1度治療したのに違和感がある?
長期保存をめざした精密根管治療
ふじた歯科クリニック
(大阪市西成区/岸里駅)
最終更新日:2023/11/13
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細菌感染や炎症を起こした歯の根っこから神経を取り除き、痛みや腫れを抑えるために行う根管治療。目に見えない部分の治療であるため関心を持つ人はまだまだ少ないが、歯を保存するために重要な治療の一つだ。しかし、「ふじた歯科クリニック」の藤田昌弘院長は、「適切な治療が行われていないため再治療を繰り返し、その結果歯を失う人は少なくない」と話す。そこで同クリニックでは、「一本の歯に着目して、その歯を残す」ことを大切にした精密根管治療を実施。終わらない根管治療や治療後の違和感に悩む人を減らすために注力している。目に見えない部分にこそこだわり、患者との十分なコミュニケーションのもと行う精密根管治療とはどのようなものなのか。その治療の特徴や考え方について詳しく話を聞かせてもらった。
(取材日2023年9月14日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q根管治療を受けた後も歯に違和感が残る原因は何でしょうか?
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A
根管治療後に歯に違和感が残る一番の原因は、不十分な治療です。根管とは歯の中にある、神経が入っている管のことで、根管治療とは根管内の神経や汚れを取り、薬で密閉することです。この根管は非常に複雑な形をしており、その形を把握しながら治療することは技術が必要です。歯の違和感や痛みの大半は、この不十分な治療が原因で起きていることが多いので、違和感を感じたらまずは治療が十分かどうかチェックしてもらいましょう。また、一度治療を受けたかどうかご自身で覚えていらっしゃらない方もいます。そんな時も、一度来ていただければ当院で診断いたしますので、歯の違和感や痛みで悩まれている方は、お越しいただければと思います。
- Q他院で根管治療を受けた後でも治療は可能でしょうか?
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A
当院には「治療をしているけれど一向に良くなる気配がない」「違和感が抜けずつらい」「痛くて噛めない」など、セカンドオピニオンのために受診される方も多くいらっしゃいます。当院を受診したから絶対に当院で治療を受けなくてはいけないわけではなく、治療をするかどうかを選択するのは患者さんご自身です。例えば、自分が受けている治療に不安を感じて受診されたものの、当院で現状についての説明を受けた結果安心できれば、元の歯科医院に戻って治療を続けられてもいいと思います。悩みながら再治療を繰り返していれば、歯の寿命を縮めることになるかもしれません。大切な歯をなくさないためにも、早めの相談を心がけましょう。
- Q貴院で行っている精密根管治療の特徴について教えてください。
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A
当院の精密根管治療のゴールは「5年先、10年先も痛みや違和感が発生しない歯」です。長期的な予知のもと精密根管治療を実施することを心がけており、根管の形を理解して治療することも最大の特徴ですね。複雑な神経の形を把握するためにも、治療の際は歯をマイクロスコープで直接見るだけでなく、直接見えない根管もCT撮影で3D画像にして見ます。精密根管治療は、マイクロスコープやCTで何度も神経の形の確認を行うことが重要となりますが、保険診療には撮影の限度があります。なので、当院では自費診療にも対応しております。よく説明を聞いていただいた上で、患者さんの未来に照らし合わせ、ご自身で決めていただければと思います。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診・口腔内の撮影
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痛みや違和感の原因を追究する問診とエックス線撮影からスタート。痛みの状態や痛みが出始めた時期、どんな状態で痛みや違和感を感じるかなど詳しく質問。口腔内の撮影は1本の歯だけでなくパノラマで撮影し、他の歯の根の治療歴も確認する。過去の治療歴や全身の状態、家族歴なども治療の参考にするそうだ。複数考えられる違和感の原因から、考えられる原因を絞っていく。また、根管や骨の状態を確認するためにCT撮影も行う。
- 2診断・治療方針の説明
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問診と検査結果をもとに診断。自分の根管の状態について、詳しい説明を受ける。状態の理解は患者が治療に向かう意欲にもつながるため、撮影した画像などを用いたわかりやすい説明を心がけているそうだ。その後治療について複数のプランのメリット・デメリットを解説。治療期間や費用についても事前に確認しておこう。どんな治療を受けるか即決する必要はなく、じっくり考えてから結論を出してほしいとのこと。
- 3根管の治療
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精密根管治療はほとんどが複数回の治療が必要となる。まずは痛みや違和感のもととなる神経や感染物質を除去。根管内の汚れを精密に取り除くことで、免疫作用のある骨は自然と改善につながるそうだ。根管の形は人それぞれ違うだけでなく複雑な形をしているため、マイクロスコープやCTを駆使して常にこの形を確認することが重要とのこと。根管がきれいになったことが確認できれば細菌の再侵入を防ぐための薬剤を丁寧に充填する。
- 4経過観察後、かぶせ物作製・セット
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治療の精度を大切にするだけでなく「再発しない治療」を実現するためは、根管に充填した薬の密閉具合の確認が必要となる。根管内の薬が密閉されていると自然と骨も改善に向かうので、最後は骨の確認まで行う。この骨の反応の確認は、3ヵ月ほどかかるそうだ。骨の反応を確認した後は、かぶせ物を作製し装着する。表面がツルツルしたセラミックは歯垢や細菌が付着しにくいため、虫歯や歯周病予防の観点からも推奨しているそう。
自由診療費用の目安
自由診療とは精密根管治療/11万円~、セラミックのかぶせ物/11万円~