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布留川創 院長の独自取材記事

イデア矯正歯科

(川崎市中原区/武蔵新城駅)

最終更新日:2019/08/28

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ギリシャ語で「理念」を意味する「イデア」。矯正治療における理念を具現化できるクリニックを目指して、2008年に開業したのが「イデア矯正歯科」だ。大学病院などで顎変形症患者や口唇口蓋裂患者の治療も手がけてきた布留川創院長が、今もっとも力を注いでいるのが、子どもの矯正治療。院内は木のおもちゃや絵本がそろったキッズスペース、歯みがきトレーニングのための専用コーナーなど、子どもを診療するための工夫が随所に施されている。「子どもの診療に力を入れるのは、将来、歯科医療を支える人を育てるためでもあるんです」と布留川院長。懸命に治療にあたる自分やスタッフたちの姿を見て、歯科医師になりたいと思う子どもたちが出てきたらうれしい、と話す。やわらかな物腰のうちに秘めた情熱を感じさせる、信頼のおける先生だ。
(取材日2012年11月16日)

子どもの予防的治療に尽力するのは矯正医としての社会的責務

キッズコーナーや歯みがきコーナーなど、子ども向けの設備が非常に充実していますね。

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ありがとうございます。当院では子どもたちの歯並びを育てるトレーニングを行っています。歯みがきコーナーを設けたのは、その際に、きちんとした姿勢でトレーニングを行う必要があると考えたからです。歯科医院には珍しく、診療室の床が絨毯敷きなのも、家庭と同じような環境にするための工夫です。そうじゃないと家に帰ってから親御さんがトレーニングをさせようとしても、「環境が違うからできない」ということになりかねないんですね。診療台という環境だけでそうしたことに対処するのは困難ですから、例えば床に直接座ったり、立って歯みがきをしたりする場所を院内に用意したわけです。

お子さんの治療が得意のように見受けましたが、大人の方の治療もされていらっしゃいますか?

ええ、もちろん。成人矯正で一般的に用いられるマルチブラケット装置の調整は私が最も得意な分野だと思いますし、CADを利用した歯列模型の分析を行い、予測に合わせた治療をしています。ただ、経験を重ねていくなかで、矯正医として社会でやるべき仕事は何かを考えるようになりました。成人の治療も大切だけれど、もっと大切なのは、将来、矯正をする必要がなくなるような予防的治療と知識を子どもたちに提供していくことなのではないかと。経営的にはそれなりのロスがあったとしても、そうした病院を作ることが自分の社会的役割だと考えました。ですから院内の内装も、最初から子どもを診療することを念頭において設計しました。おかげさまで開業5年目に入り、近隣のお母様方から、子どもの矯正といえばイデア矯正歯科と言っていただけるまでになりました。

そのほかに独自で取り組んでいらっしゃることはありますか?

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矯正は客観的な情報が非常に重要になりますから、写真やレントゲン、歯型などのデータはすべてデジタル化しています。IT技術の利点は、自分で見ることができない口の中を見えるようにして、説明してあげられるところにあります。歯が動いたことを画像で確認できれば、何をされているかわからなくて怖い、といった不安もなくなります。もう一つの利点は、そうした客観的データの蓄積が将来の歯科医療の向上・発展にも大いに役立つということです。とはいえ、医療情報は個人情報の積み重ねでもありますから、患者さんには医療教育以外では使用しないことをお伝えし、同意をいただいています。もちろん院内のセキュリティについても、万全の体制を整えています。

歯科医師だった祖父や父の背中を見て、自身も歯科医療の道へ

ユニット脇のモニターで絶えず流れているスライドも、先生のお手製ですか?

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はい。自分たちで作っているオリジナルのスライドショーで、毎月4〜60枚くらいです。私が学会発表をするだけでなく、スタッフも頻繁に勉強会に参加していますので、その内容を噛み砕いて報告させていただいたりしています。治療中、患者さんは手持無沙汰になりますから、結構スライドを見ていらして、それがちょっとした会話のきっかけになることもあります。モニターはタッチパネルになっており、患者さんが触れて操作することも可能です。今の子どもたちはITに対する抵抗が全くありませんから、例えば私が本人のCADの歯形をモニターに表示して動かしてみせると、自分でも当り前のように触って動かしますよ。

ちなみに先生ご自身はどんなお子さんだったのですか?

おもちゃで遊ぶことや、プラモデルづくりが大好きな子どもでした。手先は小さい時から器用なほうだったと思います。家で使用中の黒電話まで分解するなど、なんでも分解しては組み立てることが好きだったのは覚えています。大人になっても、そうしたところは変わっていないと思いますよ。最近は病院の掃除機を分解して修理したり、自宅のエアコンを分解掃除しましたね。何でも分解したり、工事するのでスタッフにもよく驚かれていますが、つい先日iPS細胞でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授も洗濯機を直していたとニュースで伺い、「似ている大人が他にもいるんだ!」と勝手に親近感を抱きました。でも、当院の洗濯機が壊れたときはメーカーに直してもらっていたので「やはり、ノーベル賞にはかなわない」とも思いましたよ(笑)。

いつ頃から歯科医師になろうと考えていらっしゃったんですか?

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大人になったら自立生活していくことを想像し、長く働くのであれば自分に向いている仕事を選びたいし、努力した結果を見ることが出来るならば一層良いなと望みました。じゃあ、自分に何ができるだろうと考えた時に、子どもが思いつくのは、やはり自分がよく知っている職業だと思うんですよ。私の場合はそれが歯科医師でした。歯科医師の父は私の虫歯のインレー(金属の詰め物)を作るところを自宅のラボで見せてくれ、さらに自分に鋳造をさせてくれた記憶があります。実は祖父母も田舎で歯科医をしていました。祖父は特に義歯作成が好きで上手でした。模型の上に歯を並べる作業も、重合した入れ歯をフラスコという機械から掘り出し、磨かれて輝いていく作業も、手品のように面白く見ていました。ちょっと勉強ができるくらいでノーベル賞を取るのは無理だろうけど、歯科医師になって自分が治療した人が賞を取ったら、自分のやったこともその偉業の一部になるのではないか。子どもですから、そんなことも考えていました。それに手先の器用さも生かせそうです。

子どもの診療を通じて将来の歯科医療を支える人材を育てたい

お祖父さまともお父様とも違う矯正科を専門に選んだ理由を教えていただけますか?

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些細なきっかけがいくつも重なっているとは思っていますが、まずは、矯正の実習指導をしてくださる先輩方の人柄が良く、一緒に飲みに行っては「矯正治療は楽しい」と伝えてくださったからでしょう。また、当時の東京医科歯科大学では最終学年の間に臨床実習が行なわれ、やる気があればそれなりの人数の一般治療を経験できました。しかし、矯正治療は実際の治療経験は出来ず、グループ研修で治療方針の立案をすることができるのみでした。その時私は、「出っ歯の治療をやりすぎて受け口になってしまうことはないのだろうか」と疑問を持ったんですね。研修を補助してくれている矯正科の若い先生に質問してみたのですが、「そんなことがあるわけないだろう」と言われただけで納得できるような説明はなく、不満が残りました。それと同時に、患者さんが同じような場面に出くわした時も、きっと私と同じような釈然としない思いを抱えることになるんだろうな、とも感じました。矯正は教科書を勉強しただけでは何もわからない。自分にはもっと勉強しなければならないことがたくさんあるんだと痛感したんです。矯正の意義や役割が理解できてくるのは、実際にはかなり後になってからです。矯正はとても奥が深いものですから。

先生は現在も、日常診療を並行して精力的に研究活動をされていますね。

もし、趣味はなんですかと質問されたとしたら、今の答えは何に対してでも勉強することですね。矯正は客観的に治療の結果を表現できる分野なんです。私が進めている歯型などのデジタル化もそういう表現法の一つで、こうした客観的情報の蓄積によって、間違いなく歯科の勉強は今よりも簡単になるでしょうし、治療結果の向上にもつながると思います。ただし、開業医のデータ量には限界がありますから、今後こうした取り組みが大学病院などにも広がっていくことを期待しているところです。

今後の先生の夢をお聞かせいただけますか?

ここで関わった患者さんやご家族の方が、将来の歯科医療を支える人たちになっていくこと。そういう子どもたちを育てることが、今、私が仕事をする意義になっています。私たちが熱意を持って接し、いい治療を提供していけば、「歯科医療には大切な役割がある」と理解してくれる人が増えると思うんですね。実際、私が診た患者さんのうち、何人かは既に歯科医師になっています。また歯科医師だけでなく、当院の歯科衛生士さんたちにも共通して言えることですが、患者としていい治療を受けた経験がある人は、自分が医療の提供側に回った時に、患者さんに一生懸命向き合うことができるものなんです。歯科医療を取り巻く現状を見ると、将来を楽観視することは難しいかもしれませんが、そうした人材が増えてくれば、明るい未来がきっと開けるだろうと私は信じています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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矯正は、治療開始にベストな時期も、治療方針も様々ですし、人によって治療を受けることの重要性も違ってくるだけに、専門家に納得いくまで相談をすることが大切です。相談をしたらすぐに治療開始とは限りませんし、悩まれる場合にはセカンドオピニオンもお手伝いしていますよ。 歯並びに少しでも心配ごとがある方は、気軽に相談にいらしてくださいね。

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