着した総合病院です。声をかけやすくフレンドリーな対応を心がけていることに加え、治療は開放病棟で行われるため、一般病棟とまったく同じ環境の中で行われます。この点が、rTMS療法における当院の特徴であり、ここで受けることのメリットだと考えています。時間のかかる治療法なので同時にたくさんの患者さんを受け入れることはできませんが、感染症対策も十分に行っていますので、興味のある方はぜひご相談ください。私が長年アメリカで研究してきたことをもとに最善の治療をめざします。

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